歌劇少女たちの青春スポ根ストーリー
舞台『かげきしょうじょ!!』が開幕
『かげきしょうじょ!!』の原作は、斉木久美子が白泉社「MELODY」にて連載中で、2021年にはTVアニメ化も果たした青春スポ根ミュージカル漫画。
女性のみで構成される“紅華歌劇団”の人材育成を目的とした紅華歌劇音楽学校を舞台に、“第100期生”である10代の少女たちが未来のスターを目指してひたむきに奮闘・葛藤する姿を描く。
“第100期生”の委員長・杉本紗和役を佐藤日向。紅華歌劇団家系のサラブレッド・星野薫役を新谷姫加。高い歌唱力を持ちながらも自分に自信がない内気な少女・山田彩子役を佐々木李子。
姉妹揃って入学した双子の姉・沢田千夏役を高橋果鈴。双子の妹・沢田千秋役を和泉風花。愛の指導を担当する“第99期生”の先輩・野島聖役を青山なぎさ。さらさの指導を担当する先輩・中山リサ役を石井陽菜。第99期生の委員長・竹井朋美役を深沢萌華が演じる。
狭き門を通過した100期生の少女達が登場すると、アニメ版でも使用されている楽曲「星のオーケストラ」にあわせて、それぞれの特徴を印象付ける様なダンスでオープニングを飾った。
本作では、『かげきしょうじょ!!』のテーマである“ミュージカル”のエッセンスが要所に盛り込まれており、99期生の指導のもと100期生が掃除に励むシーンでは、まるでニューヨーク・オフ・ブロードウェイのロングラン公演「STOMP」を彷彿とさせるような、ホウキやバケツといった掃除道具を使ったパフォーマンスを見せる。
本舞台では、このシーンのほかにも、さらさの“アニメ好き”という設定を強めて、アニメパロディネタが随所に取り込まれているのも印象的だ。
本作で最も“2.5次元”的なキャラクターは、“オスカル様に憧れる天真爛漫な長身少女”のさらさだが、演じる志田は共演者から「ナチュラルボーンさらさ」と評されるほど。
実際の志田はさらさよりも身長が低いが、スラリと伸びた手足から受ける印象はさらさそのもの。そして大きな瞳と、その身に纏ったオーラが天真爛漫さを体現しており、学校生活で一喜一憂する彼女を見ているだけで観客を飽きさせない、目が離せない存在となっていた。
愛役の二瓶は、囲み取材で「今まで人に見せてこなかった“陰の部分”を、愛ちゃんを通じて出せるようになった」と語っていたが、“能面”と揶揄されるほどの無表情に隠された感情を見事に表現。特に“負の感情”での愛とのシンクロを強く感じ、怒りや悲しみを爆発させるシーンが印象深い。
しかし、舞台経験豊富な佐藤だからこそ醸し出る安定感が、100期生達の頼れる存在であることに説得力を持たせており、全編を通して彼女たちをリードする働きを見せていた。時折見せる“紅華オタク”な一面も非常に愛らしい。
その屈指の名場面が、今まさに佐々木の生の芝居と歌声で表現され、客席から拍手が巻き起こった。
最後には、エンディング「星の旅人」が流れてキャスト総出で華麗にパフォーマンスし、幕は下りた。
私は4年ぶりとなる2回目の舞台出演で、初めての座長だったのですが、みんなに支えてもらって、本当に紅華歌劇音楽学校の少女達のようにお互い切磋琢磨して過ごした、長い長い1ヵ月間の稽古でした。
この1ヵ月、原作漫画とアニメをリスペクトしつつ、自分なりの感性で、舞台ならではの“生きている人間らしさ”を突き詰めてお稽古してきました。
いざ本番を迎えて、お客様の前で、稽古通りにできるだろうかという不安もありますが、そのリアルな感情も乗せてお芝居していきたいと思っています。
稽古期間で培われた私達カンパニーの絆や空気感を、皆様と一緒に共有できたら嬉しいです。劇場でお待ちしております。
音々ちゃんは「みんなに助けられた」って言ってますけど、私自身は音々ちゃんの“ナチュラルボーンさらさ”な明るさにいつも救われていました。
自分と愛ちゃんは最初一致するところが全然なくてすごく不安に感じていましたが、稽古を続けているうちに、今まで人に見せてこなかった“陰の部分”を、愛ちゃんを通じて出せるようになりました。今回私の新たな一面をお見せできるんじゃないかと思っています。
千秋楽までカンパニーみんなで力を合わせて突っ走っていきますので、よろしくお願いします。
首席合格だからできて当然だと思われているんでしょうけど、私もあまり褒められない人生だったので、そういう部分を共感しながら「一緒に頑張ろうね!」という気持ちです。
あと、今回の髪型はウィッグではなく自分で地毛を結んでいるんですが、メイクのときにいつも「紗和も毎朝こうやって髪を結んでいるのかな」と、彼女とのリンクを感じています。
舞台という形で立体的に表現された紅華の世界を、皆さんも先生や生徒になった気持ちで見てもらえたらと思います。よろしくお願いします。
私は彩子ちゃんと同じで歌も大好きなんですが、心を開くのが苦手で外から見守る側になってしまうところも似ていて。
実際、お稽古始まってからもちょっと緊張しながらみんなの輪を眺めていたのですが、みんながすごく優しく迎えてくれたので、よりリアルに彩子ちゃんの気持ちを感じることができました。
お稽古の時も、毎回すごく役に感情移入していたので、本番でも彩子ちゃんの気持ちになって大切に演じていきたいです。
これで完成じゃなく、毎日毎日進化し続ける舞台『かげきしょうじょ!!』にしていきたいと思っております。
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