【超特急 インタビュー】
超特急が貴方に寄り添うー
今だからこそ生まれた王道ポップス

L → R カイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシ

5週連続新曲配信から1カ月足らずにして、ニューシングル「Asayake」が到着! 朝陽が昇るように未来を重ねた2020年のラストリリースは、聴く者全てに“自分らしく”生きる勇気を与えるド直球のJ-POP。固定観念を打ち破り、新たなパフォーマンス像を期待させるカップリングも携え、次なるステージへの未来図を5人は懸命に描いていく。

会えない日々が続く今だからこそ、
このくらい正直な歌詞で良かった

新曲のタイトルは“Asayake”ですが、朝焼けって普段見ます?

リョウガ

いや、見ないですね。起きる頃には、もう太陽は真上にいるんで(笑)。

ユーキ

朝までゲームをやってしまった時くらい?(笑)

タカシ

あとは、仕事のスタート時間がめちゃくちゃ早い時とか。

タクヤ

むしろ夕焼けですよね。普段、見るのは。

分かります。そこで、あえて“Asayake”という。

ユーキ

要は“始まり”ってことですよね。太陽が昇る朝の情景だから。

タクヤ

だけど、最初に「Asayake」を聴いた時、僕は正直言って意外に感じたんですよ。

えっ、なぜ?

タクヤ

前作の「Dear My グッバイ」(2020年8月発表の配信シングル)みたいな、ぶっ飛んだ系の曲で勝負するのかと予想してたんで。そのほうが超特急らしさはあるし。それが蓋を開けてみたら王道なJ-POPだったから、最初はびっくりしました。でも、よくよく歌詞を見てみると、新型コロナウイルスで落ち込んでいるみなさんに寄り添える温かな内容になっていて。まるで超特急が寄り添っているかのように聴こえてきて、今しかできない曲になったから、これはこれで良かったと思えたんです。

《君が君のまま いられるように/僕らこの場所で踊るよ》というフレーズは、こんな不安定な時代だからこそ非常に心強かったです。この歌詞自体、そういった今の状況を踏まえて書かれたものなのかもしれないですよね。

カイ

そんな気はします。本当に今年はいろんなことが起きましたから。

タカシ

5週連続配信で最後に出した「My Answer」(2020年11月配信)といい、カップリング曲の「What’s up!?」(通常盤のみに収録)や「Hero」(夢8盤のみに収録)といい、今回の一連のリリースってポジティブで前向きな気持ちが軸になっている気がするんです。その代表格が「Asayake」でもあるので、そういった想いを真っ直ぐに届けようという意識はレコーディングの時からありました。

リョウガ

8号車(ファンの呼称)って純粋な方々が多いので、こういった真っ直ぐな気持ちがこもった歌詞を、そのまま受け取ってくれると思うんです。直接会えない日々が続いている今だからこそ、このくらい正直な歌詞で良かったっていう気持ちはありますね。

MVもグリム童話の『シンデレラ』と曲のメッセージ、そして超特急らしさが見事に共存した作品になっていて、軽快なポップサウンドでバチバチにダンスが決まっているのもインパクトありました。

ユーキ

50(FIFTY)さんの振り付けなのでさわやかなんですけど、ノリはいいんです。始まりと終わりが同じポーズで、起きてから眠るまでの物語になっていたり、いろんなかたちで“8”を表現しているのも、8号車には楽しいポイントじゃないかな? AメロやBメロでは今回のセンターであるタクヤがストーリーを表現してくれていて、ちゃんとダンスも活かしつつ、伝えたいことも伝えられているバランスのいい仕上がりになったと思います。

カイ

でも、場面ごとにバラバラに撮ってたから、MV撮影の時は仕上がりが全然想像できなかったよね。

ユーキ

そう! 靴が降ってきたり、派手な格好で面白おかしいことしていたり。きっと“超特急らしさ”ということで、そういうニュアンスも入れてくださったのかと思います。

メッセージに特化したMVが出来上がりそうな曲で、あえてコミカルな要素を織り込んでくるのは超特急ならではですよね。そもそも歌い出しからして《「らしさ」って 誰かに/決められたものじゃない》ですし、やはり“らしさ”というのは「Asayake」の大きなテーマではないかと。

ユーキ

一番は僕ら自身が“こう表現したい”“これを見せてやりたい”って胸を張って出せるものが“らしさ”だと思うんです。今回のシングルだったら個人的に一番表現したかったのは、カップリングの「Fantasista」で。僕、もともとこういう曲を踊りたいと思っていたんですよ。

ディスコ/ファンクな匂いのする、お洒落でダンサブルな曲ですもんね。では、当然センターはユーキさん?

ユーキ

いや、違います。お待ちかねのリョウガですよ!

ええ!? てっきり3曲目の「キズナアルゴリズム」がリョウガさんのセンターだと信じ込んでました!

タクヤ

実はそっちがユーキなんです。

ユーキ

あえてイメージの正反対を今回はやってるんですよ。そこから面白い化学反応が起こる可能性もありますし、きっと8号車のみなさんにも“こういう曲をこの人で観てみたい”っていう欲があると思うんです。なので、固定観念は捨てて新しい挑戦をかたちにしていくことで、それぞれのまた違った一面が観せられたらいいなと。

イメージ通りと新たな一面が半々だった5週連続配信から、また一歩踏み込んだわけですね。特にカッコ良い曲でセンターを務めるリョウガさんというのは、8号車がずっと観たかった姿なのでは?

ユーキ

そうですね。なので、これでコケたらリョウガに全ての責任が…

リョウガ

じゃ、ずっと変顔で!

ユーキ

最低! もう最低なんですけど!!

リョウガ

まぁ、お互いに免疫のない曲をやって8号車の固定観念を壊したいっていうのもありますし。ずっと同じような曲をやっていても倦怠期みたいな感じになるというか…

タクヤ

言葉の使い方を間違ってる。勝手にカップルになってる(笑)。

カイ

最近、喧嘩が増えてきた?

リョウガ

いや、飽きてくるってこと! それを解消するためにも刺激を与えないといけないので、これは僕たち超特急からのサプライズです! 

そのためにユーキさんはお気に入りの「Fantasista」を譲ったと。

タクヤ

(ユーキに向かって)自分でセンターやりたかったっていう気持ちはないの?

ユーキ

美味しい音だらけの曲なんで、自分が真ん中にいなかったとしても踊っていれば楽しいだろうし、こういう曲を超特急で表現できること自体にワクワクしてるんですよ。25歳をすぎた今、踊れるようになったら強いタイプの曲かなって。

タクヤ

そうなんだよね。結局はみんなも踊るから、センターってあんまり関係ない。

ユーキ

それに正直な話、ライヴでやっていれば、いつかどうにでもできるかなって。

リョウガ

うわっ!

カイ

センターを取られちゃうよ〜(笑)

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