セックスマシーン!!25周年記念スペシ
ャル対談が到着ーー20年来の盟友・四
星球が紐解くセクマシの本質

セックスマシーン!!結成25周年を記念して、8月6日(日)に大阪・味園ユニバースで『明日への活力‼️~スペシャル2マン編~』が開催される。そこでセックスマシーン!!の森田剛史(Vo.Key)と日野亮(Ba.Key.Cho)、そして当日の対バン相手で去年20周年を迎えた徳島のコミックバンド四星球の北島康雄(シンガー)、U太(Ba)との特別対談が実施された。25年バンドをやっていても、まだまだ知らない人も多いだろうし、これから多くの人に知ってもらうためにも、約20年来の付き合いである四星球を通して、セックスマシーン!!とは何者なのかを分析し解説してもらった。
常に反骨心を持ち、常に人と被らない事をやり続けてきたセックスマシーン!!が25年で何を経験して学び、今後どう生かしていくかを、この対談で知っていただけたらと思う。単なる仲良しトークでは終わらず、お互いに敬意を示しながら真剣に語り合った、この2組が激突する8月6日(日)のイベントにも是非とも来ていただきたい。
「当時は、ほかのバンドと被ったら死ぬと思っていた」
ーーセックスマシーン!!(以下、セクマシ)結成25周年ベントとして、8月6日(日)に味園ユニバースで、約20年のお付き合いがある四星球とライブを開催することになりましたね。
森田:何する!? 余計なことしたくなるよな、この2組だと!
日野:周年イベントはダサいと言っていたのに、森田さんが急に20年目から数えだして(笑)。
康雄:ついに周年をやるのかと! 遂に数え出したと! かわいいな(笑)。
日野:今頃かと思いますよね(笑)。
康雄:色々な人たちに応援されてきたバンドだから、僕ら含めて応援してきた人たちが「おめでとう!」と言えるタイミングになりますよね。
U太:祝わせてくれないバンドだったから(笑)。
森田:でも、やっぱり照れくさいけど。
ーー四星球のふたりはセクマシの歴史をほとんど知っていることになりますよね。
U太:一番最初に逢ったのが2002年で、ウチらが2回目のライブやって。
康雄:結成まもなくで逢っている。
森田:<僕の腕よ、ダルシムれよ>という歌詞がショッキングだったなぁ。
U太:ウチらの「潮騒ぎ」の歌詞ね(笑)。
康雄:あの部分を聴き逃していないとは!
森田:どれだけ自分が歌詞を削れるか考えていた時期で、「サルでもわかるラブソング」の<おれ、おまえ、好き!>という歌詞を作ろうとしていた時だったから。
ーー四星球のふたりは、どんな印象を持っていましたか?
康雄:僕が18か19の時に、ガガガSPが徳島にツアーで来て、その時にセクマシも出ていたんですね。それを観に行っていたんですけど、モーリー(森田)が目がバキバキやったんですよ。衣装も今のままで、髪も濡らしていて、「怖っ!」と思いながら、「これがライブハウスか……」とも思いましたね。で、半年後に共演してオフのモーリー観たらステージ上とは別人で、違う意味で怖かった(笑)。バンドマンのオンオフを初めて観たのがモーリーだったし、一番オンオフが激しいバンドマンですよね。
U太:あの時は過剰にスイッチが入ってましたね。
森田:逢ったことない人にも対抗心と反骨心を持っていた時期やったしね。エエことを言う奴には逢わないようにしていたから。
日野:むちゃくちゃ尖っている!
康雄:あの頃はセクマシが徳島にいる時は、僕らも絶対徳島にいましたからね。セクマシが徳島に来てるのに、僕らが徳島にいない……なんてことがあるようになったのは、つい最近になってからですよ。逆に、僕らの徳島でのライブに勝手に出られたこともありますから!
U太:それも記念すべき初ワンマンにね(笑)。
康雄:タイトル『四星球だけ』ですよ!
モーリー:そのタイトルだから余計に破壊したいと思って!
U太:ライブハウスに着いたら、徳島やのに神戸ナンバー機材車があった(笑)。
ーー当時、互いに20周年や25周年のバンドになるという未来なんて考えてないですよね?
康雄:考えてないですね。
森田:考えてないですし、挙句の果てという感じですよね、今は。
康雄:挙句の果てかぁ……。
U太:とにかく全てに対して反骨心がありましたもんね。
森田:当時から四星球はちゃんと考えているイメージがありましたね。僕がワンマン邪魔しに行ったのも刹那的にしか考えてなくて、でも四星球はキャリアを考えて、即席だけではなくて次に繋げようとしていた。そういう考え方は四星球から知ったし、途中から入った日野君は、そういうことを考えてくれている。
日野:そういうことを考えるようになったのは、僕も四星球のやっていることを観て知りましたから。
康雄:僕らは地元のハコの人に言われたことをやっていたというか。
U太:ローカルバンドは、それしか教科書が無いから。
森田:ガガガや四星球はローカルバンドとして歩み進んでいて、でも自分は出来ないなと。だから、ガガガがいるから、自分からは神戸出身と言わなかったし、関西弁も話さなかった。
康雄:僕らみたいに小道具も使わない!?
森田:うん(笑)。ほかのバンドと被ったら死ぬと思っていたし、被ったらバンドをやる意味が無いと思っていたから。そういう刹那的な時期を思い返すと、ローカルバンドを良いなとは思っていたけど、むちゃくちゃやるしか無かった。
康雄:その時は、セクマシは兄さんなんでできあがってると思ってましたけど、今初めて当時は手探りだったんだとわかりましたね。
転換期となった『COMIN’ KOBE』とBa.日野の加入
ーーずっと隣で観ていて、そんな手探りの時期があったセクマシの転換期というと、どこだったと思いますか?
康雄:ひとつデカいタイミングは、まだ発表前の出来上がったばかりの「君を失ってWow」を、神戸ワールド記念ホールでの『COMIN’ KOBE』でやった時かな。
日野:僕が入ってすぐですね、2011年とかかな。
康雄:できたばっかりの曲をワールド記念ホールでやる勇気よ……。曲への自信があったんやろうし、曲の可能性を魅せてくれた。
森田:日野君、最初弾き語りしてたからね。
康雄:そんなんいらんからね、ほんまは(笑)。最初のメンバーが全員抜けて、中々メンバーが固まらない時期があったから、日野君が入ってセクマシ良かったなとも思ったし。先を見せたライブだった。
森田:あの頃はイベンターさんから色々な話を聞いて、ライブという興行のことを教えてもらって知っていく時期やったしね。まぁ、それは主に日野君がやってくれていたけど。
U太:だから、日野が入ったのもデカいかも。モーリーが人の話を聞くようになったから。
康雄:モーリーの自由の形が変わっていった。
U太:メンバーにもスタッフにも委ねられるようになったから、モーリーが。
日野:僕が入ってから、もう13年ぐらい経ちましたね。
康雄:日野君が入ったのはセクマシ破天荒期ピークの時だったし、わけわからん前衛的なものをいっぱい見せてくれていたから、そこにちゃんとしたメンバーが入って変に固まってしまうのではとも思って、当時は。もちろん喜びもあったんですけど。そしたら、さっきのワールドのライブだったから(笑)。
U太:僕は日野が入って安心しましたけどね。キャラは薄いかもだけど(笑)、まともな子が入って良かったなと。
森田:日野君が入って曲も変わったから。ベーシストが考えたベースのフレーズを弾いてくれるから、端的に歌いやすくなったしね。2006年にひとりになって、そこから今のメンバー3人が入ったけど、ひとり入るごとに新しい脳みそが入った感じだった。
康雄:今までと全然違う人たちが入っていくのがかっこよかったし、最後に日野君が失恋して入ってきた。セクマシの反骨心という精神性を表す当時の核が失恋だったから、凄くバンドが固まった感じがあった。
日野:『フラレタリアート』(2009年リリースアルバム)を聴いて、バンドに入りましたからね。
康雄:作品に惹かれて、バンドに入ってきたのは大きいですよ。
四星球はワードを、セクマシはビジョンを研ぎ澄まして記憶に残す
ーーセクマシ25年の歴史の約20年を四星球と振り返って分析してもらいましたけど、その四星球との8月6日(日)のライブは本当に楽しみですね。
森田:四星球が最初にガーっとやるだろうから、一番やりたいのは、コレ系アレ系をやられてペンペン草も生えていない全てを刈り取られた状態で、その四星球がやったコレ系アレ系を一切やらずに被らないライブをやりたい。そんな中で何をするかが最大の考えことかな。
康雄:モーリーのコレ系アレ系は幅が広いから、ほとんどのことを被っているとみなすので、そのやり方で25年もやってきたというのは相当ぶっとい25年ですよ。
森田:四星球は欲張りなんですよ。最近は落語的なオチも欲しがってるから。でも、昔と変わったのは、この言葉を覚えて帰れよ的なことを康雄が言うような構成になったところですね。
康雄:ずっと損していると思っていたんですよ。ライブで色々いっぱいやりすぎるから、お客さんが持って帰れないんですよ……。それを思い始めたキッカケは、モーリーですからね。ライブで本来の歌詞では無くて韓国語っぽく替え歌で歌ったことがあって、そしたらモーリーが「K-POPを入れてきた! こんな凄いことをやっているのに伝わってないから、わかりやすく言った方が良いけどね」と言ってくれて。それが総括するみたいな構成になったキッカケというか。
森田:康雄がワードで残すことをやり始めたから、であれば、我々はビジョンで残そうと。ライブ中にマイクシールドを伸ばして、お客さんのフロアに行くとかね。
康雄:えっ、ワードという大きな選択肢すら消してしまうの!? 相変わらず生きづらいバンド(笑)。でも、8月6日(日)は本当に楽しみですよ。そもそもなんで味園ユニバースでやるの?
日野:今回のイベントが『明日への活力!!』というタイトルなんですけど、昔の味園のCMのキャッチフレーズなんですって。
森田:ずっと言葉だけ覚えていて、そしたら味園のCMだと思い出したから、このタイトルで味園でやりたいなと。
U太:それ発信してる!?
日野:全然言ってないですね(笑)。
康雄:ちゃんと説明して言わないと! でも、それがセクマシらしいけど(笑)。
森田:我々はワードを使わないので(笑)。これからは、四星球はワードを研ぎ澄まして、我々はビジョンを研ぎ澄まして、この2組のバンドを若い世代へ口コミで伝えていきたいですよね。
康雄:この先の未来、TikTokの最新版みたいなもので、セクマシの曲が再注目されたり、少し前のシティポップブームみたいに何かのブームでセクマシの曲が再評価されたりするのが想像できるんですよ。だけど、当の本人たちは、そういうのとは無縁な感じで、今までと変わらず活動し続けるでしょうし、これからもモーリーにしかできないことを見せて欲しいですね。この先の未来、セクマシみたいなバンドは現れないと思いますし、だから25周年の味園は絶対に観に来て下さい!
取材・文・撮影=鈴木淳史

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