福士蒼汰と宮野真守それぞれの主演舞
台『浦島さん』と『カチカチ山』開幕
! “共演しそうで共演していない二
人”の囲み取材レポート
福士:たったいまゲネプロを行いまして、相当疲れているのですが、これから初日ということで、気合を入れ直してやっていきたいと思います。
ーー初日前に疲れていたら心配なのでは?(笑)
福士:心配です、僕も(笑)。自分が大丈夫かなと。でも、楽しく舞台ができたらと思います。
宮野:2人芝居に挑戦することは、なかなかない機会なので、いままでにないぐらいの運動量とセリフ量です。95分という中ですが、本当に濃密なエンターテインメントがつまっているので、僕も体力的には結構きつかったりするんですけど、昨日の初日はすごく手応えがあって。これから千秋楽にむけて、面白いものにどんどんなっていきそうだなという予感でワクワクしています。
ーー手応えを感じていらっしゃるわけですね。
宮野:僕も昨日はゲネプロをしてから、初日を迎えるという状態だったので。ゲネプロ終わりの間は、今の福士くんと同じ気持ちでした(笑)。だから安心してください。
福士:少し緊張がほぐれました。初日、応援しててね(笑)。
宮野:これから僕初日を見させていただくので、一番いいリアクションをしたいなと思います(笑)。
福士:いや、不安な部分はないんですけど、お客さんが入った時に、自分がどこまでノッていけるかなと。ゲネプロの場合は、観客がスタッフや関係者だったので、不安だなと思っていたんですけど、実際にお客さんが入って、自分がどう感じるのか未知数なので。そこを早く体感したいですね。
ーー舞台は2作目ですが、そのプレッシャーは。
福士:今回が2回目で、しかも3人芝居というのは、なかなかチャレンジングなことなんですが、僕自身はすごく楽しんでいますね。ステージ上にいるときは、自分自身でいられるなと感じる時間なので。本当にいつもいつも楽しくやらせてもらっています。
宮野:やはり、僕らは『神州無頼街』という、僕らに当て書きをしてもらった作品があったのが、できなくなってしまったという悔しさが非常にありました。でも、この状況下で、落ち込んで下を向いてしまうのではなくて、この状況下だからこそ、また新たに作り出されたエンターテインメントがあるんだなと思います。
今回、“ソーシャルディスタンス芝居”みたいな感じで作っていただいたことにより、僕らの可能性がどんどん広がったなと思うし、エンタメの可能性がこうやって広がっていくのはいいことだなと思いました。しかも今回オンライン配信が全公演あるということで、皆さんにとってお芝居というものがもっと身近になるんじゃないかなというのを感じています。
福士:僕は、映像のお仕事をやらせてもらった時もそうですが、やっぱりありがたいなぁという風に思いますね。このお仕事って、ある種エッセンシャルなことでもなくて、別になくても生きてはいけると思うんですけど、でもSNSや直接、お芝居見たいとか、舞台をして欲しい、ドラマに出て欲しい、という声があるからこそ、自分たちが存在できると思うので、本当にうれしいなと思います。今日もこういう風に皆さんが集まって取材してくださる。そういう時間って本当にありがたかったんだなと心から今感じていますし、いま自分が俳優やっていてよかったなと思える瞬間でもあります。
宮野:正直未知数でしたね。お客さんが半分で、どのような反応になるのかなと。お客さんも久しぶりに舞台を劇場に来てみるという感じだったのかな。初日は、僕が出た瞬間に拍手が起こって! この温かさが舞台の良さだなと思いました。客席が半分になっていることは関係なく、お客さんと対峙して、僕のパフォーマンスを見てもらう、お客さんに感じてもらうというのはやっぱり素晴らしいことだなと。そのことを昨日は感じられて、とても幸せでした。
宮野:僕らにとって、とても特別な作品になるものなので。またここで修行したら、舞台へ立つことへの自信がどんどん付いてくるんじゃないかなと思うので、パワーアップした僕らを『神州無頼街』で見せることができるんじゃないかなと思います。
ーー『神州無頼街』が初共演だったわけですよね。
宮野・福士:……そうですね!
福士:劇団☆新感線の『髑髏城の七人』の時も、Season月〈上弦の月〉、〈下弦の月〉のダブルチームでそれぞれ主演をさせていただいて、今回もこんな形で。共演しているようで、全然共演していない、同じ板の上に立っていない(笑)。(『神州無頼街』の上演が予定されている)再来年が楽しみですね。
宮野:やっと同じステージに立てるね(笑)。
宮野:お分かりのとおり、(風貌が)汚いです(笑)。僕こんな汚い格好でステージに立つのは初めてぐらい、僕にとっての新境地ではあるんですけど、太宰治の「お伽草紙」の中の『カチカチ山』は太宰目線での解釈が入っていて、なのでみなさんが知っている御伽話の「カチカチ山」なんですけど、そこに外連味(けれんみ)があるというか、少し屈折した部分が入ってくるのが非常に面白くなっていて。
だから僕も、人のようで狸のような身なりなんですけれども、一人の男が、自分の欲望に対してどういう風に向かい合って、それを認めていくのかみたいな、心理的な深さもあったりするので、楽しんでもらえるんじゃないかなと思っています!
福士:今回は、こういう状況の中、舞台ができることを光栄に思っております。そして舞台にぜひ来て欲しいなと思いますし、オンライン配信もありますので、ぜひ見てほしいなと思います。オンライン配信を見て、また生の舞台を見たいなという舞台を僕たちはできていると思うので、ぜひご覧ください!
宮野:今回のこの舞台は、先ほど言ったように『神州無頼街』を予定していた時期ではあったんですね。その代わりに立ち上がった企画ではあるんですけど、僕は初日も終えて、決してこれ苦肉の策ではなくて、この状況下で新たな方向性のエンターテインメントをつくれるんだなという可能性を僕は感じました。
僕自身も二人芝居を経験することで、今までに体感したことのない熱量、エネルギー量、セリフ量、人生最大のチャレンジといっても過言ではないぐらいの思いでいます。なので、人はどんな状況でも新たに素晴らしいものを生み出せるんだということを皆さんに感じてもらいたいので、ぜひ劇場でもオンラインでも、たくさんの方々に僕らの本気を感じていただきたいと思っております。応援よろしくお願いします。
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