嶺脇育夫と南波一海のアイドル三十六
房EN! 完全版

 ちなみに後半ではハロプロ研修生の「段原瑠々」さんについて語られているんですが、これには前哨戦があり、編集部で当時話題になった「ハロプロ研修生 発表会2015~春の公開実力診断テスト~」で「段原さん二連覇ならず!」というトピック、実は嶺脇さんと南波さんは冷静に見ていた(『月刊エンタメ7月号』の同連載にて)……というところが発端になっています。

 この2人の冷静さに疑問を抱いた、ライターの小野田衛氏と、エンタメ編集部の島村が連載に飛び入り参加した、という前提のもと読んでいください。



――CD-Rブームがきてるということで(笑)。

嶺脇 いや、来てない来てない(笑)。まぁ……来てるってことにしますか(笑)!

南波 体感としては、凄い小っちゃい現場レベルではありますよ。

嶺脇 南波さんしかいないからね、R音源を集めて発表してる人(笑)。

南波 だからこの番組が終わったら終わると思いますけど、Rブーム(笑)。でも音源ってそんなに求められてないのかも。ライブの楽しさだったり、メンバーの可愛いさであったり、握手が丁寧とか、求められてるのはそこだから。物販で音源が置いてなかったりするし。「音源ありますか?」って聞くと「ありますよ」って机の下から出されたりする(笑)。

嶺脇 曲に興味ない人もいますからね。接触も剥がしがないし(笑)。

南波 ただ、競うように三十六房にRを持ってこようとする人もいて。でも、俺は先回って買っていく。彼らに負けないように!

嶺脇 負けないようにって(笑)。勝負してるんだ(笑)。

南波 今日も3人くらいのお客さんが音源を持ち込んできてくれたけど、「それ僕持ってきてます」って(笑)。

――そのひと言のために(笑)!

南波 やっぱり負けたくないっていうのはあるから(笑)。

――トップランナーたらんというか。他を寄せ付けませんね! ちなみに、番組でも言ってましたが、最近はRなのに収録曲違いっていうのがあるんですね。

南波 前はそんなになかったんですけど、今多いんですよ。なんで複数枚買いさせるのかっていう意味を分かってないと思うんですよ。あの人たちね、多分手売りでオリコンチャートに入れると思ってるんだよ。

嶺脇 あ、それはね、実際そう思ってた運営さんもいましたよ! ライブでけっこう売ったのにオリコン入らないから、「なんでだー!」って言ってた(笑)。手売りは反映されないんですよって言ったけど。

南波 正式な枚数は売ってる人しか知らないからね。登録とかいろいろあるんですよね、チャートに入るには。

――ちなみに3種類出たら南波さんは全部買うんですか?

南波 僕は買いますよ。……しょうがないじゃないですか(笑)。ただ、収録曲違いならまだしも、ジャケ違いとかもあるんですよ、内容一緒で。それは買わない。

嶺脇 Rのジャケ違いって……それは、どういう(笑)。

南波 個人的にはRのそういうのって意味ないんじゃないかなって思いますよ。

――Rウィークリーチャートみたいなのを作ればまた……。

南波 誰が作るんですか(笑)?

嶺脇 南波さんでしょ(笑)。

――全国から自己申告で枚数を南波さんに送ってもらって。

南波 でも追い切れないくらいたくさんいるから。こないだも……「ばんざいわーるど」っていう東海のアイドルで、メンバーが国名なんですけど、メンバー募集してて、条件が「芸名が国名になってもいい人限定」って(笑)。今は、ガーナちゃん、モナコちゃん、パキスタンちゃんがいるみたい。

嶺脇 (爆笑)

南波 ご当地アイドルに注目してる人ってたくさんいると思うんですけど、東京に来てるアイドルなんてまだ本当に一握りで。

――番組でも名古屋アイドルについて話してましたが、東海に注目してるんですか?

南波 東海だけというわけではないんですけど、やっぱり知らないところに行かないと、わからないから。月に1度くらいは、「コレ知らないな」っていうのがあったらそこに行くようにはしてますね。

――ネットだけではやっぱりわからないんですか?

南波 知っているグループの対バン相手を見て、知らなかったら名前を検索しても、HPとかなかったりする。Twitterだけとか。リリース情報がわからないところも多いです。

――とにかくこの番組が終わったらブームが終わってしまうので、ぜひ続けてほしいです。最後の灯火を。

嶺脇 最初で最後の灯火をね(笑)。

南波 でも、テレビ番組のディレクターさんも、これ三十六房をチェックしてるんじゃないかって思うのがありますよ。そこで出てくる地方アイドル、ここで紹介したアイドルさん達が多くて。テレビ局で普通に働いてる人が、井尻って町の「hipS Ship」ってアイドルを知ってるのかなって(笑)。僕も三十六房に来たお客さんから教えてもらいましたけど。

――やっぱり三十六房なんですよ、Rシーンを知るためには!

嶺脇 南波さんが紹介したアイドルがのちのち、1~2年後とかにブレイクしたりね。

――早すぎるんでしょうね。

嶺脇 だから見向きもされない(笑)。

南波 小池美由ちゃんとかテレビCMでも見たりするしね。

――橋本環奈ちゃんも。

嶺脇 東京初ライブ、南波さんと見ましたもんね。

南波 2013年にコンピが出たから、その前ですよね。

――当時から可愛いって有名だったんですか。それとも音で気になって。

嶺脇 音ですね。可愛い子がいるっていうのは、有名だったんで。初めて見た時なんて、お客さん20人もいなかったよね。

南波 感想は「可愛い」でしたけどね。曲もいいし。ただ、こんな風になるとは思わなかったけど。

――では、この番組を見てれば第二、第三の橋本環奈ちゃんが。

南波 でるかなぁ~(笑)。――そういえば、来月は三十六房が新宿ロフトでイベントをやって、そのまま放送するということですが。

嶺脇 僕等が『Japan Idol File 2』を作って、それをネタにいろいろとやってくださいって言っていたら、ロフトさんがコンピに参加しているアイドルを呼んでイベントを開くと、そこに僕等が乗っかるということですね(笑)。

――嶺脇さんと南波さんの握手&チェキ会もロフトさんが企画して。

嶺脇 それはね、こちらからの提案(笑)。

――では、整理しておくと、そのイベントでCDを買うと嶺脇さんと南波さんと3ショットチェキを撮れると。もうすでに買っている人は、CDを持ってくるとサインと握手ができる、ということですよね?

嶺脇 そうだけど……買う人いるのかな(笑)。

南波 絶対いないですよ。

嶺脇 4000円くらいするからね。

南波 アイドルのインストアイベントとかを見てると、CD買ってる人ってそんなにたくさんいない。アイドルですらいないのに、僕等とチェキを撮るために買うわけがない(笑)。

――イベントも楽しみですね。月野あかりさんも出るという。

嶺脇 初ライブで……ラストライブ(笑)。あの歌声が聞けるんですよ。もうプレミアム感が半端じゃないよね!

南波 持ち歌も1曲だしね。でもちゃんとした衣装もある。

――それで、そのイベント後に三十六房もやると。ただ、イベントは有料なのに、三十六房は入場フリーっていう(笑)。

嶺脇 よくロフトさんもOKしてくれたよね(笑)。来た方はグイグイ飲んでもらいたいね。――次回の放送が楽しみですね! ということで、今回は前回の当連載で話題に上がった「段原瑠々」さんについて、意見があるということで、ライターの小野田さんと編集部の島村に来てもらいましたので、ぜひ4人で話し合ってください(笑)。

島村 だって、あの研修生発表会の最大のテーマは「段原瑠々の二連覇」だったわけじゃないですか。

小野田 言いたいことはたくさんあるんですけど、かいつまんで言うと「じゃあ、実力公開査定テスト、一体なにをテーマで見てたの?」ってことですよ!

嶺脇&南波 (爆笑)

小野田 どんな試合でも興行でも自分なりのテーマを持って見るじゃないですか。今回で言うと、昨年の段原さんの活躍を見ていたら、このテーマ以外ないでしょと。それ以外だったらマニアックすぎるでしょ。普通はその角度でみるでしょ、あの発表会は。だからお二人がなにを言ってるのかがわからない!

島村 あの発表会は「段原さんが連覇するのか、遮られるのか」っていう見方で行ってましたから、我々は。だから「二連覇ならず」っていう結論になったと。その衝撃がなかったですか?

嶺脇 全然なかった(笑)。そもそもね、僕は去年、武藤彩未さんのトークイベントで……。

小野田 えっ!

嶺脇 いや、出演者の方よ! 仕事よ、仕事! でもね、あとから段原さんが獲ったって聞いて衝撃だったのよ。だって、ほとんど見てない子が獲ったから「どんな子なんだろう」っていうのは思いましたね、去年。今年は新しい子が入ってくるって言うのは分かってたから、そっち見てましたね。浜ちゃんいないし。

小野田 社長的には、浜ちゃんなき今、どういうテーマで見てたんですか?

嶺脇 テーマか……(笑)。浜ちゃんいないから、確かに注目する人はいないんですよ。だから、新たな注目を探すっていうテーマかな。

――南波さんはいかがでしょうか?

南波 う~ん……そういう見方してなかったからなぁ。でも、「生タマゴshow!」はずっと見てきたから、そこではっきりと、船木結ちゃんがヤバイっていうのはわかってたから。

小野田 センスの塊ですよね!

島村 南波さん! いい見方してますね(笑)!

南波 逆に、その時点で段原さん中心の物語を作るっていうのは難しくないですか?

小野田 いやいや、段原さん去年が圧勝だったじゃないですか。その段原の牙城を崩すのは誰かっていうときに、こぶしとかつばきとかにガーッと入ったと、そうなるとますます段原圧勝度が高くなったと。

南波 そこは難しいところだとは思うんですけど、そもそも評価軸としてスキルが全てじゃないと思うんです。加賀さんは、去年、最初に歌って、歌メンとされていながらも緊張で実力を出し切れなかった。さらに、在籍期間も一番長い人ですよ。だけどモーニング娘。とか、ほかの新しいグループのメンバーにまだ選ばれていない。その物語をファンは見てたんですよ。だから、純粋に実力主義で見てるかって言ったら、それはまた別の話で。そこも加味されてると思う。

嶺脇 1回目のたなぴょんに近いかなって思ったね。僕はあれは明らかにそういう物語への票が入ってるなって思ったし。

小野田 確かに判官贔屓てきなのはあったかもしれない。

嶺脇 知り合いのヲタの子と話してて、誰と悩んでるのって聞いたら、加賀ちゃんに入れるか、高瀬さんに入れるかって悩んでて、最終的には「頑張ってきたし」っていうことで、うん。断トツで高瀬さんが良かったって言ってたのに。だから、そういう物語の強さっていうのはあるかもね。

小野田 お二人が言うように、スタッフは置いておいて、観客はガチガチの実力主義でヘタしたら、高瀬さんが圧勝すると思ったんですよ。スキルだけね。ところが、ウェットな感情が入って……。

南波 それもあるかもしれませんが、結局アイドルは「それ込み」だと思うんですよ。

嶺脇 アイドルだからね、スキルだけじゃない。僕なんかはそっちを見ちゃうから。できない子ほど大好きだから。できないことが肯定されるのが、唯一アイドルだから。それもある種のスキルだからね。無意識のスキル。だから、それはそこを選ぶのもね。その人の価値観のスキルで選んだってことだからね。

小野田 そもそもね、アイドルに票を入れるっていうこと自体がね……定義が難しいし、残酷だしさ……。――いやいや、国民的アイドルたちは頑張ってますよ(笑)!

小野田 いやいや、ちょっと考えてほしいんだけど、段原瑠々さん。バイアスかかってるかもしれないけど、この1年ずっと見てて可愛くなりましたよ。

南波 それはわかります! 可愛くなる伸びしろみたいのがあって、ちゃんと可愛くなってる。応援したくなる気持ちはわかる。そういう意味だと加賀さんも伸びしろがある。

小野田 俺は段原さんに自分の中であだ名を付けていて、「フューチャーレジェンド」。あらかじめ伝説になることが約束されてるんですよ。

――だいぶバイアスかかってますね(笑)。

小野田 Perfume、中元姉妹、鞘師里保、そして段原瑠々! この系譜! 広島からですよ。

島村 そもそも去年と比べると、そんな差がなかったですよね。みなさんのレベルが高くて。誰が獲るかわからなかった。そんなに加賀さんがいくと思いました?

南波 僕は完全にふなっきだろうと。

小野田 それは自分が応援してるから? もしくは票の流れがふなっきにいくだろうなっていうこと?

南波 ドラマとかは別としても、パフォーマンスとか見た目の華やかさとか、全部含めたら彼女が一番アイドルとしていいんじゃないかって自分は思ったんですよ。それこそ、高瀬さんとか完成しすぎているんです。

島村 これは非常に大事な問題だと思うんです。高瀬さんって完成してるじゃないですか? それを悪いって言われちゃうと、高瀬さんだって困るじゃないですか。だって、上手くなるのがすべてって練習してるのに、上手くなった時点で「あいつ上手いからな……」って言われちゃうんでしょ?

南波 難しいですよね。完成度の高さも評価すべきポイントですけど、あくまでいち要素にすぎないので。その上手さから何が伝ってくるのかというのも大事だし。全部のバランスを見ると船木さんが一番良かったと思います。一番いいかなっていうか、票が入りやすいだろなって。

小野田 確かに船木さんの伸びは凄かった。この1年。

南波 佐々木莉佳子さんと同じですよ。パッと場を変える力。

小野田 あと、ナイスガールトレイニー移籍組が超いい!

島村 浅倉さんがすごくいい。つばきの。

南波 仙石みなみちゃんが少し入ってる。

島村 わかります、わかります。

南波 トレイニーは本当にいい。

小野田 橋本渚さんが入ってないんですよね? だから彼女じゃないですか、中心となるのは。

嶺脇 アプガの小夏ちゃんみたいだよね。元気いっぱいで。つばきとこぶしのブログ読んでても結構出てくるからね、ナイスガールトレイニーの子たちがいるから。

小野田 廣瀬さんもちょいちょい橋本さんの名前を出すんですよね。だからナイスガールトレイニーのボス的な感じなのかなと。年齢は……。

嶺脇 けっこういってる。17かな? ……まぁ17でいってるっていうのもアレだけど(笑)。

南波 まぁ話を戻すと、大事なことは段原さんや加賀さんがどこかのグループに入ることですよ。

嶺脇 夏焼雅ちゃんとやるんじゃないですか? スキルメンで。

小野田 みやびファクトリー!

嶺脇 そうそう、みやびファクトリー。加賀ちゃんと段原さんそこいくのかなって。

小野田 社長が考えてるみやびファクトリーのメンツっていうのは。

嶺脇 まず絶対的に、歌えるっていう条件。雅ちゃん1トップじゃダメだと思う。

小野田 みやびファクトリーが本当にできるなら、夏焼さんが選考に結構入りますよね。そしたら歌えない子は落としますよね。そうすると、橋本さん結構きつくないですか?

嶺脇 ただ、絶対的に歌える子だから。ふなっきみたいなハスキーボイスも厳しいと思う。もうちょっと大人数じゃないと。多分みやびファクトリーはね……って、誰もみやびファクトリーができるなんて言ってないのに(笑)。

島村 高瀬さんは入ると思いますよ。あと、段原さん。

嶺脇 あと加賀ちゃん。

南波 だからまだなにも決まってないですから(笑)。

島村 余計なお世話だっていうね(笑)。

――みなさん段原さん好きですね。

小野田 いや、そのくらいの逸材だから! 潰しちゃいけない! 俺はもう親みたいな目線で見てるから。ただね、親として我が子にこう育ってほしくないなっていうのはあって、テクニックをひけらかすような、早弾きギタリストみたいな、そういう感じにはなってほしくなかったんですけど、真っ直ぐ育って本当に良かった。歌も情感たっぷりに歌うし。

――えーと、これはなにについて話してるんですか(笑)?

4人 爆笑

――では、とりあえず、我々としては、段原さんは「みやびファクトリー入り」ってことでいいですかね(笑)。

小野田 いいと思う!

南波 というか、なんの結論も出てない(笑)。

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