ポーラ美術館「ピカソとシャガール
愛と平和の讃歌」展、香水作りなど展
覧会に関連したワークショップも

パブロ・ピカソ(1881-1973)とマルク・シャガール(1887-1985)は、ともに20世紀を代表する芸術家と言っても過言ではない。ポーラ美術館開館15周年を記念する展覧会「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」では、二人のライバル関係に光を当て、彼らの初期から晩年までの作品をたどることで、それぞれの新たな芸術家像を浮かび上がらせていく。一見、対照的な芸術家に見える二人だが、これまでの作品を比べ合わせたとき、絵画における対象の変形や色彩といった二人が追究した課題において、また「愛」や「平和」という主題において、共通する取り組みも見られる。約80点の作品を通して、ときに近づき、あるいは相反して独自性を際立たせる二人の作品約80点から、彼らの芸術の本質に迫る。

展示される作品は、パリ国立ピカソ美術館から、近年評価が高まっている晩年における代表作「画家と子ども」ほか、「習作:アルルカン、ギヨーム・アポリネールとアンリ・ドロルメルの戯画的肖像画」等の版画を含む計6点を借用。更に、シャガールの円熟期の作品、「青い顔の婚約者」をはじめ、「サン=ポールの上の恋人たち」、「パエトーン」を貴重な個人コレクションより借用して展示を行う。シャガールが戦後に南フランスにアトリエを構え、豊かな自然のなかで色彩表現を一層成熟させたころの作品だ。

また、幅6mを超える2点の巨大タペストリーにも注目。二人は、戦争、そして平和への願いを大型作品込めている。ピカソは、1937年にスペインの都市ゲルニカへ無差別の空爆を壁画《ゲルニカ》に、シャガールは第二次大戦後、記念碑的な壁画やステンドグラスを手がけた。

戦後のフランスでは、人間性の復権を求めて伝統ある職人の仕事を見直す機運が高まり、芸術家たちと職人との協働が盛んに行われ、ピカソとシャガールの原画をもとに、卓越した技術を誇る織師の手によってタペストリーが制作された。本展覧会では、2人の画家の巨大タペストリーによって、それぞれの芸術家の格闘と、織り込まれた深遠なるメッセージを体感できる。※作品ごとに展示期間が異なる。

2017年4月29日(土)から5月7日(日)のゴールデンウィーク中にシャガールにフォーカスをあてた「愛のシャガール・ウィーク」を開催。この期間、小・中学生は無料で入館できるので、家族には嬉しい企画だ。さらに、展覧会に関連した、ポーラ美術館館長による講演会やシャガールが愛したクレズマー音楽のコンサート、人気の香水作りワークショップ、箱根の自然を楽しめる自然観察会などイベント盛りだくさん。ぜひ、ゴールデンウィーク期間にあわせて足を運んでみて。

【概要】
ポーラ美術館開館15周年展「ピカソとシャガール~愛と平和の賛歌~」
会期:2017年3月18日(土)~9月24日(日)
※会期中無休、ただし展示替のため、5月12日(金)は一部閉室。6月21日(水)は休室(常設展示のみ)
開館時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで)
出品点数:絵画(油彩画、水彩画、版画他:約80点)、タペストリー(3点)、合計約80点

【本展に出品されるタペストリーの展示期間】
《ゲルニカ(タピスリ)》原画:パブロ・ピカソ
期間:3月18日~5月11日
《ミノトーロマシー》原画:パブロ・ピカソ
期間:5月13日~9月24日
《平和》原画:マルク・シャガール
期間:全会期

【イベント概要】
■4月29日(土) 館長による講演会「ピカソとシャガールの生涯ー20世紀最大の劇芸術」
内容:開催中の企画展「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」展の開催を記念して、本展の監修者である当館館長木島俊介による講演会を開催。
講師:木島俊介(ポーラ美術館館長)
日時:2017年4月29日(土)14:00~15:00
会場:地下1階講堂
定員:先着100名様
参加費:無料 ※当日入館券が必要

■4月30日(日)香水作りワークショップ「香りの教室」
人気講座、失敗しない香水作りワークショップ「香りの教室」香水は、ただ香料をまぜればできる、というものではなく、「いい香り」にするには、知識や経験が必要。初めての人でも失敗しない香水を作る法則で特許を取得しているポーラ化成工業から講師を招き、香水の香りのメカニズムや香料について学びながらその法則にそって、オリジナル香水作りを楽しめる。
日程:2017年4月30日(日)14:00-15:30
会場:ポーラ美術館 地下1階講堂
参加費:1,500円 (アトマイザー付)
定員:先着20名
参加方法:事前申込制。※お問い合わせフォームより申し込み。
協力:ポーラ化成工業株式会社

■5月3日(水)シャガールが描いた音楽 トーク&コンサート「シャガールの故郷で愛されたクレズマー音楽に触れる」
オルケステル・ドレイデルが奏でる、シャガールが聴いていた東欧ユダヤ音楽・クレズマーの演奏に加え、音楽の魅力や絵画との関わりについて、演奏者と当館学芸員とのクロストークを楽しめます。
出演:オルケステル・ドレイデル
日程:2017年5月3日(水・祝)
・トークイベント 15:30~16:30
・コンサート 17:10~18:00
※コンサート終了後、「強羅駅」「仙石案内所」行きの臨時バスを発車(無料)
会場:地下1階講堂/カフェチューン
定員:70名
参加費:無料 ※当日入館券が必要

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