【Seven Billion Dots
インタビュー】
自由で好きなように楽しめる
アプローチが僕らはできる
アプローチの仕方の
ひき出しが増えた
英語と日本語の歌詞に一部、スペイン語が混じっているところが面白いですね。
Masafumi
EDMはヨーロッパで流行っているという話をプロデューサーさんとディレクターさんとしていた時、“じゃあ、スペイン語入れちゃったらいいんじゃない?”となったんです。そんな軽いノリで入れてみました(笑)。
エスニックなメロディーとスペイン語の語感がマッチして、いいアクセトになっていると思います。そして、さっきも話題に出ましたが、「MAZICA ROCK」と比べて聴くと面白いという。
Masafumi
今回はEDMをやったけど、ちゃんとロックバンドであることも示したかったんです。だったら同じ曲をロックアレンジにして、そのギャップを見せたら分かりやすいんじゃないかと。メロディーは一緒なんですけど、テンポを変えたり、歌詞を加えたり、がっつりロックにアレンジにしてみました。「MAZICA PARTY」と「MAZICA ROCK」の2曲を聴いた人たちがどういう反応をするか楽しみですね。
Lyo
原曲がEDMなので、曲の構成がこれまで作ってきたものとは全然違うんですよ。だから、アレンジはパートごとに分解して整理するところから始めていきました。スタジオで大まかにアレンジしたあと、細かいところはパソコンで詰めていったんです。
ドラムの聴きどころは?
Lyo
ツーバスプレイを結構使っていて、中でもシンガロングパートでギターとユニゾンしているフレーズは聴きどころだと思います。
Kenさんのプレイは思う存分にギターを弾きまくっているという印象でした。
Ken
めちゃめちゃ弾きまくりました。ソロなんて今までで一番テクニカルなことをやっていると思います。
どんなイメージでアプローチしたのですか?
Ken
リードギターはThe Strokesのようなオルタナ系バンドのモジュレーション系エフェクターをかけた音を参考にしたり、でもフレーズはメタルに近かったりと、自分が持っている引き出しからいろいろ出してみました。
Masafumiさんはヴォーカリストとしてどんなアプローチを?
Masafumi
テンポが速い上に符割も細かいので、リズムに乗せるのが難しいアレンジになっているんです。その中で言葉ひとつひとつを立たせるように工夫したりとか、ちょっとメロウになるところの表現の切り替えを意識したりとか。あと、やっぱりロックなので、少し厳つめな表現をしたりもしましたね。
「MAZICA ROCK」に加えられた歌詞の中の《心アガる公式 ひとつじゃない/自由じゃない?》というフレーズは、EDMにもアプローチしたり、その曲をロックにアレンジしたりするSeven Billion Dotsが持っている自由なスタンスを改めてメッセージとして歌っているようにも思えましたが。
Masafumi
曲を聴くにしても、物を見るにしても、どこかに行くにしても、楽しみ方はひとつじゃないじゃないですか。それぞれの楽しみ方があって、それは誰も否定できないと思うんです。もっと開放的に好きなように音楽を聴いて、好きなように物を見て、好きなように行きたいところに行けばいい。そういう自由が僕らにはあるといこうことを伝えたいと思いました。
さて、そんな「MAZICA PARTY」と「MAIZCA ROCK」をカップリングした今回のシングルを作ったことは、Seven Billion Dotsをどんなふうに成長させてくれたという手応えがありますか?
Masafumi
自分たち的に新しいジャンルに手を伸ばしただけではなく、それをもともとの自分たちの持ち味と言えるものに変換する作業ができたのは、音楽を作る上でアプローチのアイディアのストックが増えたと思います。
Ken
かなり試行錯誤しましたからね。
Lyo
今まで出してこなかったものを出せたかな?
最後にリリース後の活動について教えてください。
Masafumi
8月21日と27日に東京と大阪で、延期になっていた『HOPE』のリリースライヴを開催します。そのあとは、サーキットイベントに出演することがいくつか決まっていて。僕らは2019年12月にメジャーデビューしたものの、直後にコロナ禍になってしまったせいで、ほとんどライヴができていないんですよ。
Lyo
だから、この夏はライヴ強化月間と位置づけて、精力的に取り組んできたんです。
今はまさにライヴ力を鍛え上げているところなんですけど、その成果をいろいろな人に観てもらえたらと思っています。曲ももちろんなんですが、やっぱり“ライヴもカッコ良い”と言われたいので。そこで応援してくれる人をどんどん増やしていきたいと思っています。
取材:山口智男