JUNNA、「今後もいろんな夢を見て突
き進んでいきたい」ツアーファイナル
Zepp Diver City(TOKYO)公演にみた鮮
やかな未来

「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」 2023.07.19(wed) Zepp Diver City(TOKYO)
威風堂々たるバンドサウンドのなか、大きなフラッグを掲げてステージに登場したJUNNA。1曲目の「革命のメロディ」を伸びやかな歌声で歌い始めると、ビートが重なり、レーザーや照明での演出も加わって、凄まじい熱量を放出していく。7月6日の愛知公演を皮切りにスタートした「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」のファイナルとなる東京公演。7月19日、Zepp Diver City(TOKYO)公演が「千秋楽!熱く盛り上がっていくよー!」という彼女の言葉とともにスタートした。続く「REVOLUTION」ではJUNNAが客席へとマイクを向けると、オーディエンスが大合唱を響かせる。彼女にとってお客さんの声出しが解禁された状態でのツアーは4年半ぶり。返ってきた歌声にJUNNAは嬉しそうに笑顔を見せ〈誰も置いていかないよ〉という歌詞の通り、ヘヴィなロックサウンドの中で全員を音楽の渦に巻き込んでいく。事前の取材でも語ってくれていた通り、「みんなで楽しむ」ライブへの覚悟と情熱が、ひしひしと感じ取れた。そして「今日はツアーの最終日だけど、次に繋がる何かがみんなと作れるんじゃないかなと思います」と宣誓しつつ、「私はもう大学が夏休みなんです〜」なんてフレンドリーに話す姿も。「4年生なので最後の夏休みです。もし卒業できなかったら来年も『夏休みなんです〜』って言ってる私が登場するかもしれませんけど!」と言ってみんなを笑わせた。
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」

ステージ左右に設置されたお立ち台も使いこなしながら高揚感いっぱいに届けた「振レバ、雨傘。」、グルーヴィーな曲調にヴァイオリンの音色も印象的な「曖昧な2人」、優しい心情をじっくりと聴かせる「春の夢」と、デビュー5周年記念3rdフルアルバム『Dear』の曲順通りに披露し、今回のツアーならではのハイライトを作った序盤。アルバム制作時からライブを意識して曲順も考えていたと語り「アルバムを作ってライブでみんなに届けて完成だと思ってる」と、その想いを伝えた。会場が揺れるほどの更なる熱狂を生んだのは「風の音さえ聞こえない」で、その歌声とパフォーマンスにはいつもJUNNAのなかにあるロック闘志のような何かを感じるのだが、それは闘争心とは少し違う。聴いてくれているみんなを守って包み込むような強い気持ちなんだと思った。続く「あやまち」は彼女が作詞作曲を手がけた切ない恋心を歌った1曲で、アコースティック・ギターとバイオリンの音色とともに歌い上げるなど、豊かな表現力で魅了していく。
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」
いつもツアーでは何かに挑戦する姿を見せてくれているJUNNAだが、今回の見どころは「THE END」での椅子を使ったダンス・パフォーマンス。ブルーのセットアップが素敵な衣装もマッチして、華やかでどこかミステリアスな曲の世界観を大人っぽくクールに届けた。曲が終わると「ダンスの先生にたくさん鍛えられて踊りきりました!」と嬉しそう。曲ではプロフェッショナルに魅了し、MCでは素の愛らしさで和ませる、それがJUNNAというアーティストだ。中盤ではシリアスに胸に迫る世界観を持つ「Dear」「Sky」「Here」の、TVアニメ『魔法使いの嫁』シリーズのテーマ曲を3曲続けて披露していく。この曲たちも「JUNNAの歴史に欠かせない曲」として今回のセットリストにラインナップされたもの。「だんだん楽曲が難しくなっていくなと思いながら歌っていました」と語っていたが、JUNNAが歌うことで、曲はよりドラマチックに色彩を帯びていく。
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」
そして終盤には今回のツアーのために用意された「Dear...…スペシャルメドレー」が、バンドメンバー紹介などもまじえながら披露された。2017年の6月にリリースされた1stミニアルバムのタイトル曲「Vai! Ya! Vai!」、「紅く、絶望の花。」「我は小説よりも奇なり」といった、これまでの活動を彩ってきた楽曲たちや、ワルキューレの「いけないボーダーライン」など、約20分の盛りだくさんな内容である。歌い終えると「5周年を越え、6周年に向かっていくとき、私はどんどん前に進んでいくんだという気持ちを込めてメドレーを作っていたらこんなに!メドレーと呼んでいいのかフルコーラスも2曲(笑)」と語った。そして声出しが解禁となった今回のツアーではMCでファンとのコミュニケーションもたくさん取っていた。客席を見渡して「はい、じゃああなた、何か喋って!」などと振ると「JUNNAちゃんのことを知ってから毎日がとても楽しいです!」という声が返ってきたりと、終始ハッピーなムード。そうしたワンシーンも全部込みでこのツアーの思い出になる。「こうしてツアーをするたびに私はみんながいないと歌う意味がないという想いがどんどん募っていきます。みんなありがとう、またどこかで会いましょう」と披露された本編ラストは極上のバラード「星座」。壮大なメロディをJUNNAが豊かな声量で紡ぐと〈名も無い星座でいましょう〉というフレーズがキラリと輝く。ライブが終わればまた別々の日常が始まるけれど、離れていても私たちは繋がっている、そんなメッセージを最後にしっかりと心に残して彼女はステージを去った。
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」
 「アンコールありがとう!ここだよー!」と、突如、JUNNAが客席フロアの中央から登場したアンコール。そのまま「We are」を客席通路を歩き回りながら歌うという、今回のツアーにはこんなサプライズも用意されていた。ダッシュで2階まで来てくれるなど、観客への想いが詰まった渾身のパフォーマンス。再びステージに戻ると、最後にこんなMCをした。
「私はこれまで取材などで聞かれても具体的な夢を言うのが怖かったんです。えられなかったらどうしようって思っていたから。でもそれはきっとみんなも同じですよね、私も夢を叶えるために今後は自分の夢をちゃんと言っていこうと思っています。みんなに協力してもらうこともあるかもしれないし、私も泥臭いところもある人間です、そういう部分も含めて、一緒に歩いてくれたら。今後もいろんな夢を見て突き進んでいけたらいいなと思うので皆さん宜しくお願いします」
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」
大きな拍手のなか、「太陽の航路」を披露。明るい未来を感じさせるようなこの曲と、ダブルアンコールでギターで弾き語った「CONTRAST」まで余韻たっぷりに、このツアーを締めくくった。11月5日にはトリオ編成でのスペシャル・ライブ「JUNNA Birthday Live 2023 〜Trio de純喫茶〜」が開催されることも発表され、たくさんのワクワクと大きな幸福感を生み出した今回のツアーを経て、JUNNAのこれからの歩みがますます楽しみに。まだ語られていない彼女の夢こそが、これから叶えられるべき鮮やかな未来だ。

取材・文=上野三樹
「JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 〜Dear...〜」

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