【she9 インタビュー】
配信というかたちで
she9の世界観の広さを見てもらえる
L→R yuzu(Ba)、苑(Dr)、なみだじゅり(Vo)、AMI(Gu)
次世代ガールズバンドとして大きな注目を集めているshe9が、7月から9月にかけて3カ月連続で配信シングルをリリースしている。それぞれテイストが異なっていて、さらに彼女たちの新たな魅力を味わえる3曲は必聴だ。今回の動きでよりスケールアップを果たすことを予感させるshe9のメンバー全員インタビューをお届けしよう。
ライヴで盛り上がる曲を
今年の夏に出したいと思っていた
3カ月連続で配信シングルをリリースする話が出た時、どんなことを思いましたか?
じゅり
すごく嬉しかったです。she9が意欲的に動いていることを感じてもらえるし、私が配信したいと思っていた3曲を出せることになったんです。だから、すごく嬉しくて、ありがたいことだなと思いました。
AMI
今年に入ってからライヴをたくさんするようになっていて、ライヴで盛り上がる曲を夏に出したいと思っていたんです。だから、7月に「チェケラダンス」を出せたのは嬉しいですね。その次に出る「デート前夜の女子」と「Flyway」も自信があるので、ぜひ3曲とも聴いてほしいです。
苑
今回の3曲はいろんな面を出すことができたと思っていて。私たちはまだアルバムを作っていないので、配信というかたちでshe9の世界観の広さを見てもらえることが嬉しいです。
yuzu
私の中では、特に「Flyway」を出すことができるのが本当に嬉しくて。もともとすごく好きな曲だから、それを配信してたくさんの人に聴いていただけるということで、すごく気持ちが上がりました。今は9月が待ち遠しいです。
3曲揃って良質で、今年の夏はshe9にとっていい夏になる予感がします。では、3曲を順番に見ていきましょう。まず、7月にリリースされた「チェケラダンス」はダンサブルなミディアムチューンですね。
じゅり
「チェケラダンス」はAMIも話したようにライヴで盛り上がる曲が欲しいと思って、今年の2月くらいに何曲も何曲もデモを作った中の一曲です。その時は“踊る”ということがテーマとしてあって、“チェケラダンス”を始めとして、“〇〇ダンス”“踊る〇〇”みたいな曲をザァーッと作りました(笑)。
目指すところが明確だったんですね。それに「チェケラダンス」のサビを聴いて、キャッチーな瞬間を作るうまさを改めて感じました。一度聴けば覚えられますし、口ずさみたくなります。
じゅり
ありがとうございます。2月にデモを作った時はサビをたくさん作っていて、その中から特にキャッチーなものを選べたというのがまずあって。私は“チェケラ”という言葉の響きがもともとすごく好きで…破裂音が好きなんですよ。“カルパッチョ!”とか(笑)。全然歌と関係ないのに、たまにひとりで言ってるよね?(笑)
AMI
すごく言いたくなるみたいで、“今、言っていいかな?”って訊いてくるんですよ(笑)。
じゅり
あははは。そういう言葉を集めていて“チェケラ”はいつか絶対に使いたいと思っていたので、今回“チェケラダンス”というタイトルにしました。歌詞に関しては、私はもともと踊るのがめちゃくちゃ苦手だし、覚えも悪いんですよ。ライヴではいろいろ踊っていますけど、すごく苦手なのに踊っているんですね。でも、踊っていくうちに楽しさに気づいたんです。だから、踊ることを恥ずかしがる人の気持ちがものすごく分かるので、私みたいに苦手な人に届けたいという気持ちがあって、「チェケラダンス」という歌を書きました。
苑
私が「チェケラダンス」をレコーディングする時に一番こだわったのは、最後にドラムが激しくなってフィルが入るんですけど、そこのタム回しのアクセント感です。自分の中で納得できるアクセント感というのがあったんです、タムの鳴らし方とか、音の高低感とか。聴いていて気持ち良いアクセント感にしたのと、あとはラスサビの折り返しのところで両手を使ってライドシンバルとハイハットで16分を叩くということに初挑戦しました。その動きがすごく楽しいんですよ(笑)。ただ、そこのスネアの鳴り方には気をつけました。タタンッ!と速くいくので、ショットが良くないと音がちゃんと聴こえないんです。なので、楽しく叩きながらも気は抜かないという(笑)。そういうドラムになっています。
タイトなリズムと重いスネアの音という取り合わせもいいですね。
苑
スネアのチューニングは気にしていますね。「チェケラダンス」と「デート前夜の女子」は同じ日に録ったんですけど、チューニングは変えました。「チェケラダンス」はちょっとザラッとしているけど、しっかり鳴るようなチューニングにして。いいところに持っていけたんじゃないかと思っています。
yuzu
この曲は一曲を通してベースの表情を変化させたくて、イントロとかはキャッチーになるようにノリよく弾きつつBメロだったり、Dメロだったりはちょっとダークな感じにしたくて、重さを出すようにしました。あと、Dメロでグリスをブゥーン!とやっているんですけど、もうそこに魂を込めました(笑)。今回そういう細かいところに気を遣えたのは良かったと思いますね。レコーディング自体もスムーズでした。この曲は最初に自分の家で宅録した時からものすごく楽しくて、“いいなぁ〜”と思いながらノリノリで弾けたんです。レコーディングの時もそのままの気持ちで楽しみながら弾けました。
AMI
私はアレンジをする時はいつもバッキングのギターを入れてから構築していくんですけど、今回は違う作り方をしてみたいと思ったんです。なので、シンセとかパッドから構築して、その上にどうギターを足すかみたいな感じで作っていきました。それが新鮮だったし、裏メロもシンセで作ったからギターでは弾かないようなフレーズになっていたりして、新しい発見がいろいろあって楽しかったです。あとは、ギターの音色は悩みましたね。“それだけで何時間かけたんだ?”というくらい(笑)。でも、その甲斐はあったと思います。
みなさんそうですが、ただ単にいい演奏をするだけではなくて、細かいところまでこだわっているのはさすがです。サビでまったく違うことをしている2本のギターがところどころ単音でハモるアレンジもいいですね。
AMI
ありがとうございます。でも、そこは私の中では特にこだわったという感じではないですね。私は裏メロが本当に好きで、いろんな曲の裏メロを聴くし、“自分ならこういうメロを入れるな”と勝手に想像したりするんです。そういうタイプなので、「チェキラダンス」のサビの裏メロも自然と出てきました。
ヴォーカルはどうでした?
じゅり
この曲の歌は細かいピッチうんぬんよりもとにかく勢いを出したかったので、狭いブースの中でひとりで踊りながら歌いました(笑)。まだ振り付けは決まっていなかったから自分なりに踊って、♪ぜっこうちょ~っ!みたいな(笑)。
いいですね(笑)。極端に明るい声で歌っていないことが奏功して、普段はおとなしい子の気持ちがアガっていることを感じさせる歌になっています。
じゅり
もしかしたらもともと自分の中にあるダンスが苦手な部分が出ているのかもしれないですね(笑)。この曲、すごく自然体で歌ったんです。唯一声質を変えたというか、こだわったのはDメロで。そこは口を片方開けてニヤッとする感じを表現したくて、実際そういう顔で歌っていたと思います(笑)。この曲の主人公は遊び慣れている友人に無理矢理クラブとかに連れていかれた内気で、でも人に影響を受けやすい子なんですね。最初は全然乗り気じゃなかったけど、だんだん楽しくなってきて…というストーリーで、Dメロの部分の《時代はベンチャー 厚底ビーナス》というのはクラブにいる多種多様な人たちを表しているんです。普段だったら絶対に出会わないようなベンチャーの人とか、すっごく可愛いお姉ちゃんとか、酔っぱらっちゃってる兄ちゃんとか(笑)。そういうしっちゃかめっちゃかな状況に酔いしれている主人公を表現したかったんです。
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私にとってデートは“戦”みたいな感覚があるアーティスト
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