J-WAVE『RADIO×SPIDER』、雑誌『Myspace From JP.』、『Myspace』の3社によるメディア・クロス・プロジェクトにより発掘されたニューカマーniccoがSPIDER RECORDS第一弾アーティストとして始動!
取材:編集部
連載で知り合って半年ほど経つけど、あの頃はリリースが決まってなくて。正直なところ戸惑いはなかったの?
はい、戸惑ってます(笑)。最初の頃は周りがわ~って進んで行ってて。やっと最近になって、緊張や不安もありつつ興奮もしつつ…という感じです。
そうなんだ(笑)。もともとは、バンドを組んだりしてたんだよね?
最初は高校で人気だったバンドが解散して、再結成する時に“ヴォーカルで入れてほしい”って頼んで、1曲作ってきたら入れてあげると言われてすごい苦労して作って入れてもらいまいした。
作りたいって意識は最初からあったの?
試してみたことはあったけど…程度ですね。それ以降は、どのバンドに入っても楽しくて率先して作ってた。人の曲だとつまんないなぁって。自分の歌を歌いたくなっちゃうんです。
その頃作った曲は、今もやってたりするのかな?
『黄色いカプリ』『ブルウ』は10代で書いたものですね。
今作に収録されているね。アルバムタイトルでもある「委員長」をピックアップした理由は?
私がどういう曲を歌う人か分かりやすくビジョンが浮かんで、とっかかりやすいかなと。この曲は悪エロいみたいな感じの曲を作りたくて、1~2年前に意識的に作ったものなんです。高校生の危うい感じ、青春のフラフラッとした感じが出したかったんです。
で、こういうシチュエーションなんだ。思春期にある感じだよね。これは誰かを見ながら自分を重ねてたりするのかな?
誰がっていう特定はなくて、妄想の部分が強いかな。私はマジメなほうだったけど、たまにイラッとすることやいろいろ思うこともある。ただ、それを口に出せない子だったんですね。まぁ、今もそうなんですけど(笑)。この委員長はモヤモヤを常に持ってるけど、わりとアグレッシブに行動しちゃう感じの子。自分もこういう人になりたいんだけど、実際になったらイヤなんですけどね(笑)
それとは対極なのが「おやすみベイビー」。男の子目線で書いていて中性的な感じするけど、自分の擬人化で“僕”ってことなの?
そういう部分はかなりあると思います。私の書く曲に出てくる男の子って、ちょっとナヨっというか情けない感じが多くて。自分がそういう頼りない感じの人が好きで、それもすごい出ちゃいますね。
この2曲は100円CDとしても発売されてるんだよね。そして、今回のレコーディングは普通のインディーズとは違い、プロのスタッフがたくさんかかわってるけど、まとめてたのは誰なのかな?
まとめはディレクターさんですけど、本当に環境がまったく別世界でしたね。全体のアレンジとかはバンドと一緒にやってました。
作詞、作曲、歌を担当しているのだから、本来は“こういうイメージなんです!”って言える立場だったりするよね?(笑)
え~っと、思ってることを上手く言葉にできなくて…あいまいな感じになっちゃうんです。でも、ギターの人がバンマスで、“こういう感じ?”とかいろいろ訊いてくれて“それです!”な感じで進めてくれた。私の好きな感覚を分かってくれてて、素晴らしい通訳です(笑)
残りの収録曲を決めた基準は何だったの?
う~ん…全部好きな曲です。“これやりたい!”みたいな(笑)。ただ、バンドっぽさが出るようにという、そこが大きいかな。
作詞や作曲のスタンスは、以前から比べると変化はある?
今のほうが分かりやすく作りたいって気持ちが強いです。前は歌詞の内容は自分が分かってればよくて、“これは何だろう?”って思わせるのがカッコ良かった。でも、伝わらないとちょっと残念だなぁと。やっぱり、伝わってると思うとうれしいじゃないですか。
なるほど、作ることに相手が出てきたんだ。分かってほしいっていう感覚があるの? だからこそチョットひねくれて入ってきてって感じ。
分かってほしい。『黄色いカプリ』とか言葉使いが分かりづらくなってても、読み解いて理解してほしい、みたいな。
映像的に見える歌詞が多いと思うんだけど。
意識はしてないけど、情景がわーって浮かんで書いてるのが多い。でも、基本的には実際に自分が感じたこと…あるひとつの事実から派生した空想とか妄想ではあるんだけど、そこには自分がいますね。
自分の性格を自己判断すると?
すごい臆病というか、小心者ですけど…おごり高ぶってる。偉そうなことを言う(笑)
全然そんな印象はないけどね。
言わないだけで思ってる。いい意味で歌詞に出してます(笑)
自称カテゴリーの“niccorock”っていうのは、どういう表現とかサウンド傾向とかの考えがあったりするの? ロックという言葉の概念や定義みたいなものって、人それぞれだとは思うけど。
メロディー自体は伝わりやすい、分かりやすく聴きやすい音楽でありたいと思ってます。ジャンルとしては聴いた人が決めてくれればよくて。でも、自分の中でロックって精神的な部分が大きいと思ってて。芯がしっかりして、揺らがない感じ。なんかその辺すごくよく考えるんですけど…自分はどういう音楽なのかなって。そういうふうになりたいってところが、今はまだ強いかな? “揺らがない感じになりたい!”って思いを“折れないように”“曲がらないように”です(苦笑)
スタッフができた環境って、大きな違いだよね?
大きく違いますね。いろいろ言われて、すごく窮屈で狭まったところもありつつ、別の視点から広がって、違う世界ができたりするので、そこは良いなと。
たくさんライヴをやってるけど、その辺りについては?
すごい楽しいですね。でも、ライヴこそ意見がたくさんありすぎて。自分がどうなりたいか決めつつ、一応試すけど“違う”って思ったら保留。アマチュア時代は“良かったよ”としか言われなかったので(笑)。ライヴがカッコ良いと言ってもらえる人になりたいです。
でも、声がいいって言われない? ライヴの時に声が変化してるなって思ったんだよ。曲によって性格も変わるぐらい。
自覚はないけど、良いって言われますね。気持ちのまんまいくのかなぁ? でも、感情の起伏というか表現力を付けたいなって思ってます。今よりも、もっともっと。
作家能力も高いけど、声は天性ものだと思うので大事にしてください。
東京都出身、1986年8月29日生まれの女性シンガー・ソングライターnicco。“誰も言わないんだったらあたしが言っちゃうよ”というキャッチ・フレーズで、自身が創り出したジャンル“niccorock”を奏でている。
いくつかのバンド&ソロ活動を経て、09年8月よりniccoとしての活動を開始。09年12月、J-WAVE『RADIO×SPIDER』のオンエア・オーディションに応募した「委員長」がオンエアされ、リスナーからの反響を得る。そして10年6月、J-WAVE『RADIO×SPIDER』×<MySpace>×東京ニュース通信社『MySpace From JP.』によるインディーズ・レーベル<SPIDER RECORDS>より、第1弾アーティストとして1stミニ・アルバム『委員長』をリリース。
8月には『音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2010』『AOMORI ROCK FESTIVAL '10〜夏の魔物〜』『SUMMER SONIC 2010』などの数多くの夏フェスやイベントに出演。『SUMMER SONIC 2010』においては、インディーズでは異例の東京・大阪とW出演を果たし、9月には<cutting edge>よりミニ・アルバム『最前線』でメジャー・デビュー。オフィシャルHP
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