>>>前編より

増える外国人と未成年の患者

 ヤミ医者で近年増えているという顧客が外国籍の患者だ。不法労働者はもちろん、チャイニーズマフィアや蛇頭の人間などは健康保険を持っていない。そのためオモテの病院の治療代を払えず、ヤミ医者に頼ることになる。
 また、外国人の不良たちは綿密なネットワーク網がある。敵対組織であろうと、有益な情報は共有しているので、一度評判になると、一気に患者が増えるそうだ。
 意外なところでは、少年少女もヤミ医者の顧客となる場合がある。違法ドラッグの摂取などで昏睡状態に陥った場合、もちろんオモテの病院には行けない。その際にクスリを売った暴力団員などがヤミ医者を仲介してくれるわけだ。また性病の治療や妊娠中絶を理由に訪れる少女もいるとか。専門外の手術でも請け負うのも、ヤミ医者の特徴だ。

 では、そもそもどのような人がヤミ医者になるのだろうか。自分から望んでヤミ医者になる人はいない。ヤミ医者の大半は、不祥事などで医師免許を剥奪された人、大学医学部中退者である。無法者との関わりが多く逮捕されるリスクも高い(ニュースなどで無免許手術で逮捕などと報道された時は、暴力団関係のヤミ医者が逮捕されたということ)。成り手がほとんどいないのもわかるだろう。
 ちなみにヤミ医者の給与は、普通の医者の7割程度が相場だという。給料の面でも『ブラック・ジャック』とはいかないようだ。

(文・FUTOSHI)

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