宇宙Six/ジャニーズJr.の山本亮太や
伊礼彼方など出演の傑作コメディ『相
対的浮世絵』 稽古場レポートをお届
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生きていると必ず、思いがけず辛く悲しいことに向き合わなくてはいけないときがある。そういう苦悩の時間を可笑しく描く悲喜劇の名手、劇団「MONO」の土田英生。その彼がおよそ15年前に書き下ろした秀作『相対的浮世絵』を、人の感情の機微を描くことに長けている青木豪が演出を手掛けるという。
彼らはいずれも観客の気持ちを巧みに揺り動かすが、どちらかと言えば土田は外向きで「陽」、青木は内向きで「陰」という印象。しかしながら青木は近年、劇団四季『恋におちたシェイクスピア』(2018年初演)の演出や、関ジャニ∞の安田章大や古田新太らの出演で話題になった音楽劇『マニアック』(2019年上演)の作・演出などからも分かる通り、作風に幅と厚みが増している。それだけに、興味が惹かれた。
ある事件を境に、生死を分けた兄弟と友人たち。生き残った者の前に、彼岸にいる者が突如現れたら……。
この作品の執筆のきっかけは個人的な想いからのスタートでした。執筆当時あまり元気がなく、周りに対してどうせみんな俺のことなんか大事にしてくれない、自分が被害者だ、という思いがあった時に、それを吐き出すようにして書いたんです。ただ、その思いだけでは作品にならないので、過去と現在の入れ替わる登場人物たちの人間関係の中で、いろんな立場の人が両方正しい、というつもりで作品を仕上げました。なのでタイトルは、絶対的ではなく“相対的”であり、“浮世絵”は現世の図、という意味なので、社会や人間関係、という意味で付けました。
今回の出演者の皆さんは、バラバラな文法を持つ人々。そんな5人が、稽古を経て本番までに演出の青木さんのタクトでひとつのアンサンブルとなるのが楽しみです。
青木さんが主宰していた劇団「グリング」も会話劇が中心の作品だったので、シンパシー感じています。青木さん自身この作品で何をしたらいいか大半分かってらっしゃると思うんです。なので、これをどのように会話劇として仕立て上げてくれるのか本当に楽しみです。
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