日本のカントリーミュージャン6選 
本場アメリカにも絶賛される歌手を紹

小坂一也

小坂一也は1952年に活動を開始した日本のカントリーミュージシャンです。
小坂一也は、日本のカントリーミュージックの草分けのひとりといってもよいでしょう。ロカビリーが全盛だった1950年代に、実力派として玄人好みだったマウンテン・プレイボーイズのジミー時田と並び、甘いルックスでカントリー界のアイドル的存在でした。
この時代の多くのアーティストがそうだったように、やはり米軍キャンプめぐりで頭角を現し、「サイクリング、サイクリング、やっほーやっほー」というキャッチーな曲のヒットで一躍、有名アーティストとして知られるようになりました。
透き通るようなハイノートの歌声と伏目がちで、いつも照れているような独特の表情は、多くの女性ファンを魅了していました。歌手としてだけでなく、映画やテレビドラマなど多方面で活躍し、当時、有名女優だったと十朱幸代との恋愛はファンの間でもよく知られています。
おすすめしたいアルバムは「二階の他人 [ 小坂一也 ]」。小坂一也の甘い歌声をぜひ堪能してみてください。

Predawn

プリドーンは2008年に活動を開始したシンガーソングライター。本名は清水美和子。
彼女の奏でるギターの音色と、透き通った歌声を聴くとまるで森の中に踏み込んでしまったかのような気分になります。ギターのテクニックは相当なもので、バックバンドがいなくとも安定感のある演奏、アコースティックライブが特に心地よいです。
歌詞はほとんどが英語なのですが、英詩だからといって日本人英語らしくもなく、不思議な語感、それがまた柔らかく彼女の作る曲と非常にマッチしています。ライブでは、風が吹き、空が晴れている情景に歌が溶けていくようで、都会にいながら自然を感じることができるでしょう。
また、自宅で聴くのもオススメ。特に午前中などまだ脳が起きていないときでも、柔らかい音色でありながら少しずつ気持ちを軽やかにしてくれます。窓からは光が差し込む休日の午前に、コーヒーを飲み、読書をしながら聴くことをおすすめしたいです。
おすすめしたいアルバムは「Absence [ Predawn ]」。2016年にリリースされた彼女の最新作です。

ハンバートハンバート

ハンバートハンバートは1998年に結成された佐藤良成と佐野遊穂から成る2人組デュオです。
おすすめするジャパニーズカントリーと言えば、このハンバートハンバートは外せません。男女二人のデュオからなるハンバートハンバートの音楽は、聴いているととにかくどこか懐かしい気持ちになり、とても心地が良いです。カントリーやフォークの要素が多く、ナチュラルなサウンドが魅力です。
特にお薦めしたいアルバムは4枚目のアルバム「11のみじかいはなし」。聴いていただければ分かりますが、土の匂いが感じられる作品に仕上がっています。サウンドはとてもシンプル、二人のハモりも最高です。家のキッチンでずっと曲を流しながら1日を過ごすのも良いと思います。
ライブでは、ハンバートハンバートの世界にどんどん入り込んで行くような感覚になります。是非一度、ハンバートハンバートを聴いてみてください。
アメリカンルーツミュージックをたっぷり吸収したハンバートハンバートの音楽には、カントリーテイストが存分に溢れています。
多彩なメロディに寄り添うフィドル、マンドリン、ホイッスル等のカントリー定番の楽器を駆使した楽曲のアレンジは、日本のカントリーミュージックとして語るのにふさわしいのではないでしょうか。
夫婦の2人組という佇まいと、彼らのライフスタイルから感じられるフィーリングは、日本人のイメージとしての「カントリー調」というものを分かりやすく提示してくれています。
2011年にリリースされた2枚目のアルバム「Humbert Humbert ハンバートハンバート / アメリカの友人 【CD】」の中の”アメリカの恋人”は彼らのアメリカ音楽に対するラブソングであり、日本のカントリーミュージックの代表曲と言っても過言ではない名曲です。
20年近くに及ぼうとしている彼らの音楽の足跡なくして、日本のカントリーミュージックは語れないでしょう。

ジミー時田

ジミー時田は1957年に活動を開始した満州生まれのカントリーミュージシャンです。
ジミー時田とマウンテン・プレイボーイズと言うアルバムが日本のカントリーミュージックとしてわかりやすいものになるでしょう。ジミーの名前はジミーロジャースからとったそうで青山学院在学中にバンドを結成、その中のメンバーにはいかりや長介や寺内タケシと言う豪華な面々が揃っていました。
英語の発音が非常に上手で二年間米国に渡ってコンサートを続けた中で、現地のアメリカ人から本当に日本人なのかと驚くほどだったそうです。なぜそうなったかと言うと幼少の頃に並外れた英語に対しての努力があってこそだそう。レパートリーの種類は数千にも及びカントリーのミュージックに多大な影響を与えただけでなく、ジャズなど他のジャンルの歌手にも影響を与える事になりました。
ジミー時田は、カントリーの中でもカントリーウェスタンで有名な歌手です。さらに、ジミー時田の場合は米軍キャンプのクラブにて演奏をしていたこともあるので、その当時流行っていたロックやジャズなど、なんでも演奏することができたそうです。
ジミー時田の楽曲は非常にアメリカンでありながら、情景がふわふわと思い浮かんでくるようなゆったりとしたものが多く、心があたたまります。また、彼の発音も他の日本人アーティストと比較してもずば抜けており、海外からの評価も非常に高いことがその事実を語っているのではないかと感じます。
青山学院大学在学中にマウンテンプレイボーイズを結成し、最初のアルバムを1962年に「ジミー時田とマウンテン・プレイボーイズ / 西部劇主題歌のすべて」をキングレコードからリリースします。
結成直後はメンバーは固定しなかったが、主に米軍キャンプ(立川、横田や横須賀)に出入りしているミュージシャンがメンバーに入っており、その中には上京したてのいかりや長介や寺内たけしがいました。
その当時の日本では、カントリーウェスタンやロカビリーが流行っており、あの坂本九にしても売り出しの頃はギターを弾きながらロカビリーをしていたことで有名です。
そして、ジミー時田のキャリアにおいておすすめしたいアルバムはやはり「これが西部劇主題歌」。この作品は1971年の作品であり、ジミー時田の全盛期に当たるとは言えません。音楽的にもジミー時田が30後半になる頃であり、著書からもその時期の自分の音楽性についてだったりの相当の悩みがあった中での作品だそうです。
若い頃の作品とはまた違く安っぽい言葉だが哀愁が漂っていて、その中にも日本人であるがウェスタンをやるんだという強い精神が聞こえてくるアルバムです。
また、ジミー時田のおすすめの曲、まずこれは最初に聞いてもらいたいと思う曲は”ア・フール・サッチ・アズ・アイ”。上記のように、カントリーな景色が連想される、明るくてさらりと聞くことが出来る曲です。カントリーというジャンルの枠を超えて、ジミー時田の個性がひしひしと伝わる心地の良いサウンドが、きっと皆さんの耳と心を癒してくれるでしょう。

石田美也

石田美也は1990年代に活動を開始したカントリーミュージシャン。
次におすすめしたいカントリーミュージックを歌う日本人歌手は石田美也。彼女は同じくカントリーミュージシャンである父親の石田新太郎の影響で音楽の道に進みました。幼い頃から楽器の演奏を始め、教会の聖歌隊やライブハウスへの出演など様々な音楽活動をしながら育ったそう。
現在は全国各地でライブ演奏やプロモーション活動されています。ライブ演奏での彼女の生歌は圧巻、CDよりも声量がものすごく、圧倒されます。また、明るい性格の持ち主なのでトークも聞きやすく面白いことも魅力の1つです。
彼女が出したアルバムの中でおすすめしたいのは「ウェスタンスペシャル1」。これは2005年に発売されたもので、その中でも”ライダース・イン・ザ・スカイ”という楽曲が特にファンに愛された折再生回数が多いです。落ち込んだ時に聴くと気持ちが楽になります。
この 4年後には「ウェスタンスペシャル2」も発売されたので1を聞いて気にいった方にはこちらもおすすめです。

宮前ユキ

宮前ユキは1974年にデビューしたカントリーミュージシャン。
熊本出身の宮前ユキは、1970年代に活躍していたカントリーミュージシャンであり、当時の4.50代が熱狂したアーティストです。また、1980年代の音楽が低迷した頃には、ラジオ日本にてレディー・ユキ・メレアイランドという番組のディスクジョッキーとして活躍しており、音楽を盛り上げていました。
カントリーミュージックの本場アメリカでもその歌唱力が認められ、何回も日本代表としてその歌声をアメリカでも披露していました。
今回おすすめしたいアルバムは、オリビヤ・ニュートンジョンとの競作である”JOLENE”が収録された「My Country」。1993年リリースです。
アメリカにも愛された宮前ユキは、まさに日本カントリーミュージック界の女王と呼ぶにふさわしい方でしょう。数年前に亡くなっていますが、この声を引き継ぐ人が現れると嬉しいですね。

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