【連載】Vol.069「Mike's Boogie St
ation=音楽にいつも感謝!=」

沢田研二 LIVE 2019 「SHOUT!」キック・オフ!
ますます元気いっぱいジュリー、沢田研二の2019年のコンサート・ツアーが始まった。古希公演が終わったばかりなのに今年はいつもより早く5月スター、11月末まで続く。【沢田研二 LIVE 2019 「SHOUT!」】。5月9日東京国際フォーラム・ホールAでの初日に足を運んだ。元気いっぱいのジュリー・ファンで“満員御礼”。オープンニング前から場内は熱い雰囲気が漂う。僕の前にはサリーやタロー。タローちゃんと久しぶりにいろんな話しを…(彼とは大分前になるけど一緒に仕事をした)。
ほぼ定刻通り午後6時、GTR/BGMが流れジュリーとギターの柴山和彦がステージに登場。割れんばかりのウェルカム拍手!

オープニングはアップビートなイントロで始まる「気になるお前」。ロンドン・レコーディングの1973年作品。シングル「胸いっぱいの悲しみ」のB面だ。エキサイティングなムードを噴出、オーディアンスは早くも手拍子で盛り上がる。曲後半でのジュリーのSHOUT!に今ツアーに対する意気込みを感じる。
そのまま2曲目へと入っていく。アップ・テンポ・ナンバーが続く「THE VANITY FACTORY」。佐野元春の作品、伊藤銀次による編曲の80年アルバム『G.S.I Love You』に収録。
そしてここでジュリー挨拶。令和に入って初コンサートということで、その令和についてもいかにも彼らしい表現で場内を笑わす。そして、前曲の手拍子について“お叱り”、もっと頑張れと手拍子レッスン。まさにこれぞジュリーの世界。このパートで朋友、萩原健一ことショーケンをトリビュート。涙して彼を称賛する。3秒間の黙祷。
その後はいつものように、“マイド”“オエド”!!柴山和彦を紹介し3曲目へと入っていく。柴山のハード・タッチなGTRから「a・b・c....i love you」。ミディアム・アップでヴァリーエーションに富んだサウンド展開。90年アルバム『単純(シンプル)な永遠』のオープニングを飾っていた作品。作詞はサエキけんぞう。
続いてはジュリー・スタンダード「勝手にしやがれ」だ。77年のベスト・セラーでレコード大賞受賞曲。ここでの手拍子はもう怒られないくらいビシッときまりしっかり会場を包み込む。リハーサルをトゥー・マッチ・ガンバだったのか1曲目では声が少し荒れていたけど、歌い始めるといつもに戻る。ステージ・アクションもタイヘンなんですよと言いながらもこのナンバーでの実に軽快なランニング・ジュリーに見とれてしまう。そう、今回はハンドマイクでの熱唱。従ってあの(!)パフォーマンスも片手だけだった。
5 曲目は「ストリッパー」。81年アルバム『S/T/R/I/P/P/E/R』に収録されその後シングルとしてもリリースされた。シングル・ジャケットには大きく“JULIE & EXOTICS”と表記されジュリー&5人のグループ・ショット。若き日の柴山にも注目だ。作曲はジュリー。ヒット・チューンでシャウトするジュリーはやっぱり最高だ。
「探偵(哀しきチェイサー)」は78年リリースのアルバム『今度は、華麗な宴にどうぞ。』収録ナンバー。ドラマティックなバラードを切々と歌いあげる。この頃、ジュリー・ファンはハイボールを呑むようになった?!同年TV放送された『七人の刑事/哀しきチェイサー』でジュリーは内田裕也さんと共演。裕也さんへのトリビュートとの選曲だと僕は思う。また、2009年、11年にはジュリーの同名音楽劇が人気を呼んだことはファンの間にはよく知られている。
バラードが続く、7曲目「そっとくちづけを」。改めてジュリーの今の心境を思わせるような歌詞…、囁きかけるようにしっとりと歌い上げる。 07年のシングル・チューンで同時リリースされたアルバム『生きてたらシアワセ』にも収録。
そして「お前は魔法使い」!この日のステージで僕が最もエキサイトしたナンバーだ。井上尭之バンドを従えてレコーディングした74年アルバム『JEWEL JULIE 追憶』に収録。ジュリーの作詞作曲。グルーヴ感溢れるサウンドが全面に噴出する。今年3月にCDリリースされた『1974年ワン・ステップ・フェスティバル/沢田研二&井上尭之バンド』でも楽しめる。
ジャケットをとって9曲目に入る、吉田建プロデュースの93年アルバム『REALLY Love YA 』からの「憂欝なパルス」。作詞は森雪之丞。ジュリーお気に入りのタイトなロックンロール。
そして新作「吉いらんか」 の登場だ。辺野古問題を取り上げたメッセージ・ソング。作詞作曲は沢田研二。昨今のジュリーはまさに“日本のボブ・ディラン”と機会ある毎に僕は記しているが、そんな彼の生き様を現した作品である。♪辺野古の海は泣いている…♪。ファンへ披露するのは勿論この日が初めて。未レコーディング作品である。曲後、何のも説明が無いのはいかにもジュリーらしくて好感が持てた。

11曲目は「グショグショ ワッショイ」。昨年3月11日リリースの『OLD GUYS ROCK』収録ナンバー。作詞がジュリー作曲は柴山。まさに今のジュリーの気持ちを素直に表現した作品なのだ。
今度は「限界臨界」だ。15年のCD『こっちの水苦いぞ』からのナンバー。勿論この作品も強烈なメッセージが込められている。ジュリーはこうして叫び続けているのだ。
続いての「若者よ」は10年のCD『涙色の空』からのアップ・テンポのナンバー。柴山もコーラスに加わる、レッツ・パワー。この空を爽やかに清め、称える!オールド・ジェネレーションのジュリー・ファンの皆さん、この楽曲を子供や孫たちに聴かせてあげよう!
そして今年3月にリリースされたばかりの「SHOUT!」からの2曲が続く。まずは「根腐れPolitician」ジュリー作詞、柴山の作曲。世界中の“政治屋”達を叱り飛ばすジュリーの叫びだ。歌詞♪待望のheysey♪をこの日は♪待望のreiwa♪ にチェンジして歌った。
そしてツアー・タイトルともなった「SHOUT!」。ジュリーの作詞作曲。ハード・タッチのパワフルな作品としてライヴに凄く似合う。拳を上げてオーディアンスを鼓舞するようにOH OH OH OH!柴山のGTRがここでも激しくロックしているのだ。特にエンディングの高まりはとても印象的だった。
そしてラスト・ナンバーは「君をのせて」“MY BOAT FOR YOU”。71年のジュリーのファースト・ソロ・シングル・ナンバー。天地真理・主演でジュリーが相手役を務めた映画「虹をわたって」の挿入歌(この映画にはショーケンも出演)。
休憩と勘違いしたオーディアンスが少し遅れ目だったけどアンコールを求める手拍子を…。そして場内が笑いと歓声が沸く。な、なんと猫の着ぐるみ&秋刀魚マイクのジュリーが登場なのだ。ユーモラスなトークの中にも「毎年毎年、誕生日がくると新たな気持ちで頑張ろう」というジュリーの生きてる姿勢を語る。

ということでアンコール1曲目は「誕生日」。72年アルバム『JYULIE IV 今 僕は倖せです』収録。このアルバムはジュリーのセルフ・プロデュースで作詞作曲も全曲、沢田研二である。曲前にしっかりと練習したオーディアンスがコーラス・パートで加わって見事にキマる。パーティー・ソングとして流行らせたい楽しいナンバー!
ありがとニャ~!アンコール2曲目は80年のヒット「TOKIO」。作詞・糸井重里、作曲・加瀬邦彦、編曲・後藤次利という当時の最強トライアングルによる作品だ。ジャケットのカウボーイ・ジュリーも素敵だったけど、エレクトリック・スーツ&パラシュートでのTV番組でのパフォーマンスに吃驚&大拍手だった。この日もオーディアンスの手拍子&TOKIOシャウトで会場は大いに盛り上がった。間奏でのジュリー・ダンシングではしっかり着ぐるみのフェイス・パートを被っての熱演だったのだ。
そしてファイナルは「さよならを待たせて」。久々のセルフ・プロデュース・アルバムとして95年に登場した『SUR』収録曲。最後に相応しいエモーショナルなバラード。オーディアンスを感動させる素晴らしい作品、そして見事な出来栄えのステージであった。
ありがとニャン、ジュリー!!!
そして終演時に「決めてやる今夜」のイントロが…。“Mr.ロッケンロール Rest in Peace”の気持ちが込められていた。
*ジャケット写真=from Mike’s Collection


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ザ・B.B.キング・ブルース・バンドがついにニュー・アルバム発表!『THE SOUL OF THE KING』!!多くのゲストがレコーディングに参加。
▲提供:BSMF RECORDS

Vol.64に登場したザ・B.B.キング・ブルース・バンドがそのインタビューで語っていたようにニュー・レコーディング・アルバムを発表した、『THE SOUL OF THE KING』(BSMF RECORDS/BSMF-2657)。B.B.を35年に亘ってサポートしてきたトランペッターのジェームス・ブーガルー・ボールデンを中心にラッセル・ジャクソン、ウィルバート・コスビーら10人から成るTBBKBBは、これからB.B.のブルース遺産を後世に伝えようという姿勢で活動を続けていく。ライヴ活動と共にこれからは新作アルバムもどんどんリリースしていくという。B.B.のスタンダード作品に加え、オリジナル・ナンバーからもキングの魅力をたっぷりと感じる。それが『THE SOUL OF THE KING』だ。そしてここにB.B.をリスペクトするアーティストらも参加して点も見逃せない。B.B.の代表作「Sweet Little Angel」ではニューオーリンズ出身のお馴染みケニー・ニールがヴォーカル&ギターを担当している。その二―ルはラッセルのオリジナル「Becoming The Blues」でも見事なブルース・ハープを披露している。このナンバーでは女性バッキング・ヴォーカルのヒューストン出身の遅咲きの実力派ディアナ・グリーンリーフにも注目だ。B.B.81年のナンバー「There Must Be A Better World Somewhere」ではメンフィスのパワフル・ソウル・シスター、ココ・テイラーを師と仰ぐディアナ・グリーンリーフの実にソウルフルな歌声が心に響く。B.B.68年のヒット「Paying The Cost To Be The Boss」。このナンバーは御大の87年アルバム『Deuces Wild』でも取り上げられそのヴァージョンはB.B.&ローリング・ストーンズの共演だった。そして今回はストーンズと縁のあるタジ・マハールとニューオーリンズ出身で1990年代後半に頭角を現した女性R&Bシンガーのメアリー・グリフィンのデュオ。
そしてアルバム中一番の注目作は「Regal Blues(A Tribute The King)」。あのジョー・ルイス・ウォーカーによる書き下ろしトリビュート・ソングなのだ。B.B.キングへのリスペクト、そしてラヴをダイレクトに感じさせるジャンピング・ブルースだ。そしてもう一曲聴き逃せないのがご存知「The Thrill Is Gone」。ここでギター&ヴォーカルを披露しているのはマイケル・リー。彼はNBC-TV“VOICE THE BLIND AUDITIONS”で鮮烈なパフォーマンスを飾った。一躍注目を集めたマイケルは昨年のVOICEでもこのナンバーを歌いGTRを弾きまくったのだ。彼はテキサス出身で若干30歳だ。ザ・B.B.キング・ブルース・バンドの次回のLIVE IN JAPANはぜひともマイケル・リーを連れて来て欲しい!!!
▲TBBKBのジェームス・ブーガルー・ボールデンと筆者 Pic. by K.Sato

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【ライヴinfo】

◇メリッサ・モーガン
メリッサ・モーガンがBillboard Liveに初登場する。ニューヨーク生まれの彼女は1980年代前半、ハイ・ファッションの一員としてミュージック・シーンに登場。このグループにはアリソン・ウィリアムスも在籍したことでも知られ、82年にダンサブル・チューン「Feelin’ Lucky Lately」で話題を呼んだ(Billboard誌ソウル・チャート32位)。そして85~86年メリッサはプリンス作品「Do Me Baby」を大ヒットさせる。BB誌ソウル・チャートで3週1位!しっとりしたこのソウルフル・ナンバーでわが国でも注目を集めた。その後もカシーフとのデュオ・チューンも含め90年代まで数多くのヒットを発表している。一時ミュージック・シーンから遠ざかったが、昨年13年ぶりとなる新作『LOVE DEMANDS』を発表、僕らファンの前に帰って来た。このアルバムが実にファンタスティック!カバー曲6、新作6という構成。カバーではビージーズ、アレサ・フランクリン、スプリームス、トム・ジョーンズ、サム・クックでお馴染みの作品を歌っているけど、圧巻は何といってもオーティス・レディングの代表作(アイク&ティナ・ターナーでも馴染み深い)「I’ve Been Loving You Too Long」。切々と歌い上げベテランの味をしっかりと感じさせるのだ。そして新作は全て彼女とブラッドリー・ガッサーとの共作。アルバム・タイトル・チューン、「Holla」など佳曲揃いだ。そしてボーナス・トラック/Love Demands Sessionsとして80年代のメリッサの名作2曲「Do Me Baby」「Fool’s Paradise」が収められている。日本でのステージはきっとこのアルバムを中心にパフォーマンスしてくれるはずだ。今からとても楽しみだ…。
▲アルバム『LOVE DEMANDS』 from Mike’s Collection

*2019年6月4日 Billboard Live OSAKA
ファースト・ステージ 開場17:30  開演18:30
セカンド・ステージ  開場20:30  開演21:30
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=11500&shop=2

*2019年6月5日 Billboard Live TOKYO
ファースト・ステージ 開場17:30  開演18:30
セカンド・ステージ  開場20:30  開演21:30
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=11501&shop=1

◇マリア・マルダー
アメリカン・ミュージックをこよなく愛するマリア・マルダーが9年ぶりの来日を果たす。1960年代から音楽活動していた彼女は73年にソロ・デビュー。アルバム『Maria Muldaur』を発表した。シングル・カットされた「Midnight At The Oasis」が74年にBillboard誌HOT100で6位の大ヒット。彼女の名前は一躍ファンの知るところとなり、“オールド・タイム・レディ”という邦題でも知られるアルバムもベスト・セラーを記録した。以来、数多くの著名ミュージシャンとコラボしたりしながら着実な活動を続け40枚以上の作品集をリリースしている。カントリーからブルースまでアメリカン・ミュージックの造形に深いマリアはニューオーリンズの音楽にも早くから興味を抱き、デビュー・アルバムでは同地生まれで30年代後半から活動したブルー・ル・パーカー(1913~98)の38年作品「Don't You Feel My Leg」を取り上げている。そんなマリア・マルダーのリスペクトする偉大なるブルー・ル・パーカーのトリビュート・アルバムが昨年リリースされた。『Don't You Feel My Leg: The Naughty Bawdy Blues Of Blue Lu Barker』。今回の来日公演はきっとこの最新作をフィーチャーしたステージになるだろう、楽しみだ。ブルー・ル・パーカーは30年代後半からデッカを皮切りにアポロ、キャピトルなどでレコーディング。48年にはハーヴィー・オリヴァー・ブルックス作のポピュラー・ソング、エヴリン・ナイトでヒットした「A Little Bird Told Me」を取り上げて注目されたこともある。マリアはブルー・ルのトリビュート・アルバムではそんな偉大なるブルース/ジャズ・シンガーの名作を12曲取り上げているのだ。「Don’t You~」「A Little~」ほか夫でギタリスト、キャブ・キャロウェイら多くのミュージシャンのバックを務めたことでも知られるダニー・パーカー(1909~94)の作品を含め全12曲で見事にブルー・ルのスタンダードを熱唱している。アメリカ文化の伝承者としてのステージをじっくりと味わうことにしよう。
▲アルバム『DON’T YOU FEEL MY LEG』 from Mike’s Collection

*2019年6月8日 9日 Billboard Live TOKYO
ファースト・ステージ 開場15:30  開演16:30
セカンド・ステージ  開場18:30  開演19:30
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=11485&shop=1

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