佐藤隆太主演、長塚圭史演出 イギリ
ス演劇界で話題となった、人間の本質
に迫る作品『GOOD』-善き人-を上演

2024年4月、東京・世田谷パブリックシアター、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて、『GOOD』‐善き人‐が上演されることが決定した。
『GOOD』はローレンス・オリヴィエ賞受賞演出家のドミニク・クックがC・P・テイラーの戯曲をリバイバル上演した作品。ローレンス・オリヴィエ賞ベストリバイバル賞をはじめ4部門ノミネートされ、イギリス演劇界で話題となった。
舞台はヒトラー独裁が進む1930年代のドイツ。善良で知的なジョン・ハルダー教授は過去に書いた論文を読んだヒトラーに気に入られ、自身の意図とは関係なくナチスに取り込まれてしまい人生が一変してしまう。自身が生き残るために、ユダヤ人の親友を裏切り、変わっていくハルダー。私たちは同じ立場に立った時、果たして“善き人”でいられるのか。
今回、1996年「阿佐ヶ谷スパイダース」を結成し、2004年第55回芸術選奨文部科学大臣新人賞、2006年第14回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞などなど受賞歴多数、作・演出・出演の三役を担い、KAAT神奈川芸術劇場芸術監督に就任した長塚圭史が演出を務める。
ジョン・ハルダー教授役を務めるのはNHK大河ドラマ『どうする家康』や一人芝居『エブリ・ブリリアント・シング~ありとあらゆるステキなこと~』、映画『シャイロックの子供たち』などの作品に出演する傍ら、『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』などバラエティ番組のMCなど俳優業に留まらず多彩な活躍をみせ、2024年には俳優歴25年を迎える佐藤隆太。
共演には、多数の映画やドラマに出演し、映画『マークスの山』や『CURE』などでの演技で日本アカデミー賞をはじめとした数々の映画賞も受賞、圧倒的な演技力で観るものを魅了するだけでなく、声優、ナレーターなど幅広く活躍している萩原聖人。映画『愛を乞うひと』にて第22回日本アカデミー賞、新人賞・助演女優賞を受賞し、ドラマ『警視庁アウトサイダー』、舞台『サメと泳ぐ』や『After Life』などに出演し、今年2月には出演映画『身代わり忠臣蔵』の公開が控える野波麻帆。映画『ソロモンの偽証』で主演デビューし、第39回日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の映画賞を受賞、近年はNHK連続テレビ小説『ひよっこ』、NHK大河ドラマ『青天を衝け』などに出演し、今年放送のドラマ『グレイトギフト』への出演を控える藤野涼子。舞台『ドン・カルロス』、MUSICAL SHOW『日劇前で逢いましょう〜昭和みたいな恋をしよう〜』、ドラマ『ただ離婚してないだけ』などに出演し近年活躍の場を広げている少年忍者の北川拓実。舞台『リチャード二世』『ミセス・クライン』にて第28回読売演劇大賞と優秀女優賞受賞、『リチャード三世』『THAT FACE その顔』にて、第47回 紀伊國屋演劇賞受賞個人賞受賞を受賞し、近年では舞台『エンジェルス・イン・アメリカ』などに出演、2月には舞台『夜は昼の母』への出演を控える那須佐代子など実力と人気を兼ね備えた俳優達が結集した。
今を生きる私たちへの警告として、新たな解釈で再構築する本作に期待しよう。
【あらすじ】
ヒトラーが台頭し始めた1930年代のドイツ・フランクフルト。
大学でドイツ文学を教える“善き人”ジョン・ハルダーは、妻や3人の子供たち、認知症の母親の面倒をみながら暮らす良き家庭人であった。ただ一人の親友はユダヤ人の精神科医モーリス。彼には家族の問題や突然訪れる妄想について打ち明ける事ができた。その妄想は、幻の楽団と歌手が登場し、状況に合わせた音楽を演奏するというもの。現実と妄想の区別がつかなくなっていると、ハルダーはモーリスに訴える。一方、モーリスも、自分がユダヤ人であることで、ナチスの反ユダヤ主義により、自分がドイツにいられなくなるのではないかという大きな不安を抱えていた。
そんなある日、ハルダーは講義を受ける女子学生アンから、このままでは単位が取れないと相談を受け、その夜自宅に彼女を呼んでしまう。夜遅く雨でずぶ濡れになって現れたアンに、彼は好意を寄せ、関係を持ち始めてしまう……。

演出:長塚圭史 コメント
善悪の見極めは難しい。時代や歴史によって更新されていくからです。それでも見誤ってはならないものがあります。
けれどわかっていても、見誤ってしまうことがあります。抗い難き人間の弱さによるものかもしれませんし、それこそが身を守る手段なのかもしれません。ヒトラー政権下のドイツで、善良で理知的な中年男ハルダーと彼を取り囲む人々の行方を前に、私たちは「もしも自分ならどうしていただろう」と問い続けずにはいられません。独裁政権下の善良な市民たちの心理を生々しく描く 追想劇を、素晴らしいキャスト・ミュージシャン、スタッフの皆様とお送りします。劇場でお待ちしております。
出演者コメント
■佐藤隆太
芝居を初めてから25年という月日が経とうとしています。
昨年は一人芝居で全国各地を回り、沢山のお客様との出会いがありました。
人との距離をとらざるを得なかったこの数年を経験した事もあり、みなさんと直接繋がることができる舞台に対して、 今まで以上に豊かさを感じ、そこに立ち続けたいという欲が強くなっています。そんな中、本作のお話をいただきました。
独裁政権下において、一人ひとりがそれぞれの状況で何を守ろうとして生きるのか。正義とは? そしてその先には何が あるのか。自分にも問いながら台本を読みました。
一つひとつの台詞を落とし込むことも一筋縄ではいかない難解な戯曲です。ですが、覚悟を持って飛び込みたいと思い ます。
長塚さんの指揮のもと、素晴らしい共演者の皆さんと共に悩み、もがき、それ自体を楽しみながら作り上げていきたいです。
重たいテーマを扱っている作品ですが、生バンドあり、歌ありと様々な要素が融合して織りなす舞台です。
劇場で皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
■萩原聖人
人が人である限り繰り返される事。
本当にそれは昔も今も何も変わらないように思います。
変えたくても変えられない。
変わりたくても変われない。
この作品を通してカンパニーの皆様とそれぞれのGOODを探していけたらと思っています。
■野波麻帆
いつか圭史さん演出の舞台に立ちたいと思い続けて20年。お声をかけて頂き飛び上がる気持ちの中送られてきた台本は、ナチス政権下のドイツが背景。人間の善悪を問うなんとも難解な戯曲作品でした。ああ大変だ。怖い。今の正直な気持ちです。でも私が舞台に立つひとつの理由は、作品と対話を重ねながら皆で掘り下げ深めていける時間が余りにも幸せであることです。隠していた無意識の悪意すらも丸裸にされる覚悟をもって全身全霊で挑みたいと思います。お稽古がとても楽しみです。
■藤野涼子
ナショナル・シアター・ライブ2023『善き人』の上映を観に行こうと予定していたところに、この作品に出演しないかとお話を頂き、その偶然に驚きました。タイミングや選択には何かしら理由や意味があると!
もし私自身がこの作品の世界の真ん中に放り込まれたら……果たして「善き人」でいられるのか? 私が演じる「アン」の選択はこの世界にどう映るのか?
先輩たちの胸をお借りして、思い切り楽しんで、この作品に参加したいと思います。
■北川拓実
今回、事務官/伝令/ボック役を演じさせていただく北川拓実です。
『GOOD』への出演が決まり豪華なキャストの皆さんと、この戯曲を一緒に作り上げること、
新たな役柄でこの作品の中で生きられることに喜びを感じています。
僕個人としては20歳になって初のお芝居となります。
今までの舞台や演劇の経験を糧に、この作品を通して更に成長できるよう稽古から全力で向き合っていきたいと思っています。
■那須佐代子
誰もが自分もこうなってしまう可能性を感じる。それがこの『GOOD』の恐ろしさだと思います。 皆幸せに生きていきたいし、安心安全でいたい。そういう当たり前に思える保身から、悪気もないままに辿り着いてしまった惨禍。それは現在に至るまで連綿と続いている闘争であり、決して過去の話、他人事とは思えません。 この作品は展開もスピーディーで目まぐるしくシーンが変わるのでチームワークが大切になってくると思います。長塚さんの演出、共演の皆様も初めましての方ばかりで緊張しますが、早く皆さんと仲良くなり、座組み一丸となってこの骨太な作品にガッツリ取り組んでいきたいと思っています。

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