電波少女「メジャーの荒波の中で頑張
りたい」全国ツアー東京公演

高円寺HIGHで『ショートムービー上映&全国ライブツアー「デリヘル」』の東京公演をおこなった電波少女

 ヒップホップユニットの電波少女(デンパガール)が8月20日に、東京・高円寺HIGHで『ショートムービー上映&全国ライブツアー「デリヘル」』の東京公演をおこなった。8月5日の北海道を皮切りに、ツアーファイナル9月3日の宮崎まで、全国9カ所10公演をおこなうというもの。この日は1部と2部の2回公演。ショートムービー『デイドリーマーA』を上映し、ゲストにNIHA-Cや釈迦坊主(Shaka bose)、トップハムハット狂 a.k.a AOらを招き、フィーチャリング曲も披露。8月1日にリリースされた新曲「NO NAME.」など全12曲を披露した。1部の模様を以下にレポートする。

ショートムービー『デイドリーマーA』

ライブのもよう

 会場は満員。ライブは「NO NAME.」がエンディング曲として使われたショートムービー『デイドリーマーA』で幕開け。笠松将が主演を務め、若者の日常の葛藤を描いていく。約20分間、サスペンス要素もあるエンディングに息を飲み、オーディエンスもエンドロールまで目を奪われる。
 
 ショートムービーに続いて、オープニングアクトに全国ツアーを電波少女と共にロードしてきた、NIHA-Cが登場。オーディエンスに語りかけていくかのような、パフォーマンスでフロアを一つにしていく。そして、電波少女の2人がダンサーに続いてステージに登場。歓声の中、流れるバックトラックに乗りながら、nicecream(パフォーマンス&ボタンを押す係)のアクロバティックなパフォーマンスと、ハシシ(MC)の声で序盤から観るものの気持ちを昂らせていく。

 そのまま、2016年11月から3カ月にわたりおこなわれた、『電波少女的ヒッチハイクの旅』の旅中に制作された「FOOTPRINTZ」へ突入。ステージ上ではダンサーがタオルを振り回し、ロック色を強めた電波少女らしいアグレッシブな楽曲に、フロアは熱を帯びていく。昨年から今年の頭までヒッチハイクの旅の経験を経て生まれた楽曲は、特別な感情を持っているかのように、アクティブな空間を作り出した。

 久しぶりの披露となった「This world isクソゲー feat.SHAKABOOZ」を釈迦坊主(Shaka bose)と共に発信していく。2人のキャラクターの違いによって生み出されるケミストリーは新たなエネルギーの渦を作り出す。間奏でのnicecreamのスロウAトラックス~ウィンドミルで会場はヒートアップ。続いて、NIHA-Cがステージに登場し「オーバードーズ feat.NIHA-C」を披露。nicecreamはヘルメットを着用し、今度はヘッドスピンでフロアをエキサイティングさせていった。

 「MO feat.NIHA-C」に続き、NIHA-Cの新曲「モナリザ feat.ハシシ from電波少女」をハシシと共に届ける。ハシシとNIHA-Cが向かい合いながら歌うシーンでは、ちょっと照れ臭そうなハシシの姿も。このツアーを共にするNIHA-Cとの絆を感じさせた瞬間でもあった。

 続いて、nicecreamが曲出しを間違えるという、ライブならではのハプニング。ハシシも「おっ! 久しぶりにミスしたね」と嬉しそうにツッコミ。ハプニングもなんのその、仕切り直してAOと「ツキ feat.ハシシ from電波少女」を披露。2人のハーモニーで、新たな世界観で魅了し、フィーチャリング楽曲でカラフルにライブを展開させていく。

メジャーという荒波の中で

ライブのもよう

 そして、ヒッチハイクの旅で重要だったと話す楽曲「笑えるように」では、nicecreamがアコースティックギターを肩にかけ、ヒッチハイクの旅でのストリートライブの雰囲気も感じさせるなか、ハシシが熱唱。情景が浮かんでくるかのような、気持ちの入った演奏でオーディエンスを扇情させていく。立て続けに8月1日に配信リリースされた新曲「NO NAME.」へ。ハシシは感情を解放していくかのように歌い上げる姿が印象的。上り詰めていくような感覚を与えてくれた。

 MCでは8月1日に30歳になったハシシは、10数年前に喫茶店を改装しライブをおこなっていたことなど、nicecreamとの思い出話しなどで花が咲いた。そして、「これからもメジャーという荒波の中で頑張って行きます」と決意を告げた。さらに電波少女のテーマは“挫折”だと話し「挫折する方の背中を押したい」とハシシらしい言葉を投げかける。しかし、その言葉の裏には挫折をし、乗り越えなければ説得力は出ないというメッセージが。

 ラストは「Munchii Bear Cookiis 2015」を全力で歌い上げていく。ゲストやダンサーも全員ステージに集結し、賑やかな中、ライブの幕は閉じた。2人のステージは時折見せる宮崎弁による“ゆるい”MCと、電波少女ならではの楽曲で聴かせるギャップが魅力。9月27日にはフルアルバム『HEALTH』のリリースも決定し、さらに進化していく2人に期待感が高まるステージであった。

【取材=村上順一】

セットリスト

ショートムービー上映&全国ライブツアー「デリヘル」

8月20日 東京・高円寺HIGH

1.INTRO
2.FOOTPRINTZ
3.ME
4.This world isクソゲー feat.SHAKABOOZ
5.オーバードーズ feat.NIHA-C
6.MO feat.NIHA-C
7.モナリザ feat.ハシシ from 電波少女
8.ツキ feat. ハシシ from 電波少女
9.笑えるように
10.NO NAME.
11.Re:カールマイヤー
12.Munchii Bear Cookiis 2015

作品情報

メジャーデビューアルバム「HEALTH」

9月27日リリース
※添付ジャケット掲載

初回限定盤(CD+DVD)BVCL-823~824 3518円+税
CD収録曲
01. INTRO
02. ME
03. FOOTPRINTZ
04. 21世紀難民 feat. れをる(from REOL)
05. 先天性ハートブレイク
06. 花火 feat. NIHA-C
07. MONE\CLIP feat. Jinmenusagi
08. SKIT1
09. 未来は誰かの手の中
10. クビナワ feat. ぼくのりりっくのぼうよみ&ササノマリイ
11. SKIT2
12. NO NAME.
13. A BONE feat. Jinmenusagi & NIHA-C
14. OUTRO

DVD収録曲
電波少女 ワンマンライブ“EST.”at Shibuya WWW X(2017.06.18)
01. INTRO
02. FOOTPRINTZ
03. オルタネートエラー feat. トップハムハット狂
04. Mis(ter)Understand
05. Earphone feat. Jinmenusagi
06. RY feat. Jinmenusagi
07. オーバードーズfeat. NIHA-C
08. MO feat. NIHA-C
09. ME
10. 笑えるように
11. COMPLEX feat. Jinmenusagi, NIHA-C

MV&Short Movie
12. ME MV
13. FOOTPRINTZ MV
14. NO NAME. -Short Movie-『デイドリーマーA』

通常盤(CD) BVCL-825 2593円+税

電波少女「HEALTH」リリースパーティー
日程:2017年10月7日
場所:高円寺HIGH
開場開演 16時30分/17時
4000円(ドリンク代別)
ぴあにてチケット一般発売中 
問い合わせ 高円寺HIGH 03‐5378-0382

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