【BLUE ENCOUNT】“あなた”に歌った
曲であり弱かった“自分”への応援歌
L→R 高村佳秀(Dr)、辻村勇太(Ba)、田邊駿一(Vo&Gu)、江口雄也(Gu)
今年1月にリリースした、1stシングル「もっと光を」がロングセールスを記録する中、2ndシングル「DAY×DAY」が完成。アニメ『銀魂゜』のOPテーマでもあるこの曲に秘めた想いをメンバーが激白!
取材:フジジュン
近況として、1月に「もっと光を」をリリースしてからのBLUE ENCOUNTはどんな感じだったのでしょうか?
田邊
1月はツアーの追加公演があったり、「DAY×DAY」を含めた新曲を制作したりと、いろんなことを並走してやってましたね。昨年12月にライヴを観てくださったアニメ『銀魂゜』のスタッフの方からタイアップのお話をいただいて、1月に「DAY×DAY」の制作を始めたんですが、正直、不安が大きくて。1月中旬に今年初のライヴがあって、楽屋で決定の報告を受けた時は、みんなの“やった!”の声が轟きましたね。
辻村
本当は小さくガッツポーズくらいですけどね(笑)。
田邊
でも、それまでモヤモヤしていた気持ちが晴れて、そこから制作モード、ライヴモードに入っていけましたね。今は次の作品に向けての制作の佳境なんですが、EP『TIMELESS ROOKIE』、「もっと光を」、「DAY×DAY」と今まで出した曲を信じて、自信を持って活動できてるし、新曲もそれを超えられるようにと前向きな気持ちで作れています。
今回、タイアップへのプレッシャーはありました?
田邊
すごくありました! お話をいただくまでは“4人でやれば大丈夫だよ”とか思ってたんですが、いざ目の前にしたらプレッシャーもあったし、頭でっかちになって面白くない曲ばかりが出てきてしまって…。その時期、ライヴもどこか楽しめていなかったので、“まずはライヴを楽しもう!”という原点を思い出して、一度、テンションだけでやりたいことをやるライヴをやったんです。そしたらライヴとしては0点だったんですけど、“ライヴって楽しいな!”と思った瞬間に「DAY×DAY」のサビのメロディーが浮かんできたんです。
すごいな、ドラマチックな話ですね!
田邊
ただ、それはタイアップとか全然考えずに作った曲なので、制作サイドからいろいろ言われてしまうかな?と思いながら提示してみたら、“これでいきましょう!”という話になってホッとしました。結果、『銀魂゜』を愛するスタッフさんには熱意がしっかりあって、僕らも自分たちの音楽への熱意があって、その熱意が上手く合致したので、すごく良かったなって。
辻村
もっと厳しい意見が出るかと思ったんですけど、俺たちの意図をちゃんと汲み取ってくれたというか。アレンジひとつでもやりたいことをやらせてもらってるので、本当に良かったです。
“あなた”に伝えたい想いが楽曲にしっかり込められた、BLUE ENCOUNTらしい曲になりましたよね。
田邊
そうですね。端的に言うと「もっと光を」って、僕らは“あなた”にどうしていきたいか?と意思表示をした曲だったんです。「DAY×DAY」は“あなた”に向けて歌いながら、自分にも向けて歌っているような曲ですね。今もライヴでは欠かせない「HANDS」という曲があって、3年前に苦悩していた自分に、自分自身の応援歌になればいいなと思って書いた曲なんですが、このサビが出た時も“あなた”と言いつつ、弱かった自分に対して歌っているような気がしていて。
歌詞の“あなた”は、“自分”にも当てはめられると。
田邊
もちろん、歌詞通りで“あなた”を守りたいという気持ちもあるし、曲を聴いた人が守りたい人を想像することもあると思うんですが。僕らは自分たちの音楽を信じて、守り続けたいものがあるから十何年も音楽をやり続けてきたわけで。意外と自分に対しての応援歌であり、ラブソングだったりするなと思ったんです。最初は万人のために書こうと思っていた曲が自分のための曲になって、それを受け入れてもらえたというのがすごく良かったと思うし、音楽って考えすぎたり、決め付けちゃいけないんだなとすごく思いました。
今日の話、すごくいいですよ。人間臭いし、「DAY×DAY」の歌詞に込められた想いがよく伝わってきます!
田邊
ありがとうございます(笑)。それっぽいことをやろうとするほど嘘っぽい曲になってしまうので、それ自体を曲に込めてしまおうと思ったというか。ここ半年くらいのBLUE ENCOUNTをそのまま曲にした、現在の僕たちの等身大の曲になっていると思います。
うん、だからこそ曲に込めた想いがリアルに伝わってくるし、歌詞だけでなく曲の疾走感や性急感も、今を駆け抜けるBLUE ENCOUNTをそのまま切り取ったようです。
田邊
サウンド面は「もっと光を」の時、最初は詰め込みすぎていたところから全員でギリギリまで話し合って、これまでの音を超えられたと思うんですが。その経験があったからこそ、「DAY×DAY」では良い意味で力を抜いたシンプルなフレーズが出てきたと思うんです。
辻村
良くしようよくしようと思うと、どんどん頭でっかちになっちゃうんですけど、気付いたら“何もないシンプルなままのほうがいいじゃん!”になっていたりして。
江口
いつもそうなんです。みんな真面目なので考えすぎちゃって、もう1度空っぽにして…の繰り返しで(笑)。
高村
僕も今回はシンプルに王道な感じを出しつつ、魅せる部分を作ってという感じでしたね。
田邊
これまでを振り返っても、いつだって胸を熱くしてきたのは王道なロックだったり、ストレートなものだったりしたし。“これがBLUE ENCOUNTです!”と嘘のない、僕ららしいものを聴いてもらいたいので。毎回、これでダメだったら仕方ないくらいの賭けみたいな気持ちでやってます。
うん、BLUE ENCOUNTは常にギリギリのところで、イチかバチかで戦ってるくらいが性に合ってる気がしますよ。
高村
確かにそうですね。僕らが余裕でやってる姿なんて、誰も求めていないですから(笑)。
田邊
アホみたいに不器用な4人なので、0点出したり120点出したりと振り幅がすごいですけど、俺たちはそれでいいのかなって。これからも答えを出そうとか考えず、ライヴも作品も熱意をもって全力で取り組んでいきたいですね。
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