「〜HOPE〜みんなの想いを"キボウ"の
花火に乗せて!!」をテーマに開催さ
れた『第35回 なにわ淀川花火大会』
に響く、4年ぶりの大歓声

8月5日(日)に『第35回 なにわ淀川花火大会』が行われた。カンカン照りの晴天に入道雲が浮かぶ真夏の芝生の上で、時折吹く川の冷たい風が心地よい。昨年に比べると浴衣を着ている人が圧倒的に多く、17時の開場から1時間前の16時時点でさえ、会場までの道は小股でしか前に進めないというお祭りムードが漂う。昨年は待ちに待った3年ぶりの開催となったが、新型コロナ感染対策として飲食時以外のマスク着用と大きな声だしの禁止が呼びかけられ、屋台でのアルコール飲料の販売も規制。制限だらけの前回を無事乗り越えた今年は、マスクも歓声もアルコール類の販売も一気に解禁となり、開放感のある本来の花火大会が戻ってきた。さらにイープラスエリアではFM802の飯室大吾によるDJブースや、スーパーボールすくいなどのアクティビティも復活。そこで今回はイープラスエリア来場者を対象に浴衣スナップを実施した。エリア内のDJブースが復活したことから、今年のテーマ「みんなの想いを"キボウ"の花火に乗せて!!」になぞらえて「花火大会でキボウする聴きたい曲」も併せて訊いてみた。
まず1組目は「ブラジルの生地で作ってもらった」という浴衣を着た兄弟。ちょっと恥ずかしがり屋な兄弟は、普段から聴いているスガ シカオの「Progress」が会場でも聴きたいそうだ。
涼しげな雰囲気の8歳と9歳の娘さんとお母さん。お揃いのバッグがかわいらしい3人が花火と共に聴きたい曲は、YOASOBIの「祝福」。
20歳になったばかりという大学生カップルのふたりは、アイビーカラー「夏の終わり」とDAOKO米津玄師「打上花火」と、比較的最近の曲をセレクトしてくれた。
手でハートを作ってくれたふたりは、なんと3世代9人と大所帯の家族で、毎年欠かさず来ているそうだ。セレクトしたのはサザンオールスターズの「TSUNAMI」と渋めの選曲。
シックな浴衣に身を包んだ彼女は、打ち上げ花火のエモさが残るindigo la Endの「夏夜のマジック」を、そんな彼女に終始ちょっかいをかけ続けていた彼氏は、定番曲であるaikoの「花火」をセレクト。
aikoはさすがの人気で、茶色の帯で統一性を持たせていたカップルの彼氏は「花火」を挙げていた。彼女も定番曲のWhiteberryの「夏祭り」を。
飯室大吾
この話のすぐあと、DJブースからJITTERIN'JINNオリジナルの「夏祭り」が聞こえてきた。FM802DJの飯室大吾による1990年代縛りメドレーが会場内の高揚感を高めていく。
さらにaikoの「花火」を挙げた夫婦。「来場前に去年のレポートを見ました」と編集チームに嬉しい話もしてくれた奥さんが選んだのは、大塚愛の「金魚花火」!
大塚愛ももう一組もセレクト。姉妹のふたりは、ドーンという音が入る「プラネタリウム」が花火大会で聴きたいそうだ。今回協力してくれた8組の楽曲を集めてSpotifyのプレイリストにしてみた。どれも夏を感じられる曲ばかりで、花火に思いを馳せながら聴いてみてほしい。
スーパーボールすくいやお菓子の掴み取りで遊び、冷やしうどんや唐揚げ、かき氷でお腹を満たしていざ本番へ!
今回は「〜HOPE〜みんなの想いを"キボウ"の花火に乗せて!!」をテーマに、「起」望、「祈」望、「喜」望、「輝」望、「希」望の5つの「キボウ」にのせて花火が打ち上げられる。オープニングは「起」望から。毎年恒例のロッシーニ「ウィリアム・テル序曲」のシンバルと共に特大花火が空一面に咲いていく。声出しが解禁されているため、会場一帯に去年は聞けなかった歓声が響き渡る。
DREAMS COME TRUE 「その先へ」やONE OK ROCK 「Wonder」、milet✕Aimer✕幾田りら 「おもかげ produced by Vaundy」、MISIA 「君の願いが世界を輝かす」、安室奈美恵 「Hope」など、担当煙火師の思いが詰まった選曲とともに、カラフルで華やかな花火が眼前いっぱいに広がっていく。土星や蝶の形をしたもの、線香花火のようなものなど種類も豊富で「次は何が来るんだろう」とワクワクする。
ランダムに分散したり、柳のように余韻を残しながら垂れてたりする変化球には、歓声も一際大きくなる。打ち上げ場所と自分たちがいる場所が近いため、小さい子どもたちが「こっちにくる!」と逃げ出したり受け止める準備をしたりしていたのも印象的だった。
『なにわ淀川花火大会』の目玉、水上花火も見事で、色が反射した水面までが美しい。イープラスエリアではVIP席やサマーベッドエリアなど、淀川に一番近い席ではこの魅力を堪能できる。そこでしか経験できない一期一会の芸術空間を経験してほしい。
編集がスマートフォンで撮影
前方には撮影エリアも設置されていて、約20台の三脚がずらりと並んでいた。二台乗せできる三脚を使い、一眼レフで写真、スマートフォンで動画を撮るケースが多い様子。花火の撮影は難しいが、何にも邪魔されない絶好の場所で練習してみるのもよさそうだ。
「音楽の抑揚に合わせたドラマチックな演出」が売りではあるが、曲間で静化になったタイミングで「ヒュー……ドーン!」と天に昇っていく光の線を見上げていく、昔ながらの花火も風情があっていい。
カラフルな種類が多い中で個人的に一番感動したのは、赤や青、緑など一色で統一された日本らしさを感じられる花火。すぐそこに梅田の街並みが広がり、満員電車が通っているけれど、水辺特有の涼しい風も感じられ都会の喧騒を忘れさせてくれる共存は、『なにわ淀川花火大会』ならでは。
フィナーレはエルガー「威風堂々」とともに、ここぞとばかりの大迫力の花火が全身を包み込む。打ち上げ後は自然と拍手が沸き上がり、「こんなに近いと思わんかった!」、「遠くの穴場スポットから観るのと全然ちゃう!」と興奮する声があちこちから聞こえてきた。
4年ぶりに完全復活した『なにわ淀川花火大会』。浴衣スナップ撮影時のインタビューでは「電子チケットの分配がしやすい」、「猛暑の中フリーエリアで子供が長時間待つのは厳しい」、「去年も有料席で鑑賞し、快適だったからリピートしている」「JR塚本駅側の入り口すぐなのがありがたい」、「場所取りしなくてもいい指定席を希望していた」という理由から、イープラスエリアを選んだという声も届いている。来年は快適な環境で大切な人と目の前いっぱいに広がる花火を是非、あなたにも体感してほしい。
取材・文=川井美波(SPICE編集部) 撮影=高村直希

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