石原夏織があなたに届けたい5年分の
感謝の花束 5周年記念ライブを語る

石原夏織のアーティストデビュー5周年を記念したライブ『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet- supported by animelo』が2023年8月6日(日)に東京・LINE CUBE SHIBUYAにて開催される。今回、そんな節目を迎える石原夏織に本公演に向けての意気込みなどを伺ってみた。彼女の誕生日でもある8月6日に開催というだけでも特別な公演ではあるのだが、アーティストデビュー5周年の記念もそこに加わって、本人としても非常に思い入れが強くなっているようだ。どんな公演にしたいか?どんな風に楽しんでもらいたいか。本公演に込めた想いが本人の口から語られた。

■「青春のもどかしさを表すワンフレーズ」
――アーティストデビュー5周年、そして誕生日当日という、かなり盛りだくさんな1日なのですが、実はその4日前には11thシングル「Paraglider」の発売も控えているという事で、ライブでの初披露を期待するファンの方も多いと思います。まず新曲について少しお話を聞かせてください。
TVアニメ「夢見る男子は現実主義者」OP主題歌としてタイアップが決まっているという事もあって、テーマとしては”青春”だったり、爽やかさが軸にあるんですけど、アニソン然としてない曲が良いんですと提案を頂いていて、そこから澄み渡る青空のような楽曲を渡辺翔さんに作って頂こう!と方針が決まっていきました。
――ジャケットもまさに青空&透け感ある青の衣装で、まるで雲にぶら下がって滑空してるみたいなポーズと白のフラワーアレンジメントの花束もとても素敵ですし、楽曲も聞かせて頂きましたが、夏の入道雲が浮かぶ澄み切った青空みたいな情景が容易に想像できる、爽やかなバンドサウンドでしたね。注目ポイントなどはありますでしょうか?
嬉しい!ありがとうございます!(笑)。個人的には1Aの歌詞の「憧れ瞬きのシャッター 思い出は心飾った」というフレーズがお気に入りで、現在進行形で青春真っ盛りなティーンの子に向けた歌詞ではあるんですが、青春時代が”あの頃”になってしまった私が聞いても、当時の想いや情景が鮮明に蘇ってきて、むしろ時間が経って大人になった方が響くんじゃないかな?少なくとも今の自分には一番響いたフレーズでした。
――青春は色褪せないと言いますが、色んなことを一気に吸収して、少しずつ大人になっていく過程だからこそ、心象として残りやすいのかもしれないですよね。
サビの「上空いっぱいになった 伝えきれない事 なぜか色違いのキミの本音すれ違った」って歌詞も、きっと大人から見たら単純というか、たったひと言で解決しそうな問題なんだけど、そのひと言がうまく言えない、そんな青春のもどかしさがこのワンフレーズで綺麗に表現されていて、好きですね。
■「1曲1曲を一輪の花に見立てた5年分のブーケ」
――ぜひ、そんな歌詞だったり、楽曲の世界観に想いを馳せながら歌う姿にライブでは注目してみてね!という事で(笑)。でも、シングルのジャケットにも白い花束が写っていますが、今回のライブのタイトルも「-bouquet-(ブーケ)」という事で、お花がモチーフになっていますし、実は何か関連性があるんじゃないかと感じちゃいます。
当たり前なんですけど、5周年のライブというのはこの一回きりで、前回やったワンマンライブ「Starcast」は結構コンセプチュアルというか、1つのテーマに則ったライブだったので、5周年のライブだったら、やっぱりこの5年間の象徴するものを表現したかったんです。そこで、これまでのディスコグラフィだったり、活動を振り返っていくと、リリースした楽曲たちがどれも愛おしくて。この1曲1曲があったからみんなに出会えたし、たくさんの思い出をくれたんです。そんな楽曲たちを一輪の花に見立てて、5年分の想いを花束にして私から皆さんへ届けたいなって。花束って大切な誰かに贈るものだったりもするじゃないですか、だから今回のライブのタイトルにぴったりだなって思ったんです。
――めちゃくちゃ素敵です。実際にもうライブまで残すところ1ヶ月程度というタイミングですが、実感だったり、具体的に”こんな事がしたい”みたいなカタチが見えてきましたか?
情勢的にも良くなってきましたし、これまで出来なかったことが出来たらいいなとは思っています。デビュー当初から「心の距離が近いアーティスト」になりたいなというモットーを大切に活動してきているので、このライブを通じて、皆さんともっともっとお近づきになりたいな。なれたらいいなって思っていますね。
――この時期だとやっぱり声出し解禁のライブも戻ってきてますし、石原さん的にも「みんなの元気な声が聞きたい!」って感じですよね。
もちろん!ちょくちょくファンクラブイベントだったり、大きなフェスとかで声出しOKライブも経験してはいるんですが、あまりコール&レスポンスするような曲じゃなかったり、数曲だけだったりしたので、皆さんの応援してくれる声が聞きたいですね(笑)。あとはコロナ禍の中でもアルバムやシングルもいくつかリリースしているので、私自身まだ掛け声を聞いたことのない曲が大量にあったりもするので、みんながどんな感じに入れてくれるんだろうってすごく楽しみです。
――体調管理はもちろんですけど、喉の調子も整えておかないとですね!
以前FCイベントをやった時に「声出しがこんなに疲れるとは……」ってお便りが届いたりもしてたので、8月までに色々と勘を取り戻してもらって、一緒に楽しい日にしたいです(笑)。
■「5年前より、前向きになれたし強くなれた」
――ちょっと話は前後しちゃうんですが、個人的には「もう5年なんだ」って驚きが強いんですけど、ご自身で振り返ってみてはいかがですか?
いや、私も本当にあっという間だったなと思っていて、今回のライブに向けて振り返っていた時に「5年間でこんなに曲を出してたの!?」って驚いたくらいだったんですけど、ひとつだけ確かなのは、この5年を通してすごく前向きになれたし、強くなれました。昔は本当に自分に自信がなくて、多分ちゃんと出来てたんだけど、当時はそうは思えない自分がいて、いま思えばそれが自分の弱さだったなって気付けたのは成長できたのかな?って思いますね(笑)
――何か、自分の中で変われたキッカケになるような出来事とかってあったんでしょうか?
1stシングルの「Blooming Flower」のお渡し会ですかね。この頃はとにかく不安でいっぱいで、ソロアーティストになった自分をみんなは受け入れてくれるのかな?とか、ソロデビューを喜んでくれてるのかな?とか……ちょっと思い出すと涙が出そうになるんですけど、自分の中では不安な点がいっぱいあって、お渡し会で実際に皆さんと対面するまで本当にドキドキしっぱなしだったんですけど、いざ蓋を開けてみたら久々に会った皆さんが本当に暖かい言葉をかけてくれて、ちょうど3月のリリースだったので、就活とか受験とか大変な時にこの曲に元気をもらって「無事に第一志望の学校へ行けました!」とか、そういう言葉を聞いて、逆に私自身がすごく勇気をもらったんです。私がやってきたことは間違ってなかったんだなって思えたし、そんなファンのみんなに自分の弱い姿とかは見せたくないし、「例えそれが完璧じゃなくても今の自分がやるからこそ、届けられるものもあるのかもしれない」「とにかくやってみよう!」っていう考えに自然となっていけたのかなと、いま振り返って気付けました。
――改めて「心の距離が近いアーティスト」を石原さんが目指す理由というのを感じましたし、ファンの方とのリアルな対話が自分にとっても成長の糧となるのであれば、やはり今回のライブはとっても重要な機会ですよね。
はい、その通りですね。
――まだ確定はされてないと思うんですが、実は「こんな曲を歌いたい」的な仮のセットリストを取材前に拝見させて頂きまして、今回のライブの選曲は、もうガッツリ石原さんの意見が組み込まれている感じですよね?
そうなんです!結構ムリを言ってお願いした部分とかもあって、もちろんまだ多くは語れないんですけど、ファンの皆さんにとっても、私にとっても大切というか、思い入れのある曲を歌いたいなというのが軸にはなっています。
■「みんなで芋掘りしたい…(照)」
――ライブに向けての想いや覚悟、しかと受け取りました。ここまではこの5年間を振り返るお話を伺って来ましたが、5年でこんなに色んな経験が出来たのなら、今度は逆にこの先5年間でこんな事やってみたい!挑戦したい!みたいな話も少しお聞きしてみたいです。
えー、何にしよっかな〜(笑)。正直、今は8月のライブに向けて色々と準備してきたので、5周年のことで頭がいっぱいなんですけど……でもやっぱり、たくさんの楽曲たちに自分も救われたし、勇気付けられたし、それはファンの皆さんも同じ気持ちだって言ってくれてるからこそ、皆さんの心の拠り所になれるような曲をこれからも作っていきたいなって思います。
――石原さんはコンスタントにシングルをリリースされている印象はあるので、1ファンとして、これからも楽しみにしています!
あとはファンクラブとかもやっているので、FC内では歌だけじゃなくて……なんか…芋掘りとか……(照)
一同:(爆笑)
芋掘りとか、学校行事みたいな事もやってみたいんですよね!(笑)せっかくそういうコミュニティに入って応援してくれてるみんなと更に仲良くなりたいので、そういう楽しい学校行事みたいなのを通じて、もっと友達みたいになりたいです(笑)。
――今回、歌手活動は5周年ということですが、声優としても、もう13年とかですよね。こちらも、もうすぐ15周年の節目が見えてきました。
えっ!?本当だ。常に新人の気持ちでいるつもりなんですけど(笑)今でも作品との向き合い方って難しいなと思うことがあって、ただ年齢+経歴を重ねてきて最近では役作りだけじゃなく、どうやったら作品にもっと貢献できるか?とか広い視野で見えるようになりましたね。
――我々の勝手なイメージかもしれないんですけど、石原さんって全然青臭いとかではなく、いい意味でいつまでもフレッシュというか、初心忘れるべからずというモットーがそうさせてるのかもしれないですけど、これだけ芸歴を重ねてもこんなに鮮度が落ちないって実はものすごく稀有なことだし、強みなんじゃないかなと思ったりもするんですが、何か秘訣とかってあるんでしょうか?
いや〜、特に意識はしていないんですけど、でも割と何でも面白がれる方なのかもしれないです。「わ!難しい!」とか「ちょっと嫌だな〜」って思う事も、もちろんありますけど「これを超えたらもっと良くなる!」とか、曲に関しては本当に一期一会なので、すごい素敵な曲に出会えた時は、初めて曲をもらってソロデビュー決まりました!ってぐらい嬉しい気持ちになりますね(笑)。
――そこもやっぱりこの5年間で、段々とポジティブになれた結果なんでしょうね。
そうかもしれない!ネガティブも行き着くところまで行くと「ま、いっか。別に死ぬわけじゃないし」みたいな、結論そこにたどり着きました(笑)。
――そんな(?)この5年の集大成でもある今回のライブですが、最後に改めて意気込みなど読者の方へひと言メッセージを頂けますでしょうか!
やっぱり意気込んだからにはプレッシャーも感じるというか「自分に勝てるのか」みたいにドキドキしてる部分もあるんですけど、いつも応援してくれてるファンの皆と楽しむ為の1日だと思うし、楽しい思い出は一生残ると思うので、自分にとってのご褒美だと思って楽しみたいです。そしてこの5年間が本当に最高だったよ!という想いを皆さんに伝えられたらいいなって思います!
インタビュー・文=石原夏織 撮影=大塚正明

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