ニック・ムーン、ASIAN KUNG-FU GEN
ERATIONとの全国ツアーがスタート

ニック・ムーンが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの<Tour 2018 「BONES & YAMS」>オープニング・アクトとして22公演を巡る全国ツアーをスタートさせた。
4月にソロ・アルバム『CIRCUS LOVE』をリリースしたニックは、2018年より日本を活動の拠点とし、アルバム・リリースを記念したインストア・イベントの開催や<GREENROOM FESTIVAL '18>への出演など、精力的なライブ活動を展開している。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのメンバーとの交流は約10年前、KYTEの来日公演をきっかけに始まったそうで、喜多建介と山田貴洋は今年3月に開かれたニックのアルバム・リリース前プレ・ライブにも出演するなど、その後も親交を深めてきた。

以下、<Tour 2018 「BONES & YAMS」>2日目、6月8日(金)の東京・Zepp DiverCity (TOKYO)公演のオフィシャル・レポートをお届けする。

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UK/レスター出身のバンド、KYTEのフロントマンからソロへと転身。デビュー・アルバム『CIRCUS LOVE』でエレクトロニックでドリーミーな新境地を開拓したニック・ムーンが、ジャパン・ツアーに乗り出した。このツアーはASIAN KUNG-FU GENERATIONによる全国ツアー<BONES & YAMS>のオープニング・アクトを務めるという、海外アーティストとしては異例の試み。しかも6~7月にかけてと長期間にわたる。彼の音楽性がアジカンのファンにどんなふうに受け留められるのか興味津々だが、アジカンのファンもアジカンが選んだアーティストだけに同様だった様子。ニックの出演タイムから既にオーディエンスはギッシリ満員。6月8日(金)、ツアー2日目のZepp DiverCity公演をチェックした。
▲ニック・ムーン

ニックが登場したのは、開演時間の20分ほど前(彼の出番は毎夜このタイミング!)。ステージ右手に据えられたラップトップやキーボード、電子機材の前に立った彼は、開口一番「東京は元気ですか?」と日本語で挨拶。一気に会場の雰囲気を和ませる。オープニング曲は、スウィートでメランコリックなエレポップ「So Well」から。自身の歌声や演奏した音色を機材に取り込み、それらを次々と重ね合わせて、ループを描いていく。ハンドマイクで歌いながら、機材を弄って大忙し。そんなマッド・サイエンティストのような演奏風景に、ど肝を抜かれた人も多かったようだ。

目前に壮大な風景が広がる「Something」、弾き語り調から次第にダイナミックになった「SPACE 666」など、エモーショナルなヴォーカルを煌びやかなサウンドに乗せていく。サウンドのレイヤーが分厚くなるにつれて、1曲の中でのドラマ性もどんどん膨らんでいった。いったんバックトラックが完成してからは、ステージ中央でヴォーカルだけに集中したり、オーディエンスを煽ったりも。一人きりのライヴとはいえ、臨場感が圧倒的だった。

ここしばらくは日本を拠点に活動するというニックは、日本語を勉強中。「日本語、勉強してるけど、難しいね」「アジカン、有難う。大好き!」といった、ほぼ日本語だけで貫き通したMCも好感度大。ラスト・ナンバー「You & Me」の中盤からは手拍子も沸き起こり、和気藹々としたムードに包まれ終了した。
▲ASIAN KUNG-FU GENERATION

一方の、ニックとは以前から親交の深いアジカンは、一体感抜群のバンド・サウンドで魅了する。拘りの裏ベスト『HONE』と『IMO』の2枚のアルバムに収録されたレア曲を中心に、お馴染みの代表曲を加えた構成だ。一人でバンドをやっているかのようなニックとは対照的ともいえる、バンドによる一丸となったサウンドを放出。一糸乱れぬ団結力を見せつけ、酔わせてくれた。“秋にリリース予定の新作には、海外の大物アーティストたちも参加”というニュースも後藤正文から明かされ、ファンは大喜び。2時間たっぷり、これまでの過去の軌跡を振り返りつつ、新作への期待も募らせてくれた。

Text by 村上ひさし
Photos by Tetsuya Yamakawa

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ニック・ムーンはこの後7月20日(金)までASIAN KUNG-FU GENERATIONと共に全国各地を巡り、7月27日(金)には<FUJI ROCK FESTIVAL '18>に出演することが決定している。

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