「JCブーム」を巻き起こす? 現役中
学生ダンス・ボーカル・モデルグルー
プ、J☆Dee'Zの未来

(参考:E-girlsSPEEDを超えるか アイドル×ヒップホップダンスの可能性)

 同グループは、メジャーデビュー前からダンス・キッズ向けのストリート・ファッション雑誌『DANCE STYLE KIDS』のモデルとして活躍し、「ポケモンゲット☆TV」や「おはスタ」でレギュラーを務めたことで、小学生の頃から同世代の女子からは高い支持を獲得していた。また、『JAPAN EXPO』に史上最年少ゲストとして出演したり、史上最年少でLINE公式アカウントを取得、メジャーデビューシングル『Beasty Girls/Let the music flow』がトリプルタイアップに起用されるなど、話題性だけではなく各方面からの評価も高い。

 アイドルシーンが盛り上がりを見せている昨今において、彼女たちはあくまで“ダンス・ボーカル・モデル・グループ”として活動を展開している。そこには、同世代に支持されてスターダムへとのし上がった先行ガールズグループへのリスペクトも伺える。本稿ではJ-POPシーンにおける二大ガールズ・グループの功績を改めて振り返りつつ、J☆Dee'Zへの期待の高さと、彼女たちの魅力を検証していきたい。

 J☆Dee'Zを語ろうとする際にまず思い浮かぶのは、1995年にデビューしたスーパーグループ、SPEEDの存在だ。彼女たちもデビュー当時は小・中学生のメンバーで構成されており(最年少・島袋寛子が11歳、今井絵理子上原多香子が12歳、最年長・新垣仁絵が14歳)、人数も4人で見事に合致。さらにMeikのパフォーマンスや出で立ちはどこか新垣仁絵を連想させる部分もあり、一部では『SPEEDの再来』という声も挙がるほどだ。2グループのデビュー曲である「Body & Soul」(SPEED)と「Beasty Girls」(J☆Dee'Z)を比較してみると、前者はR&Bやディスコ・ブギーサウンドを主体としたトラックを用いながら、TKサウンド全盛期の流行を取り入れたウワモノのシンセで、当時のJ-POP本流の楽曲へと落とし込んでいる。後者はこれも現在の流行である、EDMマナーを踏まえたTRAP感のあるビートに、80’sのディスコサウンドを彷彿とさせるチープなシンセサウンドを加えており、どちらも当時の最先端なダンスミュージックを捉えながら、あくまで日本向けに落とし込んだ仕上がりとなっている。その音をフレッシュで抜けの良い声によって、さらにポップなものへと変えるMOMOKAとNonoの歌は、当時の今井絵理子と島袋寛子に近しいものを感じることができる。彼女たちは成長と共にそのボーカルも進化してきたことから、J☆Dee'Zにも大きな期待がもてそうだ。

 パフォーマンスのあり方においては、現在のJ-POP界で女子中高生に絶大な人気を誇っているE-girlsを連想させる。J☆Dee'Zとはグループの構成は異なるものの、パフォーマンスや活動の幅広さという点で共通する部分はいくつか存在する。E-girlsは各自がモデル活動なども行い、ファッションアイコンとしても支持される存在であるとともに、バラエティなどでも高い能力を発揮。また、ヒップホップ・クラブミュージックを上手くポップに表現したトラックはもちろん、高いダンスパフォーマンスやボーカルも特徴的だ。一方のJ☆Dee'Zは、ストリート雑誌でモデルを飾ったかと思えば、デビュー曲の「Beasty Girls」では、ダフト・パンク以降のクラブミュージックを上手くポップスに昇華。タイトルからビースティー・ボーイズをも連想させるこの楽曲で、ヒップホップ・クラブミュージック界隈へのアプローチも行っている。さらに、彼女たちは「中学生による中学生のための中学生限定イベント」というコンセプトの『JC☆DISCO』を定期的に開催。同イベントはいわば“JC向けのクラブイベント”といったところで、ゲストDJが会場を大いに盛り上げたり、ホスト役のJ☆Dee'Zがライブを披露する場であり、メジャーデビュー以降も同世代を巻き込んだイベントとして発展していくことだろう。

 昨年までJCアイドルだった橋本環奈(Rev. from DVL)や、子役“まいんちゃん”やJCモデル“はるん”として活躍していた福原遥は今や高校生になり、次のJCカルチャーの担い手が待望されている。J☆Dee'Zがその担い手となり、さらなる“JCブーム”の火付け役として活躍する可能性は十分あるだろう。(向原康太)

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