REPORT / showmore 『too close to
know』 release one-man show 2人の
約束の景色がここに。音楽が生み出す
喜びと愛に溢れる120分。念願の地で
大成功を収めたワンマン公演をレポー
ト
この日のライブは単なるアルバムのリリース・ライブではなく、showmoreの2人にとって特別な意味があった。showmoreの結成時に井上が掲げた「3年でLIQUIDROOMへ連れて行く」という約束の日がこの公演となるのだ。さらに、7月末からアルバムの制作に専念するためライブ活動を休止していたshowmoreにとっては、アルバム・リリース後の初ライブでもある。メンバーだけでなく、ファンにとってもまさに待望の1日だ。本稿ではこの記念すべき公演の様子をお伝えする。
Text by Kohei Nojima
Photo by Yosuke Kamiyama
最後に井上(Key.)と根津(Vo.)が舞台上に登場すると、ひと際大きな歓声が上がる。根津のボーカルと井上のキーボードのデュオから始まる「auror」からライブはスタート。
根津が「ありがとう! 最後まで楽しんで!」と声を上げると、ドラムはテンポを上げて「highway」へと流れ込む。ストリングス隊が加わったことで、いつも以上に激しくスリリングな表情を見せた。続く「flashback」でも壮大なストリングスによって楽曲が持つシリアスな面を増幅させる。
『too close to know』のオープニング曲「baby」、「この曲を作った自分たちを褒めてあげたい」「色々な愛があるよね。あなたの愛を重ねて聴いて欲しい」と語った「dryice」と、アルバムの収録曲を続けてパフォーマンス。「dryice」はシングルで配信した楽曲のため、以前よりライブで披露されてきたが、ストリングスが加わったことでようやくライブでの完全再現が叶う形となった。
ストリングス隊が一度ステージから去り、シンプルな4人編成での「unitbath」から、「女子に捧げたい」と「bitter」へ。showmoreの楽曲の中でもかなり王道的とも言えるジャズ・ナンバーだ。ホーン隊と赤い照明で会場は妖艶な雰囲気に。「簡単じゃない / 私たち」とハンド・マイクで力強く歌う根津と、井上を始めとするバンド・メンバーの巧みな演奏に、オーディエンスは歓声を上げて応える。間髪を入れずに「1mm」のイントロが流れると、まるで嵐のあとの晴天のように会場の雰囲気が一転、爽やかな雰囲気に包まれた。
showmoreのプロフィール文にも添えられている「「正しいことばかり言わないで。人は寂し生き物でしょ?」という一節が印象的な「27」から、Charaのカバー「恋をした」へ。「恋をした」は思わず体が揺れるダンス・ナンバーだ。この日のために大阪から駆けつけという、SoulflexのKen Tによるサックス・ソロで、会場全体が沸き上がる。
続いて「now」のイントロが流れ、根津の「きてくれたよ!」との言葉と共に、SIRUPが登場。会場の熱量は何度目かのピークを更新する。「now!!」と、ステージの上も下も関係なく、みなそれぞれが自由に踊り、声を上げ楽しそうな表情を見せていたのが印象的であった
続くMCでは、LIQUIDROOMでの開催に際して不安が語られた。これまで、決して順風満帆なだけではなかったshowmoreの道のり。おそらく辛い光景も目の当たりしてきたことだろう。しかし、遂に目標に掲げたLIQUIDROOM公演をソールドアウトさせることができたことについて、井上の口からオーディエンスへの感謝が述べられた。「“ここにいたことが、後に自慢になるようなアーティストになることが僕たちの使命です”と言い続けてここまで来たのですが、ここで終わりじゃないし、まだまだ良い曲も書くし、もっと大きな景色を根津に見せてあげたいと思ってます」という井上の熱い言葉に対して、「おぉ! メガネ! カッコいいこと言うな。メガネ新しくしたんだぜ!」と根津は照れ隠しなのかイジり返す。ちなみに「後で話します」と言った井上のメガネが吹っ飛んだエピソードは結局、語られることはなかった。
「色んな出会いを経験して、いい女、いい男になっていけたらいいですね。この曲を書いたと時はとても辛かったけど、今は幸せです。ありがとう」という紹介を経て「call my name」を演奏。
井上のピアノと根津のボーカルのみというミニマルな編成から、後半はバンド編成へと流れ込む。根津のボーカリストとしての音域の広さ、歌唱力、繊細さが際立つ1曲だ。
サポート・メンバーを改めて紹介した後、「素敵な日々が続きますように」と告げ「have a good day」を披露。切実かつシンプルなフックと、ドラマチックなストリングスのアレンジが大きな感動を呼ぶ。
アンコールの最後には全サポート・メンバーが登場。有終の美を飾るのは人気曲「rinse in shampoo」だ。悲願のLIQUIDROOM公演を見事成功させ、素晴らしい空間を作ったメンバーに惜しみのない拍手が送られる。うっかり根津がこぼしてしまったが、サプライズとして用意していた「now」のShin Sakiuraリミックスが終演後、場内でプレイされ、大きな拍手が送られた。
1. aurora
2. highway
3. flashback
4. baby
5. dryice
6. unitbath
7. bitter
8. 1mm
9. 27
10. 恋をした
11. now
12. solitude
13. I don’t love you
14. red
15. call my name
16. circus
[Encore]
17. have a good day
18. rinse in shampoo
showmore 東名阪tour 『2020 s/s』
会場:大阪 Shangri-La
料金:¥3,500(1D代別途)
日時:2020年5月8日(金) OPEN 18:00 / START 19:00
会場:愛知・伏見 JAMMIN’
料金:¥3,500(1D代別途)
日時:2020年5月15日(金)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京・代官山UNIT
料金:¥4,000(1D代別途)
【リリース情報】
showmore 『too close to know』
Tracklist:
1. baby
2. red
3. now (feat.SIRUP)
4. 27
5. solitude (interlude)
6. I don’t love you
7. bitter
8. 1mm
9. dryice
10. call my name
■ showmore オフィシャル・サイト(http://showmore.tokyo)
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