濱田龍臣、宮崎秋人、松田凌、鳥越裕
貴がニール・サイモン作、青春グラフ
ィティで共演! 作品への想いやお互
いの関係性をわちゃわちゃ語る

国を越え年代を越え、広く長く愛され続けている喜劇作家であるニール・サイモンの自伝的戯曲『ビロクシー・ブルース』。日本でもさまざまな出演者、さまざまな演出家で上演されてきたこの名舞台が、2023年11月、新たな息吹を吹き込まれる。
物語の舞台となるのは第二次世界大戦中のアメリカ、ミシシッピー州のビロクシー。新兵訓練所に送られてきた若者たちが繰り広げる、笑えて泣けて、胸がキュンとしつつもほろ苦い青春グラフィティとなる。
演出を手がけるのは丁寧で繊細な演出で知られる注目株、小山ゆうな。キャストは主人公のユージン(作家志望で皆の様子を日記にっている)を濱田龍臣が演じるほか、エプスタイン(博学だが虚弱体質)に宮崎秋人、カーニー(おとなしい性格で歌が好き)に松田凌、セルリッジ(自分にはユーモアがあると思い込んでいる)に鳥越裕貴、ヘネシー(炊事当番を担当、同性愛者)に木戸邑弥、ワイコフスキ(屈強過ぎる胃袋と異常性欲の持ち主)に大山真志、デイジー(ユージンの初恋の対象となる美少女)に岡本夏美、ロウィーナ(ユージンの初体験の相手となる娼婦)に小島聖、トゥーミー(新兵訓練担当の鬼軍曹)に新納慎也が扮する。
濱田、宮崎、松田、鳥越の4人が初めて顔を揃えるという貴重なタイミングで取材会が行われ、各自が作品への想いや意気込みなどをたっぷり語ってくれた。
ーーまずはそれぞれ順番に、意気込みを訊かせてください。
濱田:2020年から舞台のお仕事をいただく機会が増えていまして、今年もこれが2本目の舞台になるのですが、毎回どの作品でも自分なりに成長できる何かを得られている気がしています。今回演じさせていただくユージンは、ストーリーテラーとしての面もありますが、彼自身も葛藤を抱いていたりするので、そういう部分を舞台上で表現できるように精一杯演じたいと思っています。こうして素敵なキャストの皆様に囲んでいただきながら、約1ヶ月の稽古期間を経てしっかりと作り上げていけたらと思います。よろしくお願いします。
濱田龍臣
宮崎:濱田くんに、本当に素敵なキャストだと思ってもらえるよう、僕も精一杯頑張りたいと思います。
鳥越:今、僕もプレッシャーをものすごく感じた(笑)。
宮崎:アハハ。僕が演じるエプスタインは、今までやったことがないような役柄だったりするので、自分としては正直なところまず役作りが一番大変かなと思っています。自分自身に全くない要素が多いので。初日までたくさん足掻いて、作っていきたいです。
松田:ニール・サイモンの戯曲を同世代の俳優たちと共に演じさせていただけるという、この機会にすごく感謝しています。今回の稽古と本番でカーニーという役どころを通し、この役だからこその魅力みたいなものをしっかりと出せるように努めていきたいです。初めてご一緒する方もいらっしゃるのでそういった点でも楽しみですし、みなさんから少しでもいい俳優だなと思っていただければと思っています。
鳥越:僕が演じるセルリッジは、自分を面白いと思っているヤツでして。なんだかちょっと周りから釘を刺されているかのような感覚にもなっていますが、まさに、この僕の特性を活かせる役だなとも思っています。僕も、一応自分を面白いヤツだと思っているので、その点に関しては東宝さんからだけではなく、常日頃から釘を刺されています(笑)。そんなことも役に活かせるように頑張りたいと思います。
ーーこの4人で顔を揃えたのは今日が初めてとのことですが。共演歴などこれまでの繋がりとしては。
濱田:僕は、このお三方とも今さっきが初対面です。だから、どうしよう……と思いながらここに座っています(笑)。
ーーもしかして緊張していますか?(笑)
濱田:ちょっと緊張してます!
ーー濱田さん以外は、それぞれ付き合いが長そうですが。
松田:お互い共演経験も多いんですが、実は7年ぶりの共演だったり、会うのが何年かぶりだったりで、意外と長い期間を空けての久しぶりの共演になるんですよね。
宮崎:プライベートではよく会ってるんですけどね。
松田:はい、2日前も会ったばかりで。
鳥越:そこの2人は仲良過ぎるんだよ。しかも、かなり仲良し期間が長いよね。
松田:そうですね。それこそ裕貴、鳥越くんもそうですけど。
宮崎:昔は仲良かったんですけどね?
宮崎秋人
鳥越:そう、実はいろんなことがあって、今回ようやく再び戻ってきた感じで……って?
松田:いやいや、とんでもない。今でもみんな仲良いですよ。
ーー宮崎さんと松田さんは、デビュー当時からのお付き合いになるとか。
宮崎:養成所の同期なので。
濱田:へえ、そうなんですね。
松田:(濱田に)今、おいくつなんですか?
濱田:僕、23歳になったところです。
一同:ええ!?
鳥越:10歳も下なんや。
濱田:2000年生まれです。
松田:うわー! それなのに、この貫禄たるや(笑)。素晴らしいですね!
ーー宮崎さんと松田さんと鳥越さん、久しぶりに共演することについてはいかがですか。
鳥越:なんか、イヤーな感じですね(笑)。変な緊張感があるというか。お互い、ここまでの道のりをどう来たのかみたいなものを今回見せることになるのかも、なんてことも思いつつ。
宮崎:確かに、手放しで「やったー!」みたいな感じでは正直なかったです。もちろん、嬉しいんですけど。プレッシャーとか、妙にこっぱずかしい気持ちがあったりして。裕貴も言ってますが、ホント「この数年間で、お前ちゃんと成長したのか?」みたいな見られ方をされるんじゃないかという気もして。
松田:僕も、同じような気持ちです。だけど年齢を重ねたからこその新たな自分、みたいなものもあるでしょうし、それが演出の小山ゆうなさんにどう映り、どう演出を付けていただけるかで、さらに自分たちの新しい色が見出せていけたらとも思います。
松田凌
ーー濱田さんにとっては、こうして初共演の方が多い現場というのは。
濱田:みなさんがどういう人なのか、お芝居をどういう風にぶつけてきてくれるのかとか、楽しみが多いです。特にユージンの場合は、本当に全員と同じくらいの熱量でぶつかって対話をするシーンが多いですから。どう受け止め、自分もどうぶつけていくか、日々試行錯誤しながらの稽古期間になると思います。ぜひみなさんに仲良くしていただければいいなと思いつつ、でも今、こうやって挟まれているのが本当に僕もこっぱずかしいというか……。
鳥越:きっと、イヤだよねえ~(笑)。
濱田:いやいや、全然そんなことはないですが(笑)。
ーーみなさんが、この作品に感じている魅力、気に入っているところはどういったところですか。
宮崎:ニール・サイモン自身が若い頃に抱いていた感覚も、今の若者とまったく変わっていないんだというところ。ユージンがとにかく童貞を卒業したいということを考えていたりして、若者が抱く想いはどの時代も変わらないというか、特に男はずっとそういう生き物なんだなっていうのは感じましたね。
松田:僕も、ああいう時代背景にもかかわらず結構、笑えるところがいいなって思いました。環境や立場にしてもそうなってみないとわからないですが、でもあの状況で同年代の男の子たちが集まって、みんなでそれぞれのくだらない夢みたいなものを語り合う場面とかは、台本を読んでいて自然と笑えるシーンがとても多くて。だからこそ喜劇なんだなとも思いますし。前回、日本で上演した時に自分は観に行けなかったので、この作品を今、客席から観たらどういう気持ちになるんだろうということに、とても興味があります。ぜひ今回のお客様にも、期待して観に来ていただけたら嬉しいなと思いました。
鳥越:僕は、やはりセリフの面白さ、素敵さを感じたのと同時に、改めて考えさせられることも多々あって。今回、果たしてそういうセリフの意図をお客さんにちゃんと伝えられるだろうかというプレッシャーも、すごく感じています。喜劇ってこういうことなんだ、というのも改めて勉強になっていますし、とにかく面白いです。「そのツッコミ、自分もちゃんとできたら面白いな!」とか思いながら、ものすごく楽しく台本を読みました。
ーーツッコミ心が刺激されましたか(笑)。
鳥越:はい(笑)。それと、ユージンの恋愛のところなんか、キュンキュンしちゃって! つまみとお酒があれば、もうずっと読んでいたいくらいで。
宮崎:そう、ユージンがめちゃくちゃ可愛いんですよ。
鳥越:この、自分が最初に抱いた感覚を、しっかりと舞台でも表現したいなと思いました。
鳥越裕貴
濱田:僕は、まだ台本をざっと2回くらいしか目を通せていなくて。深いところやそれぞれのキャラクターらしさも全部拾えているわけではないんですけど、本当にワードセンスがすごいなというのは感じました。そして、みんながどういうところで暮らしていて、どういう人間かということを最初にユージンが5人分、ぶわーっとしゃべる場面があるんですが、そこで各自のキャラクターがものすごく的確に言葉として表現されているので。そういう意味では、ユージンってマジで大変な役だなと思っていて。
鳥越:ホント、そうだよね。
濱田:その最初の場面でちゃんとそれぞれのキャラクター、人間性を、この世界観の説明と共に表現できたら、そのあとに続く素敵なセリフや言葉がさらに際立ってくると思いますし。だから、なんとか最初にしっかり気張らなきゃ! と思っていたら、実は最後にも爆弾がもう一個あって、今ちょっと震えています(笑)。だけど本当にすごく素敵な台本ですから、稽古開始までもう少し時間があるので自分なりに読み込んで解釈を広げながら本読みに向かいたいなと思っています。
ーー今回の舞台で、ご自分にとって課題になりそうだと思っているところは?
松田:僕は歌じゃないですかね。英語の歌詞で歌う予定なんですが、もともと自分が歌を得意としているタイプでもないですし、英語が喋れる人でもないので、ちょっと挑戦かな、と。物語の節目となる場所で歌ったりもしますし、歌い上げるというよりもシーンの移り変わりで口ずさんだりするので、お芝居とはまた別に稽古を重ねなければと思っています。
鳥越:僕は、自分の面白さを押し殺してちょうどよくすべらないとダメ、というのが課題ですね! と、まあそれは一旦置いておくとして。セルリッジは、意外にちゃんと軍人として成功していて、それが垣間見える瞬間があるので、そこをどう演じるか。その場面のためにも、わちゃわちゃしながらも水面下で動いている人のことをどうやって見せていくかも大事かなと思っています。
宮崎:今まで僕自身、わりと骨太で健康的な役が多かったので、そういう意味でもエプスタインは真逆のタイプで。精神面でも熱血で真面目で真っ直ぐで、みたいな役が多かったんですけど、それもまた真逆というか。でも芯は一本すごく太いのが通っていて、ただ、その芯が彼の中の正義感の元になっているのかどうかが言葉だけでは見えづらいところもあるなと。それに皮肉も多いから、それを出し過ぎないように、でも隠し過ぎないように、うまいバランスで演じなきゃいけないなと思っています。また、この作品は言葉遣いがすごく上手ではあるんですがお客さんがそれを聞くだけですんなりキャッチできるかどうかというのは、小山さんと相談しながらじゃないと、とも思っていて。僕らが演じてみて小山さんにどう届くか、そしてこの作品を文字で読んだことない人にどう届くかというのは、我々の身体を通してみてじゃないとわからないところなので。変な意味じゃなく、現状の台本を信じ過ぎないようにしようかなとは思っています。
濱田:ユージンはストーリーテラーでもあるのですが、ストーリーテラーって大まかに分けると過去、現在、未来、どの立ち位置からやるかということになると思うんです。今回、僕が読んだユージンの立ち位置としては、現在進行形で、観客が観ている場面を同時に説明しているという方向性だと思うので、そのトーン感をどう出すか。これまで、未来から過去を回想しながら進めていくストーリーテラーは演じたことがあって、その場合は「こんなこともあったなあ」と思い出しながらの説明になるんですが、それが現状に起きていることを説明するとなると来てくださっているお客様との心の距離が大事になるというか、どこに自分の軸を置いていいかというライン引きが難しくて。演出と、あとは舞台美術とかとの兼ね合いにもなりそうですが、客席との距離感をどこまで近づけたり、遠ざけたりするかも、難しそうだなと思っています。
ーーそれぞれが演じるキャラクターに共感できる部分、逆に違うなと思われる部分は。
濱田:ユージンみたいに文章にして書くわけではないですが、勝手に人のことを「こんな人なんじゃないか」と想像したりすることがたまにあるので。「ハンバーガー好きなのかな」とか「どんなお酒を飲むのかな」とかくらいですけどね。人のことをそうやって勝手に想像するところは、ちょっと似てるのかなと思いました。
松田:どうなんだろう、似てる部分はあるとは思いますけど。カーニー自身には共感みたいなものはあまりないんですが。この世代の気持ちみたいなもの、ピーターパン症候群みたいな、ああいう心持ちにはすごく共感できます。役としては似てないかもしれないですが、演じているうちに「似てるね」って言われればいいなと思いますね。
鳥越:そうですね、面白い時もあれば面白くない時もあったりするところは、すごく似てるかなって。
宮崎:打率の違いはあるけど?
鳥越:打率は、まあまあ上がってきたところなんじゃないかな。彼もまだ若いんでね。
松田:じゃ、昔の自分みたいなもんだ。
鳥越:そう。いや、自分のほうがもうちょっとウケてたつもりではいる。っていう、その感覚のノリも似てるんだと思います。
(左から)鳥越裕貴、宮崎秋人、濱田龍臣、松田凌
ーー長い付き合いのお二人から見ても、似てると思いますか?
松田:人の1.5倍くらい、言葉の玉数が多いところは似てるんじゃないですか。
鳥越:当たればいいかって思うから。
松田:今回久しぶりにご一緒させてもらうんで、そういう昔から変わらない部分に嬉しさを感じたりもしています。裕貴って心根が優しくて、みんなのことを見てくれているから笑いに飛び込めるというか……って、裕貴について語る取材じゃなかった!
鳥越:なんかもう、恥ずかしくなってきた。
宮崎:そうですね、裕貴の場合は……。
鳥越:いや、僕のことはもういいから!(笑) 引き続き、自分の役との共通点を答えてよ。
宮崎:ないですね、エプスタインと似てるところは。一応僕も弱めなので、お腹を壊しがちとか、そんなところくらいしかない。あとは彼の夢が最終的にわかる部分で、僕も目上の人に対してああいう風に思ってる節はあるかな。昔、二十歳そこそこで演出家に厳しくされた時に「いつかぶん殴ってやる」と思いながらやってましたから(笑)。ホントは仲良くしてるんですけど、その演出家の方とも。
鳥越:たまに鋭く言う時もあるからね。
宮崎:確かに、思ったことをピシッと言うところもあります。慇懃無礼なところもあったりする……。あれ? ちょっと似てるかもしれない?
ーー話しているうちにちょこちょこ似た部分が出て来ましたね(笑)。また、これは友情のお話でもありますから、みなさんが友情に対して思うこと、友達になるならこんな人というのを教えてください。
鳥越:個人的には、悪いところばっかり言っている人とはあまり楽しく過ごせないかなって思います。
ーー悪口で盛り上がるタイプではない?
鳥越:それがネタで笑えることならいいんですけど。そればかりずっと聞かされていると気持ちが落ちちゃうから、そういう人はあんまり好きじゃないかなって。(濱田に)友達、どう?
濱田:リアルの友達は最近少なくなりましたけど、一緒にゲームをやる友達は増えました。くだらないことで頭をカラッポにしたまんま笑っていられる人とは今後も一緒に遊びたいなって思いますね、気を遣いたくないので。確かに悪口を言うのは嫌ですけど、ちょっと愚痴り合えるくらいの感じは欲しいです。共鳴できるところがあるといいですよね、笑いのツボや、嫌だと思うポイントが共有できると何をやっても楽しくできるように思います。
濱田龍臣
宮崎:ダメなところが「愛くるしいな」と思えたら、友達なんじゃないですか。僕の一番仲のいい友達がダメなところだらけなもので……。
ーー今、ここにいる人ですか、松田さんとか?
鳥越:気づくの、早かったですね!(笑)
宮崎:そう、すべてが愛くるしいので(笑)。友達の、そういうところに惹かれるのかなって思います。
ーー松田さんも、そうですか?(笑)
松田:ま、そうやって愛してくれる人ですかね……!(笑)
鳥越:なんだそれ、その鋭い眼光のままで言うとコワイわ(笑)。
松田:僕の場合はたまに「今、何してるかな」って思う人。たとえば地元のツレ、友達でもそうなんですけど、ずっと会えていなくても時々、顔が浮かんでくるというのがたぶんすごく大事で。そういう相手に何かがあった時は何が何でもすぐ駆けつけたいですしね。そういうのは、互いの損得でもないし利害関係でもないし。たとえ年齢が離れていても、年上の方でも年下の方でもふっと思い出せば気兼ねなく連絡できる人が友達なんだと思います。
ーーでは、この作品の登場人物の中で友達になりたいのは誰ですか?
宮崎:エプスタイン!
ーー即答ですね!
松田:確かに、仲良くなりそう。
濱田:僕も、一番仲良くできるのはエプスタインな気がします。
ーー宮崎さんは、ご自分とは真逆なのに?
宮崎:いや、すごい魅力的だなって思いますし。
松田:でも確かにツレって考えたら、エプスタインが一番信用できるよな。
宮崎:めちゃくちゃ信用できる。
宮崎秋人
鳥越:僕、圧倒的にデイジーだけどな。
宮崎:そうだなあ。でも、それが恋にならないなら。
鳥越:……なるな!(笑)。友情じゃ無理か。好きになっちゃうか。
松田:お前、トゥーミーだろ。
鳥越:え? おいおい(笑)。いや、トゥーミーかもしれない、もしかしたらな(笑)。ああいう人の隣にいたいほうだからな。
ーー怖くないんですか。
鳥越:やっぱり、どれだけうまく世渡りできるかってことのチャレンジも入ってきますからね。
松田:さすが、元スネ夫(笑)。
鳥越:はい、スネ夫としては、やっぱりトゥーミーのそばにいたいってことです(笑)。
松田:僕は……エプスタインでも誰でもいい。この作品は群像劇なんだけど、なんか僕ね、年々、群れが苦手になってて。少人数が良くて、3、4人ぐらいがベストで。いっぱい人がいると、誰が何を思ってるみたいなことを考えられなくなっちゃうくらいに、なんかもう群れが苦手で!
一同:あははははは!
鳥越:パワーワードだな!
松田:難しくないですか、集団社会って。だから会社勤めをされている方とか、ある種コミュニティをずっと守っている方々って本当に素晴らしいと思う。
鳥越:(笑)、なんのインタビューやねん。
松田:だからまあ、友達ということであればエプスタインは、すごく芯を持っているし、ツレとして付き合ってても裏切りがお互いなさそうだし。そういうのは大事ですよね。
ーー稽古、本番までに何か準備をしておこうと思っていることはありますか。
濱田:ないです! 稽古が始まってから全部作ります。基本的にキャラクターの理解をするために台本を読むこと、多少はありますけど、そんなに回数は読まないんです。今回も、稽古までにあと1回読むか読まないかくらい。家で仕事をするのが苦手なもので。
ーー現場ですべてやる。
濱田:はい。あと、自分だけで作っても結局ひとりよがりになるだけだから。自分で声を出すだけでなく、他の人の声も聞きながら何ができるのか、のほうが僕は好きなんです。
鳥越:自分は、ある程度身体を鍛えておかないとだめかなとは思っていますけど。ただ最近、余分な肉がうまく取れないのよ。取れなくない?
松田:取れないよ。
松田凌
宮崎:飲み過ぎなんだよ。
鳥越:それはそうなんだけど(笑)。そこのところが難しい。身体づくり、頑張ります!
松田:僕も、特にないですね。さっき龍臣が言っていたように、この同世代で稽古に入ってからその場の感覚を楽しめたらいいかなと思います。
宮崎:僕も身体作りですかね。ト書きに“華奢だ”と書いてあるんで、ある程度もっと落としておかないといけないな、と。
松田:でも、確かに痩せたよね!
宮崎:この舞台の話をもらってから僕、筋トレを一切していないから。脂肪を落とすより筋肉を落とすほうが難しいから、まず筋トレをやめてその期間は好きなものを食べてきたんです。あとは脂肪を落とすだけ、だから簡単です。
ーーということは、宮崎さんが最も準備をしてる人でしたね。
宮崎:僕そうでしたね(笑)。
鳥越:しれーっとして、めっちゃ準備してたやないか。悪いやつや。
宮崎:してたよ。準備なんてもんは、みんなしれーっと、やっておくもんです(笑)。
ーー本番に向けて、一番の楽しみというとなんですか?
濱田:初日と千穐楽、終わった後のビール!
鳥越:だよねー!(笑)
松田:そうだよな。
濱田:始まったー頑張ったー飲んだーうわーうまい! と。終わったー飲んだーうまい! と。
松田:裕貴は? 何が一番楽しみ?
鳥越:えー、なんだろうな。でも、このメンツが集まることってなかなかないからね。本番が来るだけで、すごい楽しみではありますけど。久しぶりだもんなあ。
鳥越裕貴
宮崎:うん。久しぶりにみんなの声を近くで聞くのが、まずは楽しみですね。
松田:僕も稽古かな。どうやって稽古していくのかが、今は一番楽しみです。
濱田:……。
宮崎:いいよ、変えても。この流れだとなんか最初に「ビール!」って言っちゃったのを後悔してそうだから(笑)。
濱田:座長だし、一番年下なのに、ヤバイですよね(笑)。
ーーみんな急に真面目だ!って(笑)。
松田:ただ、3人とも「ビール、先に取られた」って思ってるだけだから。全員思いは一緒だから。
濱田:じゃ、初日の、最初に幕が開いた瞬間の視界。幕開きの瞬間は毎日楽しみではあるんですが、特に初日は「あ、始まる!」って意識があるので好きですね。今回もすごく楽しみです!
ーーでは最後に、お客様へのメッセージをいただけますか。
鳥越:この世代の『ビロクシー・ブルース』をしっかりと届けられるように、そしてニール・サイモンさんの言葉の巧みな感じや、その言葉の中にある世界観の楽しさを精一杯届けられるように頑張ります。本当の僕は面白いんですけど、舞台上ではちょっとスベる可能性があるかもしれないということだけ、先にお伝えしておきます(笑)。
松田:この作品は、本当にそれぞれのキャラクターが輝ける作品だと思っていまして。なのでこの上演期間中に、自分たちが舞台の上で表現するきらめきのようなものを皆様にしっかりと観ていただければと思います。
宮崎:時代は第2次世界大戦の頃ではありますが、小難しそうだなと思わずに肩の力を抜いて、ただただまっすぐでおバカな青年たちがわちゃわちゃしているところをご覧いただければと思っています。ぜひ、気楽に観に来てください。
濱田:23歳になって最近は年下の方と共演する機会が増えてきたと思っていたら、今回は自分が一番年下で。それなのにこうして主演として立たせていただけるわけなので、今まで経験してきたものを引き出しから全部引っ張り出して、本気でもがきながらユージンという役に向き合っていきたいです。皆さんの演じられるキャラクターとも関係性をしっかり作って、「若い頃ってこういうことあるよね」と共感してもらえる舞台を作りたい。言葉選びが素敵だからこその、クスッと笑えるところもすごくたくさんあると思いますので、そういうところも感じていただければ幸いです。劇場でお待ちしています、よろしくお願いします!

(左から)鳥越裕貴、宮崎秋人、濱田龍臣、松田凌
■濱田龍臣
HM:白銀一太(TENT MANAGEMENT)
STY:前田順弘
衣装:インナー¥11000/VICTIM(VTM)、ジャケット¥12980・パンツ¥6930/共にCASPER JOHN(Sian PR)
その他スタイリスト私物、値段は消費税込み
■宮崎秋人
HM:野中真紀子(éclat)
STY:上田△リサ
衣装:カーディガン¥52,800/ANEI(JOYEUX TEL03-4361-4464)
■松田凌
HM:西村裕司(earch)
STY:ヨシダミホ
■鳥越裕貴
HM:GLEAM
STY:金野春奈
衣装協力:EKCOOKIES

取材・文=田中里津子   撮影=池上夢貢

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