LCD Soundsystem『tonite』【ノリは
以前のまま、ハイテンションな楽曲で
見事に復活！】

　かつて、いぇーいぇーいぇー、とだけ言ってるような曲（あまりにおおざっぱすぎる説明だが）を作った、その精神は健在なようだ。活動休止を経て、見事に復活。7年ぶりとなる新作全体に言えることだが、以前のノリで戻って来てくれるのがうれしい。こちらも、いぇーいぇー、とテンション高々に歓迎したくなる。今年のフジロックのライブは、そんな歓迎ムードと高揚感があいまったステージだった（らしい）。目撃できなかったのは残念だが、音源としての復活をまずは喜ばずにいられない。踊らずにいられない。新曲はアナログチックで、ぶりぶりとしたシンセサイザーの音が気持ちいい。段々と高揚していく展開もすばらしい。復活したこと自体が注目のポイントになってしまい、作品の内容が（例えばかつての自己模倣にすぎなくて）それほど注目されない活動再開、というパターンも多い中、このテンションの張りつめたアルバムを作り上げたことが、何より感動的だ。

(2017.9.13) (レビュアー：夜鍋太郎)