『刀剣乱舞』『キングダム』など舞台
で活躍する高野洸が見せるミュージシ
ャンとしての表情「自分のやりたい音
楽を探している気がする」

ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズで膝丸役、舞台『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』シリーズでは山田一郎役をつとめ、2023年には舞台『キングダム』で主人公・信を演じるなど、俳優としての存在感が際立つ高野洸。そんな彼がまた違った表情を見せてくれるのが、音楽活動である。10月13日(金)から、CDデビュー5周年を記念したライブツアー『高野洸5th Anniversary Live Tour「mile」〜1stmile〜』をスタートさせる。9公演のなかで、ミュージシャンとしてどのようにステップアップするのか。そして何を見つけ出すのか。高野に話を訊いた。
高野洸
――2023年6月にリリースされた7thシングル「zOne」は5周年イヤーの象徴的楽曲だと感じました。高野さんは10代前半の頃からテレビ番組などで活躍されていらっしゃいましたし、私たちは「順風満帆」というふうに思っていたので、同曲で「不安」が歌われていたことは意外に思えました。
確かにいろんな不安を抱えながらここまでやってきました。でも舞台作品でも、本番前はいろいろ不安や緊張はあるけど、舞台上で照明を浴びるとそれがなくなるんです。「zOne」ではそういう体験をもとに、恐れがなくなった「ゾーン状態」のことを歌いました。強い敵にどのように立ち向かうのか、という気持ちの強さをあらわしたんです。
――ソロでの音楽活動をスタートさせたときは、心境はいかがでしたか。
特に1回目のライブツアー『ENTER』(2021年)は何もかもが初めてのことが多くて、ひとりで歌って、踊ることの大変さをずっと感じていました。あの時はまさにステージに立っても不安が抜けなかったんです。歌がブレているように感じて「やばい」とさらに不安が広がったり……。でも改めて映像を見直すと、舞台上で感じていたほどではなかったんです。「そこまで不安に思うことはなかったな、もっと自信を持ってやろう」と前向きになりました。自信を持って、そこに立つことの大切さに気づきました。
高野洸
――今回のツアータイトルは『mile』ですが、これまでのいろんな経験や活動の長さはどのように生かされますか。
今までやってきた経験値が減るということはないはず。必ず積み重なっていくもの。そして、それがうまく混ざり合ったときに成長できると思っています。たとえば『mile』に関して言えば、演出面。1回目のツアー『ENTER』、2回目『AT CITY』(2022年)は演出家の方にお任せしていたんですけど、今回は100パーセント、自分が演出に携わることになりました。すべての楽曲の世界観を理解しているのは、やはり自分なので。そこで、これまで貯めてきた経験値を反映したいです。5周年だからこそ見ることができるものを演出できたら良いなと。
――なるほど。
あと、『mile』ではアーティストとしての自分を探しにいきたい気持ちがあります。これまでいろんなジャンルの音楽をやってきましたし、ライブの演出でも芝居と融合させて演劇っぽいことをやったりしてきました。さまざまな経験をもとに、より明確に自分のシルエットを見つけたいです。
――確かに「探す」といった意味合いの言葉や表現は、高野さんの作詞曲にも何度か出てきていますよね。「In the shade」(2020年)、「tiny lady」「Memory of Sunset」「モノクロページ」(2021年)、「ASAP」「slow game life feat.Bimi」「鶴」(2022年)、「zOne」などなど。「なにかを探したい」「見つけ出したい」という願望が楽曲にあらわれている気がします。
「なにかを見つけたい」という気持ちは強くあるかもしれません。実際にロールプレイングゲームが好きで、ずっと宝を探したりしていますから(笑)。楽曲のジャンルとしてはまさに「自分のやりたい音楽はどれなんだろう」と探している気がしていて。その点で「zOne」はすごくしっくりきた曲でした。
高野洸
――ロールプレイングゲームがお好きなこともそうですけど、なにかを見つけるためにはどこかの「場所」へ行かなければなりませんよね。今回の『mile』というタイトルもそうですし、これまでのインタビュー記事でも地元・久留米の話とか、あと出演されていらっしゃったYouTube番組『オガッタ!?』ではいろんなところへ旅に出ていらっしゃいましたし。「どこかへ行くこと」「場所」は高野さんの活動の上ですごく重要な気がします。
今、お話を聞いていて気付いたことがあるのですが、自分は空間を大切にしているのかもしれません。うまく言葉にはできませんが、その土地、その場所の空間をどう捉えるか。それが、いろんなところへ足を運んでいる要因なのかなと。物理的な「場所」という意味でも、あと音楽や俳優など仕事のジャンル的な意味でも。
――ミュージシャンとしての達成地点はどこにあると思いますか。
一番は、みんなが歌えるような曲を作ること。誰もが口ずさめる曲をひとつでも出したいですし、それを機にライブに来てもらえたら嬉しいです。そして誰もが「高野洸の曲が聴きたい」と思うような、そんなアーティストを目指したいです。
高野洸
取材・文=田辺ユウキ 撮影=高村直希

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