北翔海莉&藤山扇治郎がお惚気モード
全開! 再演『蘭〜緒方洪庵 浪華の事
件帳〜』製作発表会見~「幸せの気持
ちをお届けできたら」

医術の道に希望を抱く若き日の緒方洪庵と大坂の町を影で守る闇の組織「在天」の姫・東儀左近の痛快娯楽時代劇『蘭~緒方洪庵 浪華の事件帳~』が、早くも2019年8~9月に日本各地で再演される。初演は昨年5月。「昭和の喜劇王」と称され、松竹新喜劇を牽引した藤山寛美の孫・藤山扇治郎が主演し、元宝塚トップスターの北翔海莉らが出演して話題となった。再演に向けて、3月8日、東京都内で製作発表が行われた。会見の模様を写真とともにお伝えする。
藤山扇治郎
若き日の緒方洪庵である緒方章を主演する藤山扇治郎は「再演をさせていただけること、そして地方をまわらせていただけることが有り難いです。巡業なので、毎日違う場所で演じさせていただくことで、色々感じることも多いと思います。一生懸命稽古して、臨みたいです。初演よりも良くなるように、お客さんに何かを感じ取っていた抱けるように、また見たいなと思っていただけるように、頑張らせていただきたいと思います」とあいさつした。
北翔海莉
東儀左近を演じる北翔海莉は「再演させていただける、そして全国で公演させていただけること、大変光栄に思っております。再演というのは初演よりも怖いといいますか、役者にとっては前回よりもさらにグレードアップしたものをお見せしなければいけないというプレッシャーもあります。さらに磨きをかけて、皆様にお届けしたいなと思っています」と語る。
そして「昨年の『蘭』の公演以来、この1年は私はお能であったり、雅楽など、神様の前で芸能を演じる役が多かった。芸を通して何を伝えるのか、もう一度見つめ直して、天に届くような思いで、色々挑戦していけたら嬉しいなと思います」と話した。
思々斎塾主宰の中天游を演じる石倉三郎は「1年ぶりということで、再演というのはプレッシャーがかかるものでございまして、前回よりは自分の中でマシなものをお届けできたら。なんとか頑張って、扇治郎さんのお引き立てよろしく頑張っていきたいと思います。全国をまわるということで、役者一同張り切っておりまして、地方の方々に、喜んでいただきたい、笑っていただけるというような気持ちが強いです」と意気込んだ。
さらに「弟子が非常に優秀な人でございまして、稽古の時から、この二人は結婚するなと思っていました。嘘なんですけど。寝耳に水でございます!まぁおめでとうございます」と、初演の共演がきっかけで結婚した藤山と北翔を石倉らしく祝福した。
藤山扇治郎と北翔海莉(左から)
ーー約1年ぶりの再演となりますが、前回公演を踏まえた意気込みを改めて教えてください。特に藤山さんと北翔さんはご結婚されてから初の共演となりますが、その心境も合わせて教えてください。
扇治郎 前回はお芝居をする時に、叫びすぎたりして喉を痛めたこともありましたので、当たり前ですが、体調管理は気をつけたいです。あとは、お客様に何をお伝えするかをはっきりさせて、見やすい芝居にしなければいけないと思っています。
ご縁がありまして、(北翔海莉と)入籍させていただきました。環境は変わりましたけれども、急には別に何も変わりません。日々毎日何事も経験と学習をしていかなければいけないことが多いなと。一緒にならせていただいて、色々感じること、一人では分からなかったことも多いです。何事も勉強だなと思います。
とても激しいお芝居だと思うので、怪我なく、また、お客さんに喜んでいただけるように、初演よりも再演の方が面白かったなと言っていただけるように。とりあえず一生懸命務めさせていただくということが大事だと思います。
藤山扇治郎
北翔 キャストが若干変更になっている部分があるので、新しい役者さんとのお芝居で、また違う見せ方に気がついたり、自分では気づかなかった部分を引き出していただけるかもしれないので、新しい芝居ができるのではないかなと思っております。前回よりもさらにパワーアップした立ち回りをしたいと思いますし、何よりも健康で怪我なくやるのがいちばんの仕事だと思います。
それから会場によってなのですが、本編後の「蘭RANライブ」についても、少しずつ練っていきたいなと思います。前回よりも今回の方がとてもオイシイと思います。
石倉 とにかく前回のことは全く意識しないで、新しい仕事だという意識で、自分になれずにやっていきたいなと思います。全く新しい台本だと思って。
北翔海莉
ーー新婚ホヤホヤだと思いますが、本作を通じて出会われたお二人。タイトルにちなみ新婚生活で、何か「事件」があったら教えてください。
扇次郎 事件といったら大層なんですが、僕、よくものを忘れるので、それは「事件」ですよね。「連絡した~?」「あ、忘れた」。それが「事件」ですよね。些細なことです。いろんな事件がありますけど、一人だとその事件もありませんから。二人で、相手がいるからそういう事件も起こるわけで。有り難いと思いますね。
今回は再演で各地を巡業させていただきます。こうしてお仕事のご縁で一緒にまた回らせていただけるのは、個人的には、皆さまへのお礼みたいな意味合いもあって。自分たちから出向いてお客様の前でお芝居させていただいて、ご挨拶させていただくというのがとても大事だと思います。
北翔 事件はそんなになくて、日々色々あってもですね、扇治郎さんの様々な言葉の一つ一つに、自分が気づかなかった部分だったり、足りなかった部分だったりを教えていただいています。学びがあります。そういう意味では感謝しています。まぁ、あんまり事件はないです(笑)。
藤山扇治郎(左)の発言に笑う北翔海莉
ーーご夫婦になられたことで、前回と比べて、今回の共演は何か気持ちの変化などあるのでしょうか?
扇治郎 あんまり。舞台の上は、緒方章と東儀左近ですから。一緒に共演させていただけるというのはすごく嬉しいですが、初演があって、再演があって...別にあんまりそういう違いはないですね。これが、本名の役で出るなら別でしょうけれども、役の中のお芝居ですので。
北翔 私も役になりますと、あまり。本名の自分は楽屋に置いてくるので、そういう部分では何も意識はないです。歌舞伎の世界でもそうだと思いますが、身内や親子の方が芸事は厳しいと思いますし、また舞台上でも気を引き締めてやらなくてはいけないという思いがありますので、前回よりもピリッとして東儀左近を徹底的に演じ切りたいなと思います。
でもプライベートとしては、全国のお客様に楽しんでいただける、喜んでいただけるお仕事を一緒にできる喜びは本当にあります。自分一人でなくて、二人で幸せの気持ちを皆様にお届けできたら一番嬉しいなと思います。
石倉三郎、藤山扇治郎、北翔海莉、岸田敏志(左から)
ーーお互いのここが素晴らしいなと、お稽古を通じて尊敬できる部分などを教えてください。
扇治郎 自分が稽古されているだけではなくて、いろんなことを考えながら、円滑に稽古が進むように、常に気遣いをされている。お芝居はさることながら、気遣いや人を和ますものを持ってはる。とても素晴らしいし、一番大事なところではないのかなと思います。
自分自身も劇団に所属している人間ですけれども、自分が学ばなくてはいけないことだなと思います。後輩ができた時に、自分の行動は人に見られますから。僕が(北翔の)付き人をしたいぐらいです(笑)。魅力はたくさんありますが、そういうところは特に素晴らしいなと思いますね。
北翔 座長さんが誰よりも稽古場に一番最初に来ていますし、誰よりも最後までギリギリまでお稽古をして帰られる。その姿を見ていて、やはり自分もそうでありたいという気持ちになりましたし、座ることも水を飲むことを忘れて無我夢中にお稽古されている姿を見て、あぁこういう座長さんについていきたいなと思える。自分もそうでありたいという気持ちがありましたし、きちっと共演者としてサポートしてきたいと気づかせていただける存在です。本当に尊敬しています。
音楽を担当する岸田敏志
音楽を担当する岸田敏志は「作る側と演じる側、その全部がうまくいった時に初めて100%に行くが、(初演時に)北翔さんに歌っていただいた時に、すっかり100を超えた。こんなにすごい作品に仕上げてくださったと感動しました。またこういう形で一緒にこの作品で仕事ができることを光栄に思っております」などと挨拶した。
松竹の安孫子正・副社長
松竹の安孫子正副社長は「昨年上演いたしまして、好評を博した作品。とても面白い芝居に仕上がりました。地方の方にも見ていただきたいということで、地方公演の中で行わせていただくことになりました。藤山さんと北翔さんを中心に描かれた作品だが、それ以外にも各界で活躍している方にお集まりいただきました。この作品を通して、地方のお客様にもお芝居の面白さを感じていただければ、これに尽きる喜びはないです」と語った。
また、会見には欠席だったが、演出の錦織一清のコメントも代読され、「贅沢この上ない環境の下お稽古を始められるのが、今から楽しみで仕方ありません」などと語っていた。
取材・文・撮影=五月女菜穂

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