【この2.5次元がすごい】キャラクタ
ーの高い再現性に感動、熱いバトルも
楽しい「『チェンソーマン』ザ・ステ
ージ」

 2018年に連載がはじまり、今ではコミックス累計発行部数2600万部を突破する人気作が「チェンソーマン」です。親の借金を返済するために、チェンソーの悪魔であるポチタと契約していたデンジが主人公。ある日、残虐な悪魔に襲われたデンジだったが、ポチタと新たに契約し悪魔の心臓をもつチェンソーマンとして蘇る……ダークヒーローを描く作品で、アニメ化も大きな話題になりました。そして現在公演中なのが「『チェンソーマン』ザ・ステージ」です。デンジを中心に魅力的なキャラクターも多く、激しいバトルシーンも特徴のこの作品を舞台の上でどのように表現されているのでしょうか。
魅力的なキャラクターの高い再現性に感動
(c)藤本タツキ/集英社・「チェンソーマン」ザ・ステージ製作委員会 デンジがポチタとデビルハンターをしながら生活しているシーンから物語ははじまります。親の借金や周囲の大人たちからの裏切りなど、取り巻く生活は厳しく、パンにジャムを塗って食べる生活への憧れを語るシーンなどは大人として胸が痛くなりました。そんな境遇でも明るく前を向くデンジを演じるのは土屋直武さん。ポチタと2人だった世界が徐々に広がり、成長していく姿をうまく演じていました。キャラクターに対して「なんていい子」と思うようになると、自分がすっかり年を重ねてしまったと気付かされてしまいますね。とはいえ、そんな大人の心も熱くしてくれるのが観劇の魅力のひとつです。
 デンジとともに公安のデビルハンターとして戦う仲間に、梅津瑞樹さん演じる早川アキ、甲田まひるさん演じるパワーがいます。デンジとパワーはアキの家に居候をするのですが、3人のやりとりは原作でも人気のシーン。生活能力のないデンジと、魔人であり一般常識に欠けているパワーが、アキを振り回していくのですが、舞台でもテンポ良くコミカルに表現されていました。楽しく大好きな場面のひとつです。甲田さんは今回が初舞台。パワーの名前通りのパワフルな言動や、こちらも笑顔になってしまうキュートな表情が印象的でうまくハマっていました。どのキャラクターも再現性が高く、「チェンソーマン」の世界を引っ張ってくれます。
「チェンソーマン」の世界にどっぷり浸れる
 梅津さんは初日前日会見で「とにかく演劇的表現がものすごくいっぱい詰まっていて、ということはキャスト・スタッフが色々なものを表現しているので、怪我がないように最後まで走り抜けることだけを胸に頑張りたいと思っております」とコメントしていました。まさにそれを体感できるのがバトルシーンです。高さのあるセット、照明、映像、音と様々な要素が混ざり合いとにかく立体的に表現されています。
(c)藤本タツキ/集英社・「チェンソーマン」ザ・ステージ製作委員会 チェンソーマンに変身した姿は夛田将秀さんと仲宗根豊さんが担当。ダークヒーローらしい戦い方は、怖さもありますが、目が離せません。たとえば血しぶきを赤いレーザーで表現しているのですが、演技を核として、テクノロジーがそれをサポートするような見せ方なのでより熱量を感じられるような気がしました。「チェンソーマン」の世界にどっぷりと浸り、あっという間の3時間。「『チェンソーマン』ザ・ステージ」は10月1日まで天王洲 銀河劇場で、その後10月6~9日に京都劇場にて上演です。

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