「ぼっち・ざ・ろっく!」が舞台に!
“結束バンド” キャスト4名と演出
・山崎彬(悪い芝居)に聞く、生歌唱
×生演奏のLIVE STAGEの見どころは

LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」が、2023年8月11日(金)~8月20日(日)に、新宿・THEATER MILANO-Zaで上演される。本作は、はまじあき原作(芳文社『まんがタイムきららMAX』連載中)で、音楽シーンにも大反響を巻き起こした「ぼっち・ざ・ろっく!」の舞台化作品。極度の人見知りで“陰キャ”だが凄腕のギター演奏配信者としての側面も持つ後藤ひとり(ぼっち)が、とあるきっかけでガールズバンドに加わることになり、バンド活動を通じてさまざまなことを経験し成長していくストーリー。
舞台のメインキャストである“結束バンド”のメンバー役は全員楽器の経験者であり、ベーシストの長島涼平が演奏指導、UNLIMITSの清水葉子が歌唱指導に入るなど、本格的な“ライブ演奏”にも力を入れている。脚本・演出は、原作付きの2.5次元舞台作品では舞台『ヴァニタスの手記』、『HUNTER✕HUNTER』THE STAGE、舞台『リコリス・リコイル』などを手掛ける山崎彬(悪い芝居)。
このたび、メインキャスト4名(守乃まも・大竹美希・小山内花凜・大森未来衣)と、山崎へインタビューをおこない、本作への意気込みやそれぞれの音楽経験、2.5次元舞台作品ならではの難しさや見どころなどについて話を聞いた。
LIVE STAGE『ぼっち・ざ・ろっく!』 (c)はまじあき/芳文社・アニプレックス (c)LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」製作委員会
――本作は生演奏と生歌唱が劇中で披露される点も大きな話題となっています。皆さまの、バンド・楽器の経験または歌唱の経験をお聞かせください。
大竹美希(伊地知虹夏役):ドラムは小学1年生の頃からやっています。姉がバンドをやっていたので、一緒にステージに立ちたかったんです。現在では自分のバンドを組んでいます。でも最近は自分のバンドで演奏するよりも、サポートメンバーとしてドラムを叩くことの方が多いですね。今年の4月には、日比谷野外音楽堂で開催された『NAONのYAON 2023』で演奏してきました。
小山内花凜(山田リョウ役):7年ほど前に事務所の方とガールズバンドを組んでいた経験があります。楽器はベースでした。その頃にライブハウスや大きな会場で演奏させていただいていましたが、そんなに経験豊富だったり腕前がすごいというわけではないです!(笑)
大森未来衣(喜多郁代役):ギターは個人的に好きで弾いていましたが、バンドの経験はありません。ミュージカル作品など歌を歌う舞台に多く出演させていただいていたので、歌の経験はあります。でも、人前で楽器を演奏するのはこれが初めてになりますね、喜多ちゃんと同じです。
守乃まも(後藤ひとり役):あっ、……私は主にギターボーカルでバンドを組んでいました。大きめの箱から小さなところまで、さまざまな場所で演奏していましたが、さらに詳しく言うとバンド名が特定されてしまうかもしれないので、これ以上は秘密です(笑)。
後藤ひとり/守乃まも
――ちなみに、本作で脚本と演出を担当される山崎さんは、楽器やバンドの経験はおありですか?
山崎 彬(脚本・演出):僕は、通販でギターを買って家でちょっと弾いてみたことはあります。弾き方を教えてくれる人が周りにいなかったので、弾けずに辞めちゃいましたが。自分の劇団(「悪い芝居」)のライブで歌ったりはしましたけれど、きちんとバンドを組んで人前で演奏した経験はありません!(笑)
――先日、公式サイトから“結束バンド”の演奏風景を感じさせるPVが公開されましたね。ビジュアル撮影も含めて、キャラクター扮装をしたときのお気持ちはいかがでしたか?
大竹:今まで髪を染めたことがあまりなかったので「金髪だ!」と思いました(笑)。大丈夫かな、なじむかな……と少し不安を持ちながら、撮影前には前髪をいじりまくったりしていました(笑)。でも、仕上がったビジュアルを見て「虹夏になれた!」と感じてとてもうれしかったです。
小山内:うれしかったです! 「リョウになれている……!」と思って。アニメや漫画などのキャラクターの扮装をした経験がなかったので、興奮を隠しきれないままノリノリで撮影しちゃいました。
大森:自分なのに、どんどん自分ではないキャラクターになっていくのがとても不思議でした。実はセーラー服を着たことがないので、セーラー服に憧れていたんです。今回、その夢がかなったので「喜多ちゃん、ありがとう」と思いました(笑)。
守乃:あっ……、私はピンクを避けて黒の服ばかりで生きてきたので「全部ピンクだぁ」と思って…。自分的には見慣れないし、なじんでいるのかも分からないですし、鏡を見ても不思議な感じです。
山崎 :みんな、本来の自分では選ばない服や髪形をして、キャラクターになれた興奮がそのまま出ていましたね。まもちゃんは、今でもピンクを身にまとうことが不思議な感じ?
守乃:そうですね。まだ見慣れなくて……。
山崎:はじめから「うれしい!」の気持ちになるのもいいことだし、これから稽古を通して役と自分をなじませていくのも大事。気持ちがどう変化していくのかも楽しめればいいですね。
伊地知虹夏/大竹美希
――キャストの皆さんは、漫画・アニメなどが原作の2.5次元作品へのご出演は初めてとお聞きしています。稽古をしていて感じる、原作があるからこそ難しいことと楽しいことは何ですか?
大竹:稽古が始まりたてのころ、“キャラクターに寄せていく”ことにとらわれすぎてしまっていました。私は地声が高くなく、どちらかと言えば低い方です。でも虹夏の声は高いので「そこに寄せていかなければ」と声の出し方だけを意識した結果、ただセリフを“言う”だけになってしまって……これはいけないと思いました。キャラクターに寄せるのは大事だけれども、それでは“キャラとして生きる”ことになりません。そのバランスをとるのが難しいですね。
逆に、その場所に存在はしているけれども、原作で姿が描かれていないシーンでのお芝居を考えるのは楽しいです。虹夏はこのとき、どんな表情をしてどんな動きをしているんだろう? などを考えて稽古しています。それから、リョウがふざけたときのツッコミ役でもあるので、そのやりとりが楽しいです(笑)。
小山内:私も美希ちゃんと同じく、最初は原作のイメージにとらわれすぎてしまっていました。漫画の絵があって、アニメ化されて声優さんが声をあてて……と、すでにできあがったものがあるので、そのとおりにしたくなってしまうんです。好きすぎるがゆえの難しさですね。
でも、やっているうちに「もうちょっとチャレンジしてもいいかもしれない」と感じる瞬間が出てきたんです。リョウちゃんらしさをちゃんと持ったまま“舞台ならでは”のリョウちゃんにするために、少しふざけてみたり、はじめに思っていたよりも大きく動いてみたり。そうしたらどんどん楽しくなってきて、今では稽古でもいろいろと踏み込んでやれるようになっています。
大森:外見だけではなく、喜多ちゃんの内面にもきちんと向き合わないと、と思っています。ビジュアルを寄せていくのはもちろんなのですが、考え方も含めて喜多ちゃんがその場に存在していなければいけません。喜多ちゃんが何を考えてその言葉を口にしたのかを分かっていないと、舞台が成立しなくなってしまいます。現実にいる人ではない、2次元の世界のキャラクターを“人間”にする。そこが大変なところであり、おもしろい部分でもありますね。
守乃:私はぼっちちゃんと似ている部分が多くて、自分そのままをさらけ出しているような気持ちになって「どうお芝居として表現しよう」と悩んでしまって。
しばらくの間、自分と違う部分を探して少し安心したり、似ている部分に対して「私の方が」と勝手にマウントを取ったりしていたのですが、そのうち、その気持ちを持つのをやめました。「分かる」と共感するようにしたんです。でもやっぱり、自分と似ているからこそ演じるのは難しいですね。
山田リョウ/小山内花凜
山崎:稽古をしていて、まもちゃんが楽しいと思うのはどんな瞬間?
守乃:あっ、そうですね……、謝るときは楽しいです! 自然なテンションでいられます。私もぼっちちゃんのようによく土下座をするので、謝り慣れていると言いますか。この謝るテンションを他のところに生かしていきたいですね、もうちょっと自然に動けるようになりたいです。考え過ぎると変になりそうなので……。
山崎:確かに「土下座慣れしている?」と感じることはあるね!(笑) 他のみんなも「原作へ寄せていくことに意識を置いてしまっていた」と言っていましたけれども、そこに考えを貼りつかせないように、と思っています。「このキャラクターはこうでなければいけない」と考えを狭めてしまったり、1から10まですべての段取りを気にし過ぎてしまったりしてはよくない。稽古を重ねていって、自分かキャラかわからなくなるところまで行きつけば、それぞれが自由にやれると思うんですよ。そこを目指していきたいです。
――本作を演出するにあたり、山崎さんが大事にしたいと感じていることは何ですか?
山崎:原作の「ぼっち・ざ・ろっく!」を見たときに自分が感じた感覚を忘れずにいることです。キャラクターや人物をすでにご存じの原作ファンの方には、“結束バンド”の4人が成長していく姿や演奏する様子を見て、改めて「ぼっち・ざ・ろっく!」という作品の魅力を感じていただけるように。原作を知らずに舞台を観に来てくださった方には、こんなにおもしろい作品があるんだと感じていただけるように。僕たちも、稽古をする中であらためて原作のおもしろさを発見していきたいです。
2.5次元舞台を初めて観る方も多いかと思います。「どうなるんだろう」と期待半分、不安半分かもしれません。でも、2次元にいたキャラクターたちが実際に目の前で動いて歌って演奏している。その驚きと、原作を好きな人たちと同じ空間で同じ時間を過ごす体験は、2.5次元舞台作品ならではの楽しみです。まだ少し尻込みしてしまっている方も、ぜひ劇場で体感していただけたらうれしいです。
喜多郁代/大森未来衣
――最後に、本作への意気込みをお願いいたします!
山崎:この座組でなければならないことを大切に。ここにいる4人がキャスティングされたのは偶然ではなく必然です。背伸びせずに、のびのびとそのままやってもらえれば、絶対にいい作品になると確信しています。彼女たちは「ここは下北沢のライブハウスだ」と信じて演奏します。納得できるライブをお届けできるはずなので、ぜひご期待ください。
大竹:急ピッチにさまざまな物ごとが進んでいて、せわしない日々を過ごしています。でも、これを乗り越えたら大きく成長できるかな、と思うので、本番までがとても楽しみです。頑張りますので、皆さまも楽しみにしていてください!
小山内:私は今まで、漫画やアニメが大好きだからこそ、2.5次元舞台作品を観られませんでした。でも、本作に出演するにあたって山崎さんが演出をされている舞台を観にいったら「こんなにも面白かったんだ!」と驚いてしまって。だから、もし一歩踏み出せないと思っている方がいたら、ぜひ観に来てほしいです。私自身も、リョウちゃんとなって舞台に立てるのを楽しみにしています。
大森:この4人のメンバーは、結束バンドの4人そのままのような気がしています。私たちが作り上げる世界を一緒に楽しんでいただけたらうれしいです。劇場内のすべて、最後列の一番端の席のお客さまにまで同じように届けられるように精いっぱい歌って演奏しますので、ぜひ劇場にお越しください!
守乃:結束バンドのキャストは4人とも、キャラクターにものすごく合っていると思うんです。キャラクターとしても役者としても、それぞれの成長を感じていただけるように頑張っていきます!

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