【内田雄馬 インタビュー】
冷静に呼吸をコントロールしながら
アツい闘志を抱いて歌った
初恋などの経験があるから、
今、自分がここにいる
次にカップリング曲の話ですが、「スタートライン」はsajiのヨシダタクミさん作詞作曲ですね。
新しいスタートを切る春という季節にぴったりの、青春を感じさせるギターロックです。
ヨシダさんとはTikTokでコラボしていましたよね。
そうなんですよ。そのコラボをきっかけに仲良くさせていただいていた中で、候補曲としてたまたまヨシダさんの曲をいただいて、めっちゃいいじゃん!ということで収録することに決まりました。
TikTokのコラボはどういう経緯だったんですか?
sajiとは『怪病医ラムネ』や『あひるの空』など、同じアニメのテーマソングを務める機会があったり、所属レコード会社が同じということもあったので、“何か一緒にやれたらいいね”と話をしていて、それが実現したものなんです。すごくたくさんの方に観ていただけて、本当にありがたいです。その流れで、ぜひこの「スタートライン」もたくさん聴いてもらえたら嬉しいですね。
ヨシダさんの楽曲のどんなところに魅力を感じていますか?
物語性があって、そこがいいですよね。4月という季節に希望を思って前に踏み出す時のワクワクが感じられるし、それも単なるワクワクではなく、一歩を踏み出す際の怖さも含めた上で書かれていて、聴く人それぞれに寄り添ってくれるものになっているのが素晴らしいなと。誰も置いていかない物語というか…新しい一歩を踏み出す時に怖いのは誰でも当たり前だから、そこでちゃんと背中を押してくれるのではないかと思います。
誰も置いていかないというのは学生や社会人1年生なんかは分かりやすいですけど、もっと上の世代の大人も置いていかない?
そういう世代の方にも絶対届く楽曲だと思います。サウンドも王道のギターロックになっているので、どんな人にも真っ直ぐに刺さるんじゃないでしょうか。この曲を聴けば、きっとみなさんそれぞれの学生時代などを思い出すのではないかと思いますね。
どんな世代が聴いても胸が熱くなるサウンドだと。
はい。昔を思い出して胸をアツくして、何歳でも何か新しい一歩を踏み出したいと思ってもらえたら嬉しいです。
歌詞に《夢はいつかの誰かが諦めた物語-ストーリー》と出てきますが、雄馬さんの子供の頃の夢は何でしたか?
なかった?
はい。幼稚園の時に遠足のバスでひとりずつ将来の夢を発表したことがあったのですが、みんなはサッカー選手とか野球選手とか言ってるのに、僕は“普通の大人になりたいです”って。そしたら、そのことを耳にした母に“うちが普通じゃないみたいだから、そういうことを言うのはやめなさい”って言われたことを覚えています(笑)。
でも、どうして普通の大人に?
中二病的な感覚で周りと自分は違うと思っていて、それで夢を語るのが恥ずかしかったのかもしれないです。18歳くらいまではそういうところがあって、声優の養成所に入っても若干引きずっていました。でも、養成所でコテンパンにされ、2年くらい経ったところで“俺は特別でもなんでもない”と思い知らされて、そこから頑張るようになり、やっと自分のスタートラインに立てたという感じです。
なるほど。そして、3曲目は「初恋」。ストレートなタイトルのR&B系バラードで、ファルセットで歌っているところもあって、メロディーもきれいなので、歌心が伝わってくるような曲ですね。
ありがとうございます。この曲はShogoさんと早川博隆さんといった、お馴染みのクリエーター陣に作っていただきました。繊細なアプローチが求められる部分もありましたが、もともとバラードが好きなので、歌うのがすごく楽しかったです。物語の主人公に自分の初恋の思い出も重ねながら歌いました。きっと聴いてくださるみなさんも、ご自身の初恋を思い出しながら聴いていただけるんじゃないかと思います。初恋などさまざまな経験があって、自分がここにいるわけだから、全ての経験は大切なものなんだ…と思わせてくれるというか。
ちなみに初恋って何歳ですか?
一番最初は、幼稚園の時の先生です(笑)。でも、ちゃんと人を好きになったのは中学の時で、笑顔が素敵な子でした。
この曲を聴いて、それぞれの初恋を思い出して甘酸っぱくなってもらえたらいいですね。
そうですね。初恋はきっと多くの人が経験することですし、それを思い出した時に感じた気持ちを、ずっと大切にしてもらえたら嬉しいです。
取材:榑林史章
・・・
シングル「Comin’ Back」2021年4月21日発売
KING RECORDS
- 【完全生産限定盤】(CD+DVD)
- KICM-92085
- ¥3,190(税込)
- 【通常盤】(CD)
- KICM-2085
- ¥1,430(税込)
ウチダユウマ:2013年に声優デビューし、数々の人気作で存在感を発揮。その一方で自身の出演作品のライヴイベントでは高い歌唱力も披露。歌の活動に期待が高まる中、さわやかにどこまでも突き抜ける声とキレのあるダンスを武器に、18年5月にシングル「NEW WORLD」でアーティストとしてデビュー。19年3月に『第13回声優アワード主演男優賞』を受賞、同年秋からは初の単独ライヴツアーを開催し、追加公演をパシフィコ横浜にて行なった。そして、21年10月には幕張メッセイベントホールにて『YUMA UCHIDA LIVE 2021「Equal Sign」』公演を成功させた。内田雄馬 オフィシャルHP
「Comin’ Back」MV
「スタートライン」Lyric Video
「初恋」Lyric Video