「劇場版 ソードアート・オ
ンライン」ARアイドル・ユナ役 神田
沙也加「声優の現場は、すべての変身
願望が満たされる場所」

 「キャラクタービジュアルがとてもかわいらしかったので、アニメ好きとしては、とても嬉しかったです。自分が演じていなくても、ビジュアル的に一番好きなキャラクターです」と、ユナの第一印象を喜々として語る神田。演じるに当たっては「小悪魔的な感じ」をキーワードとしつつ、劇場版のゲストキャラクターであることをことさら意識せずに、むしろ「SAO」というシリーズの世界観に違和感なく溶け込んでいくことを目指したという。「アスナのほっぺにチュってキスするシーンがあるので、それが自然とできる嫌味のない『あざとかわいさ』を表現できたら、と考えて演じました」

ARアイドル・ユナ(C)2016 川原 礫/KADOKAWAアスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project 「アイドルにはとても器用なイメージがあるので、私自身がアイドルとして活動するのは無理だなと思っていました」という神田だが、「アニメのビジュアルをまとっていると、ぜんぜん怖くない」ということで、「ユナというキャラクターを通じて、アイドルを存分に楽しませていただきました」とニッコリ。「舞台では自分が化けられる限界がありますが、アニメ声優なら、自分とはぜんぜん見た目が違うキャラクターにもなれてしまう。変身願望がすべて満たされる場所なんです。私がずっと声優をやりたいと言い続けてきたのも、そこに魅力を感じていたからです」

 もちろん、舞台劇やミュージカルでの出演経験も、今作での演技に大いに生かされている。神田は、舞台に立つ際には必ず、マイクチェック時に劇場最後列にレコーダーを置いて確認しながら、劇場の広さや音響に合わせて、声の出し方を決めているという。それだけ、普段から声を使った演技には注意を払っており、そこで培われた声楽的な手法が今作にも応用されているのだという。また、アフレコ中には、画面上のユナの動きを、身体を使って表現することもあったそう。神田いわく「声帯も筋肉なので、キャラクターと同じ動きをすることで、より画面とリンクした声が出せるんです」とのこと。

(C)2016 川原 礫/KADOKAWAアスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project ユナはARアイドルということで、アフレコに先行して、数日に渡って挿入歌の収録を行ったことも、キャラクター造形の一助となった。もらった楽曲のクオリティの高さに驚き、キャラクターとして歌うことだけを意識するのではなく「この曲をもっと魅力的な形で伝えたい」と考えたという神田。「地に足をつけ、力強く歌った」という神田イチオシの「Break Beat Bark!」、語尾を上げるなど、普段は使わない唱法でアイドルとしてのユナのキュートさを前面に押し出した「Ubiquitous dB」、ライトの動き方や、それに合わせた移動など、ミュージカルを想定したディレクションを受けながら歌った「delete」といった、バラエティ豊かな全5曲が同作を彩る。

(C)2016 川原 礫/KADOKAWAアスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project 小学生の時分に恋愛シミュレーションゲーム「ときめきメモリアル」をプレイしたことがきっかけで、声優を志すようになったという神田。それだけに、ゲームをテーマとした「SAO」への思い入れはひとしおだ。神田は「『SAO』は、ゲームの中に入っていけるという夢のある世界を描いた作品ですが、重厚なテーマと、軽やかさを持ったキャラクターが共存しているところ、そして『いつかこんな時代が来そう』と思わせてくれるところが、とてもおもしろいんです」とシリーズの魅力を語り、「特に、今作『オーディナル・スケール』では、それがより実生活に密着する形で描かれています。『実生活で何らかの条件を達成するとプレゼントがもらえる』というような時代は、すぐそこまで来ているように思います。現実世界に『オーディナル・スケール』のプラットフォームである『オーグマー』が登場するのも、そう遠くない未来なのかもしれませんね」と予見していた。

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