福山雅治、これからも「最愛」の音楽
とともに

福山雅治の音楽は、いわゆる「アク」が強いものではない。耳に馴染むメロディーで、歌詞にも、自分の主張や世界観を書き殴ったりはせず、淡くやさしい言葉で、表現には余計な力を入れず、ただ純粋な想いをそのまま詞にしている。男性が女性に真摯に向き合うと、こういった言葉がでてくるんだろうな。そう思わせる詞だ。それは「Squall」などの女性目線の曲の歌詞でも同じことで、男性が思う純粋な女性像だなと私は感じる。
そんな彼の詞の世界観が存分に発揮されているのが、「最愛」という曲。ドラマ「ガリレオ」の劇場版「容疑者Xの献身」の主題歌となった曲で、柴咲コウとのユニットKOH+として歌われ、福山雅治自身によって後にセルフカバーされた。25周年を記念して発売されるベストアルバム「福の音」にも収録される。
恋人への止まぬ想いを、落ちては溶ける粉雪みたいだと歌った、冬にきくと余計に心に染み入るバラードだ。
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愛さなくていいから
遠くで見守ってて
強がってるんだよ
でも繋がってたいんだよ
あなたが まだ好きだから
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別れた後も募る、恋人への想い。『愛してくれなくてもいいから、私のことを遠くで見守っていてほしい。少しだけでいいから、私のことを思っていてほしい。強がりだよ、ほんとうは愛してほしい。けれど、せめて繋がっていたいんだ。』相手のことを、とめどなく想い続けていなければこの歌詞は書けない。最愛の人に残る想いは、未練などという言葉では表せない。ずっと心の奥にあって、いつまでも消えない強い想いだからだ。
最愛の人とは、どういう人のことをいうのだろう。2番の歌詞にあるように、その人に会えたことで、いままでの日々が間違っていないと思えた人。自分の生きる道を照らしてくれた人。
そして…、
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心に傘をくれたのは
あなたひとりだった…
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その人と関わったことによって、心のどこかで救われたと感じることができた人を、人は「最愛の人」と呼ぶ。
例えその人とは別れることになっても、出会いや関わりに感謝できる。その人のためになにかができる。どこかで「繋がってる」。そう思えることが、これから先の人生を生きるうえでの、希望になっていくのだろう。
TEXT:緑の瞳( http://www.hitomimidori.com/ )

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