【M!LK インタビュー】
芝居と歌、映像と音楽を融合した
新体制M!LKの第一弾

L→R 吉田仁人、山中柔太朗、佐野勇斗、曽野舜太、塩﨑太智

5人体制となったM!LKの初リリースは3rdアルバム『Juvenilizm-青春主義-』。“シネマティックアルバム”と銘打ち、5人それぞれが主演するショートフィルムを彩る新曲たちが収められた、俳優としても活躍する彼らならではの作品となっている。“Winding Road=曲がりくねった道”を歩みながらも、M!LKであり続けることを選んだ彼らの気合が、今、火を噴くーー。

5本のショートフィルムの
サントラ盤みたいなアルバム

今作には“シネマティックアルバム”というコンセプトがあって、アルバムだけでなく、5人それぞれが主演するショートフィルムが制作されているんですよね。

山中

そうなんですよ。楽曲ももちろんですが、そのショートフィルムがメインみたいな感じですね。で、5本それぞれにアルバムの新曲が盛り込まれていて…

吉田

今回のアルバムは、その楽曲を集めたサントラ盤みたいな扱いです。

曽野

前代未聞!

3月には渋谷HUMAXシネマでも公開される、この5本のショートフィルムは全てつながっていて。仲良し5人組が高校時代に埋めたタイムカプセルを掘り返すというイベントを軸に、それぞれの物語が描かれていますが、みなさんは同級生の設定なんですか?

吉田

高校は別々なんですよ。みんな着てる制服が違うんで。

曽野

同級生っていうか、幼稚園や小学校で同じグループにいた…みたいな。

なるほど。そして、高校を卒業してからは別々の道を歩き始めるけれど、それぞれ何かに悩んでいるという。

佐野

はい。例えば僕の役には“一流の美容師になる!”っていう夢があって、高校時代に4人から美容師用のハサミをプレゼントされるんですけど、実際に美容師になってみたら何も上手くいかなくて。そのハサミを見るたびに“みんなからの期待を裏切って、俺は何やってるんだろう”って落ち込むんです。“こんなはずじゃなかったのに”って。そういう経験って誰しもあると思うんですよ。僕にもあるし。だから、みんなに共感してもらえる話なんじゃないかな。

佐野さんのストーリータイトルは“君がくれた宝物ならココにある”ですが、この作品の中では、その宝物がハサミという目に見えるかたちとして存在しているってことですね。

佐野

そうですね。

吉田

全員分の上映会をポップコーン片手にやったんですけど(笑)、俺は勇斗との共演シーンもあったんで、その辻褄が合ったというか。

山中

“こうつながってるんだ!”ってね。あと、やっぱり演技に関しては“さすがだな”って思いました。表情が上手いんですよ。結構黙ってるシーンも多いんですけど、その中でも葛藤してる顔っていうか。

佐野

違うの。俺、表情しかできないの(笑)。

いや、沈黙の使い方が上手いなと驚きました。そして、クライマックスで流れる曲が作品タイトルと同名の「君がくれた宝物ならココにある」で、歌い始めも佐野さんという。

佐野

奇遇にもアルバムの新曲の中で僕が一番好きな曲なんで、自分の話に使われて嬉しかったです。ここまでバラードな曲もM!LKには少ないし、友達系、俺好きなんだよなぁ〜。

塩﨑

ストリングスも生演奏なんだよね。実際に弾いてくれてる。

吉田

そう! 聴かせてもらったら、すごいダイナミックになってて! 壮大できれいなんだけど、歌ってることはめちゃめちゃ熱いんですよ。すごく熱量のある歌だなって。

山中

ストリングスがここまでメインになるのは初めてじゃない? しかも、歌詞が映像にもリンクしてて、例えば《答えのない自問自答》っていう歌詞のところでは、歩道橋で葛藤してる表情が映ったりするんです。

さすが“シネマティックアルバム”ですね。そして、2話目の「晴れのち曇り時々虹」は吉田さんの主演なのですが、就活生という役柄でのスーツ姿が本当に似合う!

佐野

あそこまで着こなせる人、なかなかいない! ちょっと貫禄あったもんね。

吉田

ありがとうございます(笑)。難しかったのが…就活っていうみんなが経験することを、僕たちは経験してないんですよ。医療系とか警察系とは違って、そのまんまじゃないといけないんだけど、“そのまんま”が分かんない。だから、朝井リョウさんの『何者』とか、いろんな映画とかも観て勉強しました。みんなの役名も自分の名前そのままだったんで、セーブデータが1個違うゲームキャラクターみたいな感じ(笑)。ただ、みんなといる時の“輪”がすごく好きな役だったので、今、自分がリーダーっていう立ち位置としても、そこは共感できましたね。

塩﨑

いや、ほんとにいそうな就活生だったよ。

佐野

面接官とのやりとりとかも初々しくて上手いと思ったし、わざとらしくない感じが“器用だな、この人”って。

山中

居酒屋シーンのフワッとしたところとか、ちょっと見栄張っちゃうところとかも“かわいいな”って。繊細なところまで表現していて、すごく上手だと思いましたね。

佐野

そう! 今回、初めて僕と仁人でお酒を呑むシーンがあったんですよ。仁人が二十歳になってすぐだったから、初めて“飲んだ”のがこれかもしれない。まぁ、アルコールは入ってなかったですけど。

吉田

そうなんです。だから、今後プライベートでも行きた…

佐野

(食い気味で)いや、大丈夫です!

吉田

絶対に行きます! この撮影でいろんな経験ができましたね。

作中に流れる「晴れのち曇り時々虹」が吉田さんと山中さんのユニット曲なのも聴きどころで、そもそもユニット曲は初めてでは?

吉田

ユニット曲は今まで勇斗がやってたくらいですからね。上手くいかないことばかりでも、ちゃんと進んでいかなきゃっていう歌の内容に、柔太朗のアンニュイな部分もマッチしていて、ほんといい曲になりました。

山中

僕もプライベートで普通に聴いてます。一番キーが低い僕と一番高い吉田さんの声の混ざり具合もすごくいいし、最後の歌詞が《どこへ行こうか》で完結しないところもすごくいい!

高音で厚い吉田さんと、低音だけど儚い山中さんという声質の組み合わせが絶妙ですよね。

曽野

わかる。すごい混ざり合ってて、もうひとつになってた。

山中

サビでは僕がハモりなんで、ちょっと練習しないとダメなんですけど、ライヴでやったらどうなるのか楽しみ。

吉田

生ハモリ、初めてじゃない?

塩﨑

いいじゃん!

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