堂本光一、観月ありさらが、ウォーリ
ー木下が作り上げる世界一ポップなお
もちゃ箱に飛び込む ミュージカル『
チャーリーとチョコレート工場』 制
作発表会見レポート

ロアルド・ダールによる児童文学『チョコレート工場の秘密』は、1964年に出版されて以来、世界的なベストセラーとなっている。1971年、2005年に映画化もされ、2005年版はティム・バートン監督とジョニー・デップ主演のコンビによるポップで独創的な世界が高い評価を得た。
ミュージカルは2013年6月、イギリスのウェストエンドで初演が行われ、同年12月にはウェストエンドの週間チケット売り上げ最高記録を樹立。2017年1月までロングラン上演を行なった。 2017年4月からはアメリカ・ブロードウェイで改編上演され、その後は全米、オーストラリアなどでの公演を経て現在は全英・アイルランドでのツアー上演がされている。
日本版初演でウィリー・ウォンカを務めるのは、2018年初演の『ナイツ・テイル-騎士物語-』以来5年ぶりの新作ミュージカル挑戦となる堂本光一
翻訳と演出は、東京2020パラリンピック開会式やオリジナル・翻訳問わず幅広い舞台作品を精力的に手がけ、本作が初の帝国劇場となるウォーリー木下。
さらに、チャーリーの母親役を観月ありさ、肥満児・オーガスタスの母親を森公美子鈴木ほのか(Wキャスト)、勝ち気なバイオレットの父を芋洗坂係長、わがまま娘・べルーカの父を岸祐二、コンピューターオタクのマイクの母親を彩吹真央、かつてウォンカの工場で働いていたチャーリーの祖父を小堺一機が務める。
世界中で5枚だけしかないゴールデン・チケットを手にいれ、工場に招待されるチャーリー・バケット役は小野桜介/チョウ シ/涌澤昊生のトリプルキャストとなる。
――まずは一言ずつお願いします。
ウォーリー木下
ウォーリー木下:本当に感無量で、素晴らしいキャストの皆さんと作品作りができることにワクワクしています。作品のテーマの一つに「家族」があり、たくさんの親子が出てきます。面白いキャラクターばかりで、楽しみで仕方ありません。また、“空想すればう”というのが今回の一つのキーワードになっています。ここ数年、自由に動き回ったり遊んだりできない時期が続きましたが、やっぱり好きなものは好きと言いたいし、人間が持っているエネルギーやパッションは忘れたくないなと。2時間近いミュージカルで、音楽も振り付けも演出も役者の演技も、全部ひっくるめた総合芸術として楽しいことをやるぞという気持ちにあふれています。「おもちゃ箱をひっくり返した」という言葉がありますが、日本版『チャーリーとチョコレート工場』は、世界一ポップでカラフルなおもちゃ箱をひっくり返した作品にしたいと思っています。ワクワクしながら待っていただけると嬉しいです。
小堺一機:ジョーじいちゃんは、作品の要となる非常に大事な役。お話をいただいた時に非常にびっくりして、近くの神社に挨拶に行ったら「頑張って」という声が聞こえた気がしました。可愛い孫と一緒に、素晴らしいおもちゃ箱の冒険をさせていただきたいです。
小野桜介:チャーリーはみんながやりたかった役だと思うし、みんなが憧れる帝国劇場なので、最初から最後まで頑張って演じ切りたいです。
チョウ シ:今回チャーリーとして舞台に立てることがとても嬉しいです。よろしくお願いします。
涌澤昊生:僕は最近野球にハマっていて、オリックス・バファローズを応援しています。チャーリーはダンスをいっぱいやると聞いたので、いっぱい手を伸ばして元気に踊りたいです。
左から涌澤昊生、チョウ シ、小野桜介
彩吹真央:この作品にはチャーリーをはじめたくさんの子どもたちとその親が登場します。みなさん親バカな中でも、ティービー夫人はぶっ飛んだ親バカだと思っています。お酒と楽しいことが好きで、息子を愛するが故にぶっ飛んだ子に育ててしまった母親をぶっ飛んで演じたいと思うので、よろしくお願いします。
岸祐二:ファンタジーで、少しドキッとするような社会風刺もあったりするエンターテインメントが本当に大好きなので、日本初演に関わることができて本当に嬉しいです。素晴らしい共演者の皆さんとご一緒できて幸せですし、『ナイツ・テイル』に続き、光一くんの挑戦に一緒に向かえるのが幸せです。
岸祐二
芋洗坂係長:映画ではバイオレットの親はお母さんでしたが、今回お父さんとして出演します。どう考えても面白くなるだろうキャストの皆さん、演出のウォーリーさんやスタッフの皆さんの足を引っ張らないように頑張りたいですね。痩せすぎると岸さんとキャラが被ってしまう可能性があるので、森さんと一緒に美味しいものを食べて頑張りたいです。
森公美子:映画を見るたびに、「ミュージカルになったらオーガスタスの母親を演じるのは私だな」と思っていました。役をいただけてありがたい限りです。まだ子役たちや演出について詳しいことは教えてもらっていませんが、本当に楽しみです。おそらくチケットはすぐなくなると思いますが、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらと思います。
鈴木ほのか:光一さんとは2000年の『SHOCK』初演以来23年ぶりの共演で、ゴールデン・チケットが当たったような気分です。小説(柳瀬尚紀・訳のもの)ではオーガスタスの苗字はブクブトリーと訳されていますので、ブクブトリーの母親として、骨組みをしっかり作り、肉作りをたっぷりして血を通わせていきたいと思っています。大人も子供心に帰って楽しめるチョコレート工場、私も今から楽しみです。
左から森公美子、鈴木ほのか
観月ありさ:ミュージカルは2回目なので、みなさんの足を引っ張らないようにしたいなと思います。おもちゃ箱をひっくり返したような世界の中で癒し的な存在になれたらいいなと思っています。
堂本光一:企画を聞いた時、まずはびっくりしました。こうして形になっていくことにワクワクしていますし、ウォーリーさんが「おもちゃ箱をひっくり返すような」と言っていましたが、ひっくり返してぶっ壊すようなとんでもない作品になるんじゃないかと思います。ウォーリーさんの頭の中にあるものをみんなで形にしていくのが楽しみです。また、人間のエゴや愛情など、たくさんのものが詰まった深い作品だと思います。それをどう皆さんに伝えるか、観てくださったお客さん一人ひとりがどんな感想を持ってくださるのかがすごく楽しみです。
堂本光一
――オリジナルではなく、映画や海外で既に上演されている作品に挑む意気込みを教えてください。
堂本:ミュージカルと映画、小説でそれぞれウィリー・ウォンカのキャラクターがちょっと違っていますから、世界中にいろんなウォンカ像があると思います。日本版で自分がどう演じていくかっていうところは、まな板に載ってウォーリーさんに捌いていただきたいですね。
――帝国劇場建て替え前の新作ということについての気持ちはいかがでしょう。
堂本:今年『ジャニーズ・ワールド』に『SHOCK』、『DREAM BOYS』、そしてこの作品を帝劇で行うわけで、こんなにやらせていただいていいんでしょうかという感じです。帝劇というのは先輩方が素晴らしい歴史を築いてきた場所ですから、そこに立たせていただけることに対する気持ちは変わりません。一生懸命やらせていただこうと思いますし、素晴らしいキャストの皆さんとご一緒できるのが嬉しいです。期待に応えなきゃいけないと思っています。
――日本版のオリジナル演出ということで、こだわりを教えてください。
木下:どぎついブラックユーモアなど、小説の核の部分が大好きなんです。帝劇という場所で皆さんと一緒にクリエイションする上で「僕が頑張るぞ」という気持ちもありますが、それよりも、与えられた原作と劇場、一緒にやるスタッフ・キャストの皆さんと出会ってできることを一番大事にしたいと思っています。スタッフワークは既に進めていますが、みんなすごく楽しそうにしてくれていて、話し出すと止まらない。それくらいいろんな種が詰まっている脚本です。「これを舞台でどうやってやるの?」と言いつつ「こんな方法がある、これやってみよう」と実験を繰り返しながら作ることにはこだわりたいですね。
――この作品に感じる魅力を教えてください。
小堺一機
小堺:舞台に関しては、自分も半分お客さん気分でどうなるのか楽しみにしています。皆さんと刺激を与え合って作り上げて、いい化学反応が起きたら嬉しいですね。
彩吹:誰しも、子供の頃にお菓の当たり・ハズレでワクワクしたことがあると思うんです。子供はもちろん、親の立場でも夢を見られる冒険心満載な作品をウォーリーさんの演出でできるのが本当に嬉しいですね。ウォーリーさんの演出は、稽古場では掴みきれなかった部分が舞台稽古でわかって「こういうことか!」となるので、今回も楽しみです。
彩吹真央
岸:原作はとてもカラフルでポップな世界であると同時に、社会風刺や人間の醜さなどのブラックユーモアある。笑ってるけど心に刺さるみたいなところが多くの人に楽しまれる理由だと思うし、僕も好きなポイントです。
芋洗坂:作品自体が奇想天外で先が読めませんし、ウェストエンドなどで上演したものをさらに超えた日本版。我々もわからないことだらけですから、お客さんにもわからないことを楽しんでほしいですね。人間のエゴや親の過剰な愛など、見ていて「うーん」と思う部分もあるけど、最後には楽しく明るく、ハートフルなラストを迎えるのかな? と。想像を超えていく作品ができると思います。
芋洗坂係長
森:みなさんお気付きだと思いますが、本日私たちはいろんなカラーの服を着ています。舞台ではさらに色々なカラーが出てきますし、衣装を少し見せていただいたんですがすごいです。みんなぶっ飛ぶと思いますよ。
鈴木:ロアルド・ダールの小説も映画2作も素晴らしいですが、ミュージカルの曲がとにかく素晴らしいんですよ。今日もオリジナル版をずっと聞いていましたが、メインテーマの「Pure imagination」が、一度聴いたら頭から離れない本当に素敵な曲。光一さんの歌声で聴けるのが今から楽しみです。それぞれのキャラクターに合わせてヨーデルやヒップホップなど、特徴的な曲がたくさんありますし、ウェストエンド版とブロードウェイ版のいいところを全部組み合わせて最高の日本初演を作ると聞いています。私たちを痛めつけるウンパ・ルンパがどう具現化されるかもワクワクします。
観月:映画からとても好きな作品です。とにかく衣装や世界がポップで可愛くて、衣装やセット、日本版ならではの演出が今から楽しみです。
観月ありさ
堂本:舞台版に関して言えば、「ウォンカとチャーリーの関係性って?」「すべてが幻想で、チャーリーはウォンカの子供時代かも」など、いろんな捉え方ができると思います。観てくださった方それぞれ違う感想を持っていいし、どれも正解だと思います。ただ、我々としては土台を作らなきゃいけないので、そこはしっかり話し合いたいですね。この作品はすごくブラックなところもあるしウィットに富んでいる。言葉の裏にあるものを受け取ってもらえるといいなと思います。

――演出について、もう少し具体的にお聞きしたいです。

木下:せっかくなのでアナログな演劇でしかできないことをたくさんやりたいです。それと同時に、今の僕らならではのテクノロジー、まだ舞台では使われていないような表現も使っていきたいですね。お客様に受け入れられるかはわかりませんが、ウンパ・ルンパを含めて20~30は斬新な演出があると思います。
堂本:一つ心配なのが『ムーラン・ルージュ』に予算を取られすぎてこっちに来ないことなんですけど……(笑)。
木下:すごいセット作ってたから(笑)。僕は小劇場出身なので、そこは知恵と人力でなんとかします。観た方がびっくりすることをしたい気持ちはすごくあるので、特にお子さんなどが「舞台って面白い」と思ってもらえることをしたい。例えば客席も全部チョコレート工場になって、お客さんも一緒に冒険するような壮大な仕掛けも考えています。
――チャーリー役の3名は、堂本さんにお会いしてみてどうでしたか?
小野:堂本さんが演じると発表になってから、会う日をすごく楽しみにしていました。オーラがすごくて、ちゃんと顔を見れてません。
チョウ:一発で「この人、一般人じゃない」って。オーラがすごくあって髪がさらさらでかっこいいです。
涌澤:こんなこと言っちゃいけないけど、テレビで見てるときはかっこいいかあんまりわかりませんでした。でも、会ったらまあかっこよかったから、これがプロだなって思いました。
一同:(笑)。
堂本:ステージ上ではもっと輝きたいと思います! 僕が座長だけど、この話の主役はチャーリーだと思っています。自分が長くやっている『SHOCK』をスタートした時も東山さんがいてくれたので、自分がこの立場になれるのがすごく嬉しいですね。懐いてもらえるように頑張ります。
* * *
続いて、キャスト陣による囲み取材が行われた。
――改めて、新たな作品に挑戦する意気込みを教えてください。
堂本:各セクション、才能のある方が集結してくださっています。ビジュアル撮影の時も、自分がどんどん料理されてウィリー・ウォンカが生まれていくのを感じました。それがすごく素敵な時間で、稽古場でもこうした積み重ねがあると思うと楽しみです。
『チャーリーとチョコレート工場』ポスタービジュアル
――そのビジュアルですが、ご自身で見ていかがでしょう。
堂本:1時間半くらいかかったので、正直かなり大変でした。本番でもこれをやるとなるとすごく疲れますね。ミュージカル版ではおじさんの姿で登場してパッとウォンカになったりする演出なども元々あるので、どうやるのか楽しみです。
――他のみなさんから見て、ビジュアルはどうでしょう。
観月:とてもかっこいいですし、撮影したことを知らなかったので、情報解禁の時に知って「こんな感じになるんだ」とワクワクしました。
森:光一くん結構面倒くさがりなので、(ビジュアルについて)手を抜き出したら注意しようと思います。
堂本:(笑)。メイクとかにこだわりないタイプなので。気を付けます。
鈴木:(堂本は)昔からやることは素晴らしいけど普段は力が抜けていて。久々に会って怖い人になっていたらどうしようかと思ったけど、そんなことはなくて安心しました。中身も見た目も全く変わっていないですね。
堂本:さっきチャーリーから「まあかっこいいかな」って言われたのでまだまだ大丈夫です(笑)。
――子役の皆さんとの絡みも多いと思います。
堂本:一つ懸念があって、稽古場できっと彼らが一番早く台本を覚えてくると思うんですよ。我々はドキドキしています。絶対しっかりしていますから、彼らについていこうと思います。
森:しかも、子供達は他にもいるからね。
――涌澤くん、ここまでで堂本さんの印象は変わりましたか?
涌澤:おもしろくてかっこいいです。一つ増えました!
堂本:初日までにどうなっているか楽しみです。稽古で駄目なところを見せられないですね。でも、稽古場では駄目なところも見せ合おうよ。ね。
涌澤:(頷く)。
――最後に、みなさんへのメッセージをお願いします。
堂本:このミュージカルを皆さんに届けられることが本当に楽しみですし、自分自身、素晴らしいキャストの皆さんと一緒にこの作品を作り上げるのを楽しみにしています。そのワクワクがきっとステージ上にも乗って、みなさんに伝わると思います。ぜひ楽しみにしていてください!

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着