『吉野大作ランプ製造工場』は
“幻の名盤”にしてはならない
欧州でも人気の日本のアシッドフォーク
閑話休題。そんなこんなで、『吉野大作ランプ製造工場』である。自らのセレクトとはいえ、かつての『REBEL STREET』での体験もあり、なかなか音源を再生する気が起きない。しかも、資料を漁っていると、今回の復刻に関する惹句には“アシッド・フォークの名盤として主にヨーロッパで人気高く、よく知られている”ともある。アシッドフォークのことはよく知らないけれど、サイケデリックな感じが強いとしたら、これまた気が重い。ド○ッグでラリッた経験もないし、その辺の感覚もこれまたよく分からない。ちなみに映画『イージー・ライダー』はそんなにつまらないとは思わないけれど、例のトリップしているシークエンス(?)は気持ち悪くて、どうも生理的に受けつけない。吐きそうになる。また、アシッドフォークがプログレッシブロック方向のアヴァンギャルドだったとしたら、それもまた聴くのは難儀だ。そんなもんだから、包み隠さずに言うと、リリースタイミング的に他に何かあればそちらに差し替えてもいい。そんなふうに思ったものだ。
再び閑話休題。で、意を決して聴く。…全然ポップだ。いや、単にポップと言うのも語弊があるかもしれない。自分が子供の頃に聴いた『REBEL STREET』のような難解さはあまり感じられない。少なくとも一回聴いたあと、しばらく遠ざけてしまうようなところはほとんど感じなかった。それは、こちらの加齢によるものか。それとも、吉野大作のソロワークとプロスティチュートとでは大分、方向性が違うのか。そこはさておき、当コラムの主題であるところの本作『吉野大作ランプ製造工場』の収録曲を順に見ていこう。
次のページ
ドライヴ感のあるバンドサウンドおすすめ記事
-
『OKMusic』サービス終了のお知らせ
2024.02.20 11:30
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.89】公開
2024.02.20 10:00
-
今年でデビュー50周年の THE ALFEEが開催する、 春の全国ツアー神奈川公演の チケット販売がいよいよ開始!
2024.02.13 18:00
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.88】公開
2024.01.20 10:00
-
宇多田ヒカル、 初のベストアルバム 『SCIENCE FICTION』発売決定& 全国ツアーの詳細を発表
2024.01.15 11:00
人気
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第1回 『自己紹介を。』 -
2014.12.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第16回 『巡り合いを。』 -
2016.03.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第2回 『忘れられていることを。』 -
2015.01.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第3回 『魔法の言葉は在るということ、を。』 -
2015.02.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第4回 『モヤモヤの正体を。』 -
2015.03.20 00:00