【KoN】全ての芸術は互いに通じる
ヴァイオリン奏者でありながら歌唱、演技、ミュージカルなどマルチな活躍をしているKoNが、フジテレビ系昼ドラマ『赤い糸の女』の主題歌等を収録した日本デビューアルバムをリリース!
取材:石田博嗣
ドラマ『赤い糸の女』では主題歌、挿入歌、メインテーマ曲、エンディングテーマ曲を担当しつつ、俳優としても出演し、なんと1人5役されているという。
ひとつの作品でいろいろな役割を担当させていただくことは、作品への関わり合いとして理想的でしたが、1人5役は簡単なことではありませんでした。結果的にはそれぞれの役がうまく噛み合わさり、シナジー効果が出たと思います。例えば、ドラマのために作曲した曲が、私の演技にも役立ち、主題歌を歌う時は、私が演じる役を基に考えながら感情を出し、レコーディングも成功で終えることができました。このように歌、演技、作曲、演奏などのさまざまな要素が合わさって、ひとつの大きな絵を描けたと思っています。加えて、“全ての芸術は互いに通じる”という私の考えも、ある程度立証できたようで嬉しいです(笑)
そんなドラマの主題歌等を収録した、待望の日本デビューアルバム『KoN ~Nuevo Impacto~』なのですが、本作を制作するにあたり、どんな作品にしたいと思っていましたか?
まず、日本での初めてのアルバムになるので、私の良い部分をお見せできる作品を作りたいと思いました。私はヴァイオリンの演奏以外にも歌、作曲、演技など、いろいろな分野で活動をしていますが、そういったマルチな要素に着目して、アルバムの中に私の姿を多様に盛り込んで見せることができ、かつその一方で、私だけの統一性を持ったアルバムを作りたいと思いました。
メインがヴァイオリンだからクラシカルというわけでなく、むしろヴァイオリンがバンドサウンドの上で歌っているようで、ポップスという印象が強かったです。
私が追求する音楽は、既存のものとは少し違った、新しいスタイル。そういったものをお見せできるよう努力しています。お聴きの通り、ヴァイオリン曲が持っている典型的なイメージを若干抜け出すことも、やはり意図していることのひとつです。今後も、特定のジャンルのイメージというよりは、多様な雰囲気とジャンルを行き来する音楽をお聴かせするのが私の目標です。
オフコースの代表曲「言葉にできない」をカバーされているのですが、この曲をKoNさんはご存知だったのですか?
韓国でも多くのアーティストが歌っているので、知っていました。ヴァイオリンは切ない音楽を表現するのに最適な楽器だと思うので、今回のアルバムで日本のクラシックな曲をカバーするにあたり、この曲を収録するのが良いと思いました。伴奏のリズムパターンの変化を通じて、動きのある感じを出し、新しい『言葉にできない』の雰囲気を出そうと試みました。
辛島美登里さんとのデュエット曲で、ドラマの主題歌でもある「愛はどこに」ですが、辛島さんとのデュエットはいかがでしたか?
辛島さんの声はとても綺麗で、一種の神聖な雰囲気が感じられました。一緒にデュエット作業ができて嬉しかったし、お互いに良いアンサンブルができたので、大変満足しています。作詞は辛島さんが担当してくださり、縁と愛に対して本当に詩的に表現されていたので、歌詞の内容のように、お互いに話すように歌おうと努力しました。ヴァイオリンを演奏する時も、歌の内容を考えて、その感情に没頭しながら演奏しようと努めました。
KoNさんの多彩ぶりが分かる作品になりましたね。
私がお見せできるさまざまな姿が、まんべんなく盛り込まれていると思います。私の作曲、演奏、歌など、多様な曲をお聴きいただき、KoNにはこういう部分があるんだ、このような感性があるんだ、ということを感じてくだされば嬉しいですね!
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