劇団印象の鈴木アツトが「日本の演劇
人を育てるプロジェクト」文化庁海外
研修の成果公演『みえないくに』を上
演 壮一帆、岡千絵、土居裕子らが出

2024年1月18日(木)~21日(日)、東京芸術劇場 シアターイーストにて、『「日本の演劇人を育てるプロジェクト」文化庁海外研修の成果公演「みえないくに」』が上演されることが決定した。
『みえないくに』は、文化庁新進芸術家海外研修制度において、イギリスで研修、研鑽を積んだ劇団印象の鈴木アツトが成果を発表すべく、本公演のための書き下ろし戯曲を演出する。
出演者は、壮 一帆、岡 千絵、井上一馬(イッツフォーリーズ)、玉置祐也(演劇集団円)、田中愛実(イッツフォーリーズ)、大川 永(イッツフォーリーズ)、森山真衣(イッツフォーリーズ)、土居裕子
壮 一帆
岡 千絵
井上一馬
玉置祐也
田中愛実
大川 永
森山真衣
土居裕子
本作では、架空の国「グラゴニア」の言葉を巡って翻弄される女性たちの姿を描く。海外研修の成果公演に期待しよう。
【あらすじ】
これは、架空の国グラゴニア共和国で話されている、グラゴニア語に魅了された翻訳者の物語。鴨橋真由は、日本では、マイナー言語であるグラゴニア語を独学で学んだ、グラゴニア語研究のパイオニアだった。彼女の夢は、「グラ日・日グラ辞典」という辞書を日本で出版すること。小さな出版社「月銭社(げっせんしゃ)」の編集者の重山朝子に、ダメ元で「グラ日・日グラ辞典」の出版を提案したところ、定年間近の重山は、退社前に意義のある本を出したいと思っていたこともあり、乗り気になってくれた。そして、社内会議でOKをもらえたところまでこぎつけたのだが、そこへ、グラゴニアが隣国に侵攻したというニュースが飛び込んでくる。

作・演出 鈴木アツト コメント
イタリア語には「Traduttore, traditore」(トラドゥットーレ・トラディトーレ)という、ことわざがある。「翻訳には誤訳がつきもの」という意味だが、直訳は「翻訳者は裏切り者」(この語は、ヴェネツィア共和国とオスマン帝国の関係の中で生まれたという説がある)。
ロシアとウクライナの戦争が起こり、「ロシア語」それ自体が悪者のようになり、ロシア語の翻訳者たちも、「裏切り者」のように扱われた時期があった。二つの言語を行き来することができる翻訳者という存在は、危機が起こると、どちらの側からも敵側にいるように見え、板挟みになってしまう。これは、古くから繰り返されてきたことなのだと思う。
本作では、翻訳者の中でも、マイナー言語の翻訳者を題材にした。遠く、馴染みの薄い、異国の物語や状況を日本語に翻訳してくれる存在が、僕らに何をもたらしてくれているのか。そのことに思いを馳せてみたかったのだ。
<プロフィール>
劇作家、演出家。東京都出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業を卒業後、2003年劇団印象-indian elephant-を旗揚げ。2014年劇団をNPO法人化(特定非営利活動法人)。2015年国際交流基金アジアセンター アジアフェローとして、タイに2ヶ月滞在。また、文化庁新進芸術家海外研修制度研修員として英国・ロンドンに10ヶ月留学。2016年、『The Bite(英訳版青鬼) 』と『グローバル・ベイビー・ファクトリー』が、ロンドンでリーディング上演される。 2019年には、ポーランド・ベンジン市のドルマーナ劇場から招聘され、『Ciuf Ciuf!(チュフ・チュフ)』(作・演出)を滞在創作した。2020年『エーリヒ・ケストナー~消された名前~』にて、初の評伝劇に挑戦し、毎日新聞に取り上げられる等、好評を博した。2021年には、国家と芸術家シリーズ第2弾『藤田嗣治-白い暗闇-』を、2022年6月、シリーズ第3弾『ジョージ・オーウェル-沈黙の声-』を、10月、シリーズ最終章となる『カレル・チャペック-水の足音-』を上演。
出演者コメント
■壮一帆
この度『みえないくに』に出演いたします、壮一帆です。
久々のストレートプレイでこの作品が持つメッセージ性や奥深さを、今の私がどこまで表現できるのか。
多少の不安はありますが、まっさらな気持ちで挑み、演出の鈴木アツトさん色にどっぷり浸かってしっかり染まっていきたいと思います。
短い公演期間ではありますが、しっかり集中してこの作品の中に根をおろして立つことができるよう頑張ります。
■岡千絵
"みえないくに"の脚本を読んでから聞こえてくる言葉、ニュース、が全て新しいものに感じます。みえないものをみようとする事を怠っていた自分やみえているものに安心し頼って生きている自分にハッとさせられる日々でもあります。作、演出の鈴木アツトさんはじめ、土居裕子さん、壮一帆さんほか、素晴らしいスタッフキャストの皆様と、この作品を作り上げて行ける事に、とても興奮しています。
■土居裕子
みえないくに。
この舞台のお話をいただいてから、世界が目まぐるしく変わっていっている気がします。どんどん加速している! 大丈夫?? 作者であり演出をなさる鈴木アツトさんは、こんな今を、どこか頭の片隅に想像していたのだろうか? すごいぞ! そんな中で、「言葉」という、人が持つ最大で最高のコミュニケーションツールを大切にしている。これもすごいな。共演のみなさんも魅力溢れる方ばかりでとても楽しみです。テーマである「言の葉」をいっぱい繁らせて、心をひとつにして、皆様に届く作品にしていきたいなと。まだ稽古前ですが漠然と考えています。

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