【BLUE ENCOUNT】本当に作りたかった
アルバム
L→R 江口雄也(Gu)、高村佳秀(Dr)、田邊駿一(Vo&Gu)、辻村勇太(Ba)
「THE END」で始まり、「はじまり」で終わる2ndアルバム『THE END』は、2016年にリリースした4枚のシングルを軸に、壮大な世界観と熱いメッセージを届けてくれる渾身の一枚! アルバムに込めた想いを4人に訊いた。
取材:フジジュン
自分たちの好きなことをやってカッコ良いと言われたかった
2ndアルバム『THE END』が完成しましたが、まずはこのアルバムを語る上でも、4枚のシングルのリリースに初の日本武道館単独公演など大活躍だった2016年を振り返っていただきたいのですが。
田邊
本当に激動だったし、あっと言う間の1年でした。この短いスパンでシングルを出すのも初めてだし、タイアップもたくさんいただいたし。いろんな分野の方からブルエンを信じてもらって、このタイアップが成立したと思うんですよ。それぞれに熱い人がいて、血の通ったドラマがあったので。テレビ出演や日本武道館もありながら、楽曲制作もしっかりできて、「だいじょうぶ」という僕らにとって大事な曲も生まれて、2015年以上にバンドっぽい一年でもあったし、バンドとしての自信も付きました。
全国のライヴハウスを回りつつ、お茶の間にもその存在をしっかり知ってもらって、バランスもすごく良かったし。
田邊
バランス良くやるにはフィジカルとメンタルが必要で。その集大成が日本武道館だったと思うし、日本武道館では“もう、ここから降りるわけにはいかねえぞ!”と思ってやってました。“生半可な気持ちでやったら崩れちまうぞ!”という気持ちでアルバム制作にも取り組めましたね。バンドとしても、人間としても、この一年ですごく強くなれたと思います。
そういった気持ちや覚悟が、『THE END』にはちゃんと反映されてますよ。あと、2016年に制作した曲や活動が認められた自信があるから、4人が今、本当にやりたい音楽を自由に伸び伸びやれているように感じました。
辻村
本当そうです。音でメンタルが伝わってるのはすごく嬉しいですね。もちろん今も悩みながらやってますけど、今作は伸び伸びと自由にやれたし、お互いに厳しく言い合えたり、メンバーとの寄り添い方も分かってきたというか。
江口
言いたいことを言い合いながら、レコーディングはスケジュール通り、本当にスムーズに進んだよね。
高村
うん。人の目とか、どう思われたいというのは全然気にせず音楽を詰め込めたので。そこが伝わったら、すごく嬉しいです。楽曲としてカッコ良いのが一番だと思ったから、自分のイメージやプライドも捨てて、カッコ良さを選択したこともあったし。そういう気持ちで一曲一曲と真剣に向き合えたのが、すごく良かったです。
シングル4曲含め、一曲一曲がアルバムですごく重要な役割を果たしていますね。シングル曲もアルバムに収録されることで、また違った意味合いを持って聴こえてきました。
田邊
「はじまり」ができた時、まさか1年後に“THE END”ってタイトルのアルバムを作るとは思ってもいませんでしたけどね(笑)。せっかくだから、もっと輝かしいタイトルを付けても良かったのにね、“VICTORY”とか。
そしたら“調子に乗んな!”ってツッコんでたよ(笑)。“THE END”というかなり衝撃的なタイトルですが、1曲目「THE END」でちゃんと答えを出していますね。そこから、“なぜならば…”という理由が明かされていって、ラストの「はじまり」で全てが納得できるという倒置法的な構成ですよね。
田邊
1曲目の「THE END」がかなり壮大でメッセージ性の強い曲で、そこから“じっくり話していっていいですか?”とアルバムが進んでいく感じですね。初めて聴いた人がこのアルバムをどう聴いてくれるのかが楽しみです。願わくば、ひとりひとりの家に行って、初めて聴く時の顔が見たいくらい(笑)。
江口くんはアルバムが完成しての感想はいかがですか?
江口
アルバムを1枚作り上げるというのは、本当に大変なことなんだなと改めて思いました。忙しかった2015年をさらに更新する忙しさの中で、自信を持てるアルバムを作り上げたことは成長にもつながったし、2016年一番の収穫になりました。
田邊
シングルを1枚作るのに最低20曲は作るので、この1年で100曲くらい作りましたね。その中に“アルバムに入れたい!”と思う曲がいくつもあって、アルバムの収録曲が自然と決まっていった感じです。その自然なサイクルの中で曲が生まれたことも良かったんだよね。だからこそ、今思ってることや2016年に浮かんだ疑問、あとは聴く人が思うブルエンへの疑問の答え合わせが、この一枚でできると思うんです。
うん。今作には日常から生まれる喜怒哀楽が詰まっているから、ブルエンに対して“前向きな歌を歌ってる”くらいのイメージだった人も、その奥にある感情まで感じることができて、より理解が深まると思います。
田邊
シングルのカップリングには棘のある曲も多かったんですけど、“良い子じゃねぇし”みたいなところも伝えたかったし、“どうにでもなれ”みたいな開き直りもあるし、振り切り方は今まで以上に強いものがありますね。俺たちは高校生の時から、“自分たちの好きなことをやって、カッコ良いと言われたい”と言っていたので、本当に作りたかったアルバムを作り上げるというのは、言ったら12年越しの夢なんですよ! 今作で夢を12年越しで叶えることができたんです。
スキルを重ねて、歌も演奏も表現力が増したから、本当に作りたいアルバムが作れたというところもあると思います。例えば「THE END」を2年前にやってたら、こんな壮大で世界観を持った曲には作り上げられなかったと思うんです。
辻村
確かにもっと音を詰め込みたくなったり、ガチャガチャしたものになっていたかもしれない。
「ルーキー ルーキー」もライヴ向けの勢いがありながら、ただ勢いで鳴らしてるんじゃない構成の面白さがあるし。
田邊
そうですね。シンプルだけど緻密に構成されてて、逆にシンプルに見せることが大変だったというか。だから、何度もアレンジし直したし、“この曲は入れなくていいかな”と思ったこともあったけど、メンバーがめっちゃ良いフレーズを持ってきてくれたから収録できたんです。今作は本当にメンバー4人の力が合わさらないとできなかったと思います。
そこは4人が同じ方向を向いて、同じものを見て、ちゃんと共有できているということの表れですよね。
田邊
僕らの場合、ひとりじゃ何もできない4人が集まっているので。僕がイメージの入口を作って、それを肉付けしてくれるのはメンバーなんだというのは改めて思いました。今までと比べても、僕が頭の中で描くイメージにどんどん近付いてくれているなっていうのは感じますね。
アーティスト
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