8月15日@SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

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矢井田 瞳、
“ピアノとハーモニカと歌”で奏でた
全国ツアーが終幕

シンガーソングライターの矢井田 瞳が、“ヤイコの日”の8月15日(火)、全国アコースティックツアー『矢井田 瞳~Acoustic Tour 2023~ピアノとハーモニカと~』の追加公演『矢井田 瞳「ヤイコの日」2023 ~ピアノとハーモニカと~』を、東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで開催した。

7月の大阪・なんばHatch公演を皮切りに、8月12日(土)宮城・仙台darwin公演まで全国8ヶ所で開催された今回のツアー。
最新アルバム『オールライト』の楽曲を中心に歴代の代表曲を交えて、“ピアノとハーモニカ”による特別な編成で行なわれた。

ツアー開催前に矢井田は、“最新アルバム『オールライト』の楽曲やこれまでの曲も、新たなアプローチで色んな世界観を表現したいと思っています。お互いの「信頼関係」や「呼吸」が大切な編成だからこその“躍動感”を楽しんでいただけたら幸いです”とコメント。その言葉通り、プレイヤーの息遣いや躍動感、そして、表情豊かな歌をたっぷりと味わえるステージが繰り広げられた。

最初に登場したのは、ピアニストの河野圭、ハーモニカ奏者の倉井夏樹。続いて矢井田 瞳が姿を見せると、客席から大きな拍手が巻き起こる。抒情的なハーモニカ音色、美しいピアノの旋律とともに奏でられた最初の曲は、アルバム『オールライト』のタイトル曲「オールライト」。“苦しみ、痛みを抱きしめて生きていこう”という思いを込めた歌が広がり、瞬く間に観客の心を惹きつける。
8月15日@SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

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続く「地平線と君と僕」では矢井田のアコギを交えたオーガニックなアンサンブルが響き、ピアノとハーモニカのセッション、“久しぶりの声出しOKのライブということで。みなさんの声を聞かせてください!”という言葉に導かれた「Everybody needs a smile」では心地よい一体感が出現。3人のミュージシャンの音と歌、そして、観客の手拍子と声がナチュラルに交じり合っていく。

“ピアノとハーモニカと私という編成で全国各地を回ってきましたが、今日は泣いても笑っても最後の千秋楽。いろんな思いを抱えて、此処にたどり着いてくれてありがとうございます。楽しい夏の夜にしましょう!”という挨拶の後は、アルバム『オールライト』の収録曲が次々と披露された。

伸びやかなヴォーカルと《温かいハート 溶かして行こう 空へ》という大らかな歌詞が共鳴する「さらりさら」。河野によるジャズのテイストを交えたソロ演奏から始まり、鋭利で奥深いグルーヴにつながった「オンナジコトノクリカエシ」。
矢井田が演奏するタンドラムのエキゾチックな音色、孤独に向き合う姿を描いた歌が溶け合う「shadow/alone」。

そして、“言葉に捉われ過ぎず、その向こうにある可能性を信じるって大事だなと思いながら書いた曲です”という言葉とともに、アコギの弾き語りで披露された「speechless」。アルバム『オールライト』は前作『Sharing』(2020/10/14)リリース後、コロナ禍のなか、約2年間をかけてじっくりと自身と向き合いながら制作された作品。普遍的なメッセージと多彩な音楽性を共存させたこのアルバムの魅力をじっくり味わえたことも、今回のツアーの大きな意義だったと思う。豊潤なフレーズで矢井田のボーカルを支える河野、何種類ものハーモニカとエフェクターを組み合わせながら、幅広い音色で楽曲に彩りを与える倉井の演奏も素晴らしい。
8月15日@SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

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音数を抑えたシンプルなアレンジ、切なくも愛らしいメロディライン、“恋の病”をテーマにした歌詞が一つになった「LOVESiCK」からライブは後半へ。ボイスパーカッションを交えた倉井のパフォーマンスから始まった「Not Still Over」では、河野とともにツアーを支えたピアニストの鶴谷崇がスペシャルゲストとして登場。高校時代のクラスメイトだったという河野と鶴谷が連弾を披露し、ラテンの匂いが漂うこの曲の世界観を際立たせた。

続いて放たれたのは、「Look Back Again」。高揚感たっぷりのサウンドに導かれ、観客も総立ち。“Yeah!Yeah!Yeah!”の大合唱が響き渡った。代表曲「My Sweet Darlin’」で心地いい解放感を生み出した後は、「デビュー23周年を迎えました。感謝をいっぱい込めて、この曲を歌いたいと思います」というMCに導かれた「Life’s like a love song」。《貴方の想い 歌ってゆこう》というライン、《La La La...》のシンガロングが会場を包み込み、豊かな感動へと結びついた。

“素晴らしい千秋楽になりました。みなさんのおかげです。ありがとうございます”という感謝の言葉と一緒に演奏されたアンコールの1曲目は、「一人ジェンガ」。“会いたいけど、会えない”というフラジャイルな心境を歌った楽曲をオーディエンスと共有し、ステージと客席の距離がさらに近づいていく。最後はアルバム『オールライト』収録曲「駒沢公園」。“未来の可能性に蓋をせず、どんどん進んでいってほしい”という思いを込めた歌が広がり、ライブはエンディングへ。オーディエンスに丁寧に挨拶する、名残惜しそうな矢井田の姿も心に残った。
8月15日@SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

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終演後には各種音楽配信サービスでセットリストのプレイリストが公開。またこの日のライブの模様は9/30にU-NEXTにて独占ライブ配信される。さらに11月には東京・神戸を巡るプラネタリウムツアー『LIVE in the DARK tour w/矢井田 瞳』の開催も決定。MCのなかで“曲作りも順調に進んでいるので、近々、新しい曲をお届けできると思います”と笑顔で語った矢井田 瞳。デビュー24年目を迎えた彼女の“今”をぜひ体感してほしい。

Photo by スエヨシリョウタ
Text by 森 朋之

【バンドメンバー】
Piano. 河野 圭、Harmonica 倉井夏樹
*スペシャルゲスト:Piano. 鶴谷 崇

【セットリスト】 
1.オールライト
2.地平線と君と僕
3.Everybody needs a smile
4.さらりさら
5.モノクロレター
6.オンナジコトノクリカエシ
7.shadow/alone
8.speechless
9.fast car
10.ゆらゆら
11.LOVESiCK
12.Not Still Over
13.Look Back Again
14.My Sweet Darlin'
15.Life's like a love song
16.一人ジェンガ
17.駒沢公園

【U-NEXT『矢井田 瞳「ヤイコの日」2023 〜ピアノとハーモニカと〜』独占ライブ配信】

ライブ配信:2023年9月30日(土)20:00〜
https://video.unext.jp/livedetail/LIV0000002682

【ライブ情報】

■『LIVE in the DARK tour w/矢井田 瞳』
11月02日(木) 東京・コニカミノルタプラネタリウム天空 in東京スカイツリータウン(R)
1st Stage 開場18:00 / 開演18:30
2nd Stage 開場20:00 / 開演20:30

11月10日(金) 兵庫・バンドー神戸青少年科学館ドームシアター(プラネタリウム)
開場19:00 / 開演19:30
11月11日(土) 兵庫・バンドー神戸青少年科学館ドームシアター(プラネタリウム)
開場(14:30 / 開演15:00

■『GO OUT CAMP 関西 vol.9』
9月02日(土) 京都・府民の森ひよし

■『寄港Vol.3 矢井田 瞳×peridots』
9月15日(金) 東京・西永福JAM

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