【連載】Vol.055「Mike's Boogie St
ation=音楽にいつも感謝!=」
幾分秋の気配を感じた8月22日、僕ちょうど1年8か月前にインタビューした(https://www.barks.jp/news/?id=1000137034&https://www.barks.jp/news/?id=1000137332)アンディ・フェアウェザ-・ロウのLIVEを楽しもうと、東京駅から歩いて数分のCOTTON CLUBへ向かった!やっぱりまずはビール、軽く呑んでるといつの間にか照明が落とされアンディが一人でアコギを抱えステージへ!
そして2曲目からはThe Lowridersが姿を現す。「Route 66」だ。2016年12月のCC LIVEでは8曲目に登場していた。その前回ライヴ前にアンディは僕に「キース・リチャーズ・スタイルで演るから楽しみにしていてくれ」と語っていたけど、この日も曲前MCでキースに触れながら勿論エレキに持ち替えてKR調ピッキングでのチャック・ベリー・ヴァージョンで披露。ローリング・ストーンズが64年のデビュー・アルバムでカバーしたことは周知の通り。楽曲としては古いスタンダードだが、ストーンズは御大ベリー・スタイルをいただいのだ。アンディも“ノリノリ”のステージングにオーディアンスは早くも大興奮。
続いての「Sweet Soulful Music」ではアンディのソウルフルな一面を感じさせる。サックスがそんなムードをより高める。2006年のアルバム・タイトル・ソング。ドラムスの走り具合も軽快だ。曲終わりで“アリガトウ”。
「La Booga Rooga」ではホワイト・レゲエのリズムにハスキーなアンディの声が場内に響く。英国風R&Bの香りがする。75年アルバム・タイトル・ソング。
5曲目は「La La Music」。重いドラム・ビートから始まり作品が展開していく。アンディの力の入ったヴォーカル、そしてその裏でサックスが鳴り響く。13年のアルバム『Zone - O - Tone』収録。彼はブルー・アルバムと言っている。
「Spider Jiving」はアンディの代表作。曲前MCでこう紹介する、「74年レコーディングのファースト・アルバム・タイトル・ソング。マジソン・スクウェア・ガーデンでの“Crossroads 2013”で演奏した」。補足すると13年のステージはエリック・クラプトンとの競演だった。この日も実にダウン・トゥ・アースなタッチでの演奏ぶり。僕はふとCCR、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイバル(ちょっと古いけどネ)を思い出してしまった…。
そしてアンディの大好きなブルース「My Baby Left Me」が登場だ。50年にアーサー“ビッグ・ボーイ”クリューダップがレコーディング。そして56年にエルヴィス・プレスリーが発表して一躍有名となった曲。アンディはアコギでブルージーにしっかりと披露。本人いわく“ロバート・ジョンソン・スタイル”!
11曲目は『Sweet Soulful Music』でも11曲目に収録されていた「I Don't Need」。ハスキーな声でソウルフルに歌い上げる。アンディのアコギもたっぷりと味わう。
再びアーサー“ビッグ・ボーイ”クリューダップ&エルヴィス・プレスリーで知られる作品が登場。「So Glad Your' re Mine」。BBで46年にBillboard誌Most-Played Juke Box Race Recordsで3位を記録。ザ・キングは56年リリースのセカンド・アルバム『ELVIS』に収録した。アンディがシャウトしてジャンプ・タッチなR&Bに仕上げている、これには感動という言葉しかない。
「Dance On」はアップビートな軽快なロカビリー・タッチのダンサブル・ナンバーだ。間奏でのサックスがまさにR&R。アルバム『Zone-O-Tone』収録。
14曲目は“久しぶりに演奏する”とMC紹介された「Be Bop ‘N' Holla」。76年のサード・アルバムのタイトル・ソング。この辺りはアンディの真骨頂。オーディアンスの興奮やまない。
「If I Ever Get Lucky」はアルバム『Be Bop ‘N' Holla』ボートラ・チューン。アップ・テンポでタイトなロックンロール、サックスが大きくフィーチャーされる。
そしてラストは「Wide Eyed & Legless」。アルバム『La Booga Rooga』収録。シングル・カットされ、MW誌SC76年1月10日付で6位を記録した珠玉の名曲。心底聴き入ってしまった。
ポール・ヴィーヴィス(ドラムス)はロバート・フィリップ人脈(トーヤ、ゴードン・ハスケル)に近いセッション・ミュージシャン。こんな辣腕ミュージシャンを揃えライヴを敢行したアンディ。LRパーソナルを見るだけでも英国ロック史が楽しめたりもするのだ。
秋からのツアーでは、ブラス・セクションを増員してのバンドを従えてのステージなると終演後のバックステージで再会したアンディがそっと教えてくれた…。再来日を期待したい。
*LIVEショット
提供:COTTON CLUB
Pic.by Yuka Yamaji
☆☆☆☆☆
TAKE 6の創始者クロード・マックナイト ソロLIVE CLAUDE MCKNIGHT SINGS JAZZ STANDARDS!
そんなクロードの2018年LIVEのタイトルは【CLAUDE MCKNIGHT SINGS JAZZ STANDARDS】!彼の大好きなアメリカン・ジャズ・スタンダードをクロード流にアレンジしてのステージ。都内が落雷で大荒れしていた8月27日、Blues Alley 目黒でのセカンド・ステージを僕は楽しんだ。
“コンニチワ”と日本語で挨拶、しっとりとしたムードで今夜のステージは始まる。「I Get A Kick Out Of You」。ピアノ/ベース/ドラムスのトリオをバックに途中から流れるようにテンポ・アップしてクロードはシナトラ味を醸し出す。フランク・シナトラのヴァージョンが多くの人々に親しまれているこの楽曲は1934年にコール・ポーターがミュージカル「Anything Goes」のために作詞作曲。同作品に出演しこのナンバーを歌っていたエセル・マーマンで注目を集め35年にBillboard誌ポップ・チャート12位を記録した。その他、同年ポール・ホワイトマン(5位)、レオ・ライズマン(20位)でもヒットしている。“きみにこそ心ときめく”。
「Someone」はクロードにとってぐっと個人的になってしまうけどスタンダードと呼びたい作品とのこと。スローな流れの中でソフィストケイトされたとてもモダンなこのナンバーはデバージのエル・デバージがソロとして86年後半にヒットさせた。BB誌Hot Black Singles32位を記録。
4曲目は「When I Fall In Love」“恋した時は”。52年のロバート・ミッチャムとアン・ブライス主演映画「One Minute To Zero」(零号作戦)の挿入歌。同年このナンバーをドリス・デイがヒットさせた(BB誌PC20位)。ナット・キング・コールでも知られる。ここでもクロードの歌の上手さを立証したステージングだった。
「I Wish You Love」は“残されし恋には”という邦題で知られている43年のシャンソン(フランス楽曲)。56年に英詞がつけられ出版登録され、キーリー・スミスをはじめフランク・シナトラ、ディーン・マーティン、ポール・アンカでも有名。グロリア・リンで64年にヒット、BB誌HOT100で28位を記録した。ロマンティックな雰囲気を醸し出しながらのクロードの声にうっとりさせられる。
8曲目の「Our Love Is Here To Stay」は一般的には「Love Is Here To Stay」“我が恋はここに”として知られるスタンダード。ガーシュイン兄弟が38年の映画「The Goldwyn Follies」のために共作。ジョージ・ガーシュインは37年7月に他界、最後の作品になった。BB誌PCには同年ラリー・クリントン(15位)、レッド・ノーヴォ(16位)がチャート・インしている。51年には映画「An American In Paris」でジーン・ケリーが歌い話題になった。ジャジーな雰囲気をダイレクトに感じさせるクロードの歌いっぷりに皆が注目。魅力あふれるスロー・バラードをしっかりと味わった。
「Quando Quando Quando」はタイトルからも分かるようにカンツォーネ、イタリアの楽曲。1962年の第12回“サンレモ音楽祭”4位入賞曲、音楽祭では作曲者のトニー・レニスが歌った。そのトニーのレコードがイタリアで大ヒット。同年早くもパット・ブーンの英詞ヴァージョンが発表された。60年代にそのパットほかコ二ー・フランシス、エンゲルベルト・フンパーディング、クリフ・リチャードで僕は本作を聴いた記憶がある。近年では2005年にマイケル・ブーブレがアルバム『It's Time』でネリー・ファータドとのデュオ・ヴァージョンを収録。クロードはそのマイケルのスタイルで歌った。原曲に60年代前半世界的注目を集めていたボサノヴァのテイストが加えられていたこともあり、クロード・ヴァージョンもリズミックでパーカッシヴなボッサ・フィーリングを全面に出しながらの展開。クロードの幅広い音楽へ対する“愛”を感じさせたのだ。
クロードのスタンダードはこんなにも幅広く名曲揃い。ファンタスティック!!!
そしてアンコールでは一人ステージに再登場し、ア・カペラで「A Quiet Place」を披露、熱唱した。TAKE 6ファースト・アルバムからの秀作である。
ア・リ・ガ・ト・ウ、クロード!
◇クロード・マックナイト来日小話 2018夏
*日本到着後、すぐに「お腹すいた」と言うので、回転寿司屋へ。一番好きなネタは鰻。
☆☆☆☆☆
25年ぶりにソロとして来日した元KISSのエース・フレーリー!昨年のジーン・シモンズ、今年1月のポール・スタンレーに続くエースの来日にロック・ファンは色めき立つ!!勿論 KISS黄金期を支えてきた“あのギター・リフ”は健在だった。
2018年1月にオリジナル・メンバーのポール・スタンレーとエリック・シンガーが来日、そして9月に今回25年ぶりにエース・フレーリーがやって来た!ポールに続くソロ・プロジェクトでKISSファンにとって素晴らしい年となったのだ。尚、KISSは来年から3年かけてファイナル・ワールド・ツアーを行うという…。
2階から階段を使ってメンバーが降り立つがエースの姿が見えない。暫くして紫のベルベット・ジャケット姿のエースがステージ横の入り口からゆっくり入場!ここまではフロアのオーディアンスは着席していたのだが・・・。スタートの「Rip It Out」でエースのリフが始まるやフロアは総立ち!そして大合唱が始まった。エースのレスポールから信じられないくらいのエネルギーが発せられる。のっけから僕らの知っている“あのキッス・サウンド”だ!
最後にエースのサポートをしたミュージシャンたちのラインナップだが、ギターが二人、ジェレミー・アスブロックとライアン・クック。ベースがフィル・ショウズ、ドラムがクリストファー・ウィリアムズという面々。ギターとベースは昨年のジーン・シモンズ・バンドでも来日したお馴染みとなった面子である。つまりKISSを知り尽くしたサポート・メンバーだ。
ステージ後は嵐のような六本木を足早に去ったけど、何故だか僕の体は熱く心は燃えていたのだ(笑)。
*写真
提供:Billboard Live TOKYO Pic.by Masanori Naruse
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【イベント・インフォメーション】
MBSプレゼンツ
Mike's Garage Vol.5
~トーク・バトル~
「日本のG.マーティン 川原伸司が語る
ポール来日 ヤァ!ヤァ!ヤァ!」
ナビゲーター:Mike Koshitani
ゲスト:川原伸司(レコード・プロデューサー 作曲家)
特別ゲスト:森 俊一郎(元EMI/A&R *ビートルズ&ストーンズ担当)
*英国EMIデザインの「THE BEATLES 1 Tシャツ」プレゼント!
詳細はイベント内で発表。
☆日時:2018年9月25日(火曜)
Open : 18:00
Start: 19:00
☆テーブルチャージ:一般=¥1200
65歳以上=¥500
75歳以上=無料
学生=¥100(学生証持参)
*65歳以上の方へ
生年月日が判るものをご持参下さい
☆要ワンオーダー
お食事もございます
☆会場:ROCK CAFE LOFT
http://www.loft-prj.co.jp/rockcafe/
新宿区歌舞伎町1-28-5
TEL:03-6233-9606
(西武新宿駅から徒歩1~2分)
早めに電話orインターネット予約シクヨロで~す!
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/rockcafe/96735
アーティスト
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