L→R 江口雄也(Gu)、高村佳秀(Dr)、田邊駿一(Vo&Gu)、辻村勇太(Ba)

L→R 江口雄也(Gu)、高村佳秀(Dr)、田邊駿一(Vo&Gu)、辻村勇太(Ba)

全て終わりに向かうという概念や“THE
END”の意味も壊したかった

曲についてもっとうかがいたいのですが、前半は「HEART」「TA・WA・KE」と徐々にテンションが上がっていきますね。

田邊
「HEART」は「HALO」で注目してもらった僕たちが、エモに回帰するってところで作った曲なんです。意識的にエッジィでドロドロした歌詞を書いて、結果、現在のブルエンを表したすごく良い曲になりましたね。

中盤に入る「涙」「LOVE」も切ないんだけど、ひと筋縄でいかないラブソングになっていて、すごく良かったです。

田邊
このラブソング2本立ては僕も好きですね。
江口
最初は「TA・WA・KE」から「涙」「LOVE」と続く予定だったんですけど、間にもう1曲欲しいねって話になって「ルーキー ルーキー」を挟んだら、より存在感が増した。
田邊
あれは英断だったね。英断…大英断だったでしょ?

“英断”って言いたいだけじゃん(笑)。そこから「LAST HERO」「GO」と続いて、後半の盛り上がりを生んでいるのが印象的でした。

田邊
「GO」は次のツアーで盛り上がりの中心になると思ったんで、ぜひ入れたかったんです。演奏もすごく圧があるし、この曲がアルバムに入ることで重心が重くなるし、後半の切り札になると思ったんです。

現在の気持ちを真正直に歌った「city」から「だいじょうぶ」「はじまり」のラストは驚いたし、泣かされました。

田邊
狙い通りです(笑)。「はじまり」を作った時、こんなアルバムになると思ってもいなかったですけど。ブルエンとしての身体が今、こういうアルバムを欲してたんだなと思いましたね。あと、「だいじょうぶ」は2~3年前に作ってたんですけど、震災を経て歌詞の意味合いが変わってきてしまって。ポップに歌えなかった時もあったんですけど、このアルバムに入ったことで浄化されたというか。伝えたかったメッセージも殺さずに、ちゃんとした質量の曲になったし、ライヴでもガンガンやっていきたいと思ってます。最初、重いアルバムになっちゃったかな?と思ったんですけど、みんなで曲順を決めて、改めて聴いてみたら全然そんなことなかった。「だいじょうぶ」~「はじまり」という曲順だけで分かってもらえると思うんですけど、ちゃんと答えを出して、不安がってた人をやさしく抱きしめることができる作品になったと思います。

そんな中、それぞれ好きな曲、思い入れの強い曲を1曲ずつ選んでもらっていいですか?

高村
僕が一番リピートしてるのは「LOVE」ですね。曲調や雰囲気が好きなのは「THE END」なんですけど、「LOVE」は繰り返し聴けば聴くほど、どんどん好きになっていって。こういう曲をよく4人で仕上げたなっていう感動さえありますね。4人が本当に音楽が好きで、いろんな音楽を吸収してきたことを証明する曲にもなっていると思います。
江口
僕は「TA・WA・KE」ですね。ギターはコードバッキングで押してるだけで、何もやってないんですけど(笑)。田邊の毒性の強い歌詞が今の時代にもすごい合ってると思うし、今までのブルエンにありそうでない感じがすごく良くて。ライヴでぐっちゃぐちゃになってる感じも想像しています。
辻村
僕の思い入れが強いのは「ルーキー ルーキー」ですね。4つ打ちが流行ってる中、4つ打ちの曲をやるのも抵抗あったんですけど、何か他と違うことができないか?と思った時、サビでスラップを入れてやろうと思って。そんな新しいことに挑戦できたというのもあるんですが、この曲をレコーディングしてる最中にアンプが火を吹いて、煙を上げちゃったんですよ。“危ねぇ!”と思ってたら、虫の知らせだったのか分からないですけど、その30分後におばあちゃんが亡くなったって電話がかかってきて。おばあちゃんも聴いててくれたのかな?と思ったりして、ひとつ忘れられない思い出になったんです。
田邊
僕は「涙」ですね。構成もメロディーも美しいし、幅の狭い、煮え切らない歌詞も女々しくて良いし。ずっとやりたかったけど、やれなかった曲がやっと書けたと思ってます。この曲は日本武道館でも演ったんですけど、バンドサウンドの骨太さやグルーブもあって、すごく手応えがありました。

日本武道館では新曲「涙」を演奏して、“THE END”ってアルバムタイトルだけ告げて、お客さんをかなり困惑させましたけどね。“THE END”ってタイトルはかなり早い段階で決まってたのですか?

田邊
はい、今回はタイトルから決まったんです。日本武道館の打ち合わせしてる時、“アルバムタイトルを発表しちゃいましょうか?”ってなって、僕が第一案で出したのが“THE END”だったんです。みんなも“いいね”ってなって、最後に「はじまり」で終わるのがいいんじゃない?ってアイデアも出て。
江口
こんなにすんなりタイトルが決まることって、今までないよね。出てきた瞬間に“これしかない!”くらいの感じでした。
田邊
そこからは後付けですね。最初は“終わりを告げて、新しい僕らを見せる”みたいな正当な流れを考えてたんですけど、そこまで重い意味を持たせたくなくて。物事は全て終わりに向かうって概念や、“THE END”って言葉の意味さえ壊したいなと思って、“THE END”を“壊す”って解釈したんです。スーパーマリオみたいにゴールかと思ったら裏面があったみたいに、終着点さえ壊すって面白いじゃないですか(笑)。だから、出来上がってやっとコンセプトが固まった感じはありますね。ツアーでもいろんなジンクスを壊していきたいと思っているので、BLUE ENCOUNTの2017年にも期待してください!
『THE END』2017年01月11日発売Ki/oon Music
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • KSCL-2818~9 3600円
    • 【通常盤】
    • KSCL-2820 2808円
BLUE ENCOUNT プロフィール

ブルーエンカウント:熊本発、都内在住の4人組バンド。2014年9月にEP『TIMELESS ROOKIE』でメジャーデビュー。15年1月にリリースしたファーストシングル「もっと光を」は、新人ながら全国35局でのパワープレイを獲得した。また16年10月には日本武道館ワンマン公演『LIVER’S 武道館』を大成功に収める。さらに17年1月にはセカンドアルバム『THE END』をリリースし、バンド史上最大規模であり幕張メッセ公演を含む全国ツアー『TOUR2017 break”THE END”』を大盛況のうちに終了させた。19年11月にはシングル「ポラリス」をリリースする。 BLUE ENCOUNT オフィシャルHP

OKMusic編集部

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