【NoGoD】こういう音楽をダサいと言
ってる人たちに ひと泡吹かせたい
L→R 華凛(Ba)、Kyrie(Gu)、Shinno(Gu)、団長(Vo)、K(Dr)
前作「神髄 -FRONTIER-」と連動する2作連続シングル、その2作目は80年代のハードロックを継承した3曲を収録。前作ではヘヴィメタルに、今作ではハードロックに振り切った真意であり、これらの作品で何が提示できたのかを訊いた。
取材:石田博嗣
2作連続シングルの2枚目になるわけですが、ヘヴィメタルに振り切った前回に対し、今回はアメリカンハードロックやLAメタルに振り切ったという感じですか?
Kyrie
そんな感じですね。具体的にどこがどうだからメタルとか、そういうもんじゃなくて、ヘヴィメタルとハードロックはなんとなく違う気がする、その“なんとなく”というものをきちんとかたちにしたかったんですよ。だから、前回の「神髄 ‒FRONTIER-」と今回の「神髄 -THE POWER-」の間に明確な違いというのはないし、時代背景によって言われ方も捉え方も変わるものだったりすると思うんですよね。こういう音楽って語られる時に“HR/HM”ってまとめられちゃうじゃないですか。一緒くたに語られるけど、絶対違うような気がするんですよ。“じゃあ、その違いは何か?”って訊かれると分かんないんですけど、僕の中でのその線引きみたいなものをちゃんとかたちとして残しておきたかったというか。ただ、80年代のLAメタルって、どっちにカテゴライズされるのかよく分からない。“いや、メタルでしょ”っていう人もいるし、“ロックじゃない”っていう人もいるだろうし…それこそポーズでしかなかったっていう捉え方だってあるし。
団長
でも、ああいう生き方っていいなと思ったけどね。自分のしたいことをする、生きたいように生きるっていう、あの精神も含めてショーなんですよ。誰もが憧れる悪さ、非日常的な世界をステージの上で観せてくれる…そういう浮世離れしたものを観せるのが本来のショーだと思うんですね。逆に人間味のある“俺はこんな弱い人間なんだ”って叫ぶのが90年代だったと思うんですけど、俺はそこに惹かれなかったんですよ。Limp Bizkitのフレッド・ダーストが“俺は80年代のショービジネスが大好きだ。そういう音楽を取り戻したい。90年代に欠けていたのはこれだ”ということをインタビューで言ってたのを見たんですけど、俺はまったく同じ意見なんです。だからこそ化粧をするし、我々は。NoGoDが誰ひとり化粧に抵抗がなかったのは、多分そういうところがあるんだと思います。着飾る、化粧をする、魅せるっていう俺らの精神は、やっぱり80年代のLAメタルの影響が強いんだと思う。
なるほど。音的なところも、精神的なところも、80年代のハードロックやLAメタルの影響は大きいと。
団長
俺は上モノとしての部分というか、そういう派手なところの影響が大きいですけど、Kyrieさんは純粋にサウンドだと思いますね。
そういう部分では、今回の楽曲はコーラスの入れ方やアンサンブルにも当時のものを感じました。
Kyrie
そうですね。コーラスはいかにDEF LEPPARDにするかっていうのをずっと考えてました。あと、楽曲を作る上では、どうやったらBON JOVI感を出せるのかとか。ギターの音とかも、いかにして80'sを貫くかってやってましたね。
今までもアメリカンハードロックのテイストの曲だと「ハレルヤ」があったし、LAメタルのようなパーティーロックだったら「鐘を鳴らせ」がありましたけど、それらとはアプローチが違いますよね。
Kyrie
今回に関しては、そういうふうにあるべきだと思っていたんで。基本的に僕らの音楽には古臭いエッセンスがどの曲にもあると思うんですよ。言ってしまえば、それらにインスパイアされた音楽だし、それらを昇華させているものだったりするので。ただ、今回に関しては、その音楽になることを目指したということです。言ってしまえば、「THE POWER」だってこんなにコーラスをいっぱい入れなくても良かったりするんですよ。ヴォーカルじゃなくてギターでもいいし。サウンドにしても、ギターにリバーブなんかけなくたっていい。でも、そういうことを全部、あえてやってみたというのが今回の作品なんです。
確かに。これは3曲とも言えることなのですが、いわゆるハードロックの王道のアレンジですものね。それはバンド内でどういうふうにアレンジを進めていったのですか?
Kyrie
今回に関してはすごく雑でしたね。“そういうもんだろう”って思っていたっていうのもあるんですけど。一旦アレンジが終わってメンバーに曲を覚えてもらって、スタジオでバンドのアンサンブルを組み立てていく時も、普段だったら1曲に5~6時間費やしったりするんですけど、例えば「THE POWER」はレコーディング前に3回くらいしか合わせてない。で、ブースに入って叩いたり弾いてもらったものを聴いて、“いや、もっと抜かなきゃ。そんなにいっぱい手数はあっちゃダメ”とか、本当に雰囲気から作っていく感じでしたね。感覚がピタッときたらOKで、そうじゃなかったら、何が違うのかを考えて、答えが出るまでやるっていう。
そうやってKyrieくんが15歳ぐらいの頃に聴いてた音楽の流れの先にあるものができた、みたいな?
Kyrie
その頃に聴いていたものを今、自分たちの手で作ったっていう感じがすごくありますね。決して同じものではないかもしれないけど、それの流れの上にあるものは作れたかなぁという気はしています。
では、そのサウンドにどんな歌を乗せようと?
団長
俺はメタルより歌が際立つ部分があるのがハードロックだと思ってるんですよ。だから、その歌詞を80年代にしたかったというか。ただ、“80年代の歌詞って何?”って思った時に、LAメタルとかだと“今夜は寝かさないぜ! 終わらないパーティーだぜ!”みたいなものになるんですけど、今回はそういう曲じゃなかったんですよね。俺の中で「THE POWER」はSHOW-YAさんやカブキロックスさんのようなイメージだったんですよ。“ファイヤー!”とか“パワー!”みたいな。お手本としたのは日本の80年代のハードロックバンドだったんです。で、とにかくひとつひとつの言葉を強くしたいと思って、「THE POWER」でそれをやったんですね。もっと泥臭く!もっと暑苦しく!っていうものを突き詰めるというか、いわゆる洋楽のハードロックの歌詞を直訳した感じを書きたいなと。“夜は終わんないぜ!”や“ロックに生きようぜ!”とか、あの潔さがいいじゃないですか。もちろん、歌詞の内容と自分の思ってることはちゃんと一致してなきゃいけない。だから、日本のハードロックとアメリカの80年代のハードロックとを聴き比べて、いろいろ違いとかを自分の中で調べたりして、よりアメリカに寄った日本語の歌にしたつもりですね。
今回も3曲を通して“自分を信じて突っ切っていけ!”とメッセージしてますからね。
団長
そうですね。メッセージ的には結局前回の「FRONTIER」も、今回の「THE POWER」も言ってることはそんなには変わらないんですよ。特にこの全6曲、メッセージは全部強くなきゃいけない。そこだけを意識しましたね。で、ハードロックとヘヴィメタルって2個あ らに3つずつに分けた感じです。
では、前作と今作とで“神髄”という作品を作り上げたわけですが、どういうものが提示できましたか?
Kyrie
あくまで“提示”というか…自分なりのひとつの線引きというものを通して、こういう音楽があることを知らない人に“こんな音楽があるんだよ”っていうのが伝わればいいなと思うし、こういう音楽を聴いてきた人に対しては“その音楽は今もちゃんと息づいているよ”っていうのが伝わればいいなぁってのは思いますね。
団長
まぁ、死なせちゃいけない音楽だと思うんで。あと、こういう音楽をダサいと言ってる人たちに、ひと泡吹かせたいというか。それのきっかけですね、この2作は。
そんな2枚のシングルを引っ提げてのツアーが控えているわけですが。
団長
会場によって「FRONTIER」寄りなのか、「THE POWER」寄りなのか、観せ方は変えていくとは思います。特に2デイズあるところとかは。ね、Kyrieさん。
Kyrie
まだ何も考えてないですねー。ただ、2日間来て2日間同じものを観させるようなことはしないとは思います。好みはそれぞれあるだろうけど、NoGoDが好きならどちらも楽しめるような内容にはしたいと思ってます。
そして、今回のファイナルが赤坂BLITZと。
団長
ど平日ですけどね。やっちまいましたね(笑)。でも、個人的にはリベンジなんですよ。1000人キャパのライヴハウスでワンマンは何度かしてはいるんですけど、ソールドアウトしたことは一度もないので。ただ、今のNoGoDのポテンシャルであれば問題はないと思いますけど。40代くらいのおっちゃんがいっぱい来てくれたら嬉しいよね(笑)。
Kyrie
いや、俺は若い女の子が来てくれたほうが…(苦笑)。
団長
どこに引っかかるんだ!(笑)
Kyrie
いや、どっちが嬉しいかって言ったらそっちのほうが嬉しくないか?
団長
まぁ、Kyrieさんはね。でも、若い女の子にヘヴィメタルとかハードロック聴いてもらえればそれでいいかな。とにかくライヴに来てほしいですね。NoGoDというバンドがどれだけ真摯に音楽に向き合っているかっていうのは、ライヴで一番発揮できることなので。まずは生で観てもらいたいですね。生で聴いてもらいたい。それが一番分かりやすいのが、12月2日の赤坂BLITZだったりするので…お願いだから来てください!(笑)
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