市村正親・鹿賀丈史ら出演者が登壇し
、劇中より6曲を披露 ミュージカル
『生きる』の製作発表が開催

2023年9月に上演される、Daiwa House presents ミュージカル『生きる』の製作発表が行われ、その模様が公開された。会見には、市村正親、鹿賀丈史、村井良大、上原理生、高野菜々、実咲凜音、福井晶一、鶴見辰吾が登壇し、劇中より6曲を披露した(当初登壇予定だった平方元基は、発熱により欠席)。
黒澤明監督の名画を世界で初めてミュージカル化した意欲作、ミュージカル『生きる』が今秋9月7日(木)より、新国立劇場 中劇場にて3度目の上演を果たす。
撮影:引地信彦
2023年に役者生活50周年を迎えるミュージカル界のレジェンド、市村正親と鹿賀丈史が、残りの人生をかけて市民のために公園を作る男、主人公・渡辺勘治を、全身全霊をかけて演じる。 また、男手一人で育ててくれた渡辺勘治とうまくコミュニケーションがとれない息子を演じるのは再演から引き続き好演だった村井良大。 本作の語り手で重要な小説家役を平方元基と上原理生がダブルキャストで演じる。 渡辺勘治に再び生きる力を与える女性・小田切とよ役には、音楽座ミュージカルのヒロイン、高野菜々が挑む。 光男の妻・一枝に実咲凜音、渡辺勘治の公園作りを妨害するヤクザ組長に圧倒的な歌唱力を誇る福井晶一など、ミュージカル界の豪華な面々が揃うほか、本作の登場人物の中でもっとも腹黒い人物の助役を名優・鶴見辰吾が演じる。
製作発表の冒頭で、劇中より「人生の主人になれ」「ワクワクを探そう」「二度目の誕生日」「あなたに届く言葉」「金の匂い」「最後の願い」の6曲が続けて披露された。伴奏:稽古ピアノ兼音楽監督補助手・村井一帆
♪人生の主人になれ/上原理生:小説家 役(ダブルキャスト)
撮影:引地信彦
自らの余命が短いと知った渡辺勘治は、自暴自棄になり向かった小さな飲み屋で、売れない小説家と出会う。小説家は、金の使い方も遊び方も知らないという勘治に対して、自分が金の使い方を教えてやろうと、勘治を夜の街に誘い「もっと人生を楽しむべきだ」と説く、小説家のソロナンバー。
♪ワクワクを探そう/高野菜々(音楽座ミュージカル):小田切とよ 役
撮影:引地信彦
渡辺勘治は、夜の街で遊び回ってみたものの、人生の楽しさを見つけられずにいた。そんな時に偶然出会ったのは、同じ部署で働く部下の小田切とよ。彼女は、退屈な時には、同僚にあだ名をつけて楽しんでいたのだと、明るく語る。「ワクワクを探せば毎日が楽しくなる!」心が元気になる、溌剌としたナンバー。
♪二度目の誕生日/鹿賀丈史:渡辺勘治 役(ダブルキャスト)
撮影:引地信彦
渡辺勘治は、エネルギーに溢れる小田切とよからのある言葉を聞き、残りの自分の人生でまだ何かできるのではと考えはじめる。まだ遅くはない、今日から生まれ変わるんだと、新たな人生への決意を誓うナンバー。
♪あなたに届く言葉/村井良大:渡辺光男 役
撮影:引地信彦
勘治のひとり息子・光男。勘治の病気のことを知らない光男は、毎日遅くまで帰らずどこで何をしているかも分からない父親に、混乱の中で怒りをぶつける。どうすれば届くのか、昔のように戻れるのか。息子が父親への想いを吐露する1曲。
♪金の匂い/福井晶一:組長 役
撮影:引地信彦
勘治は市民のために公園をつくると決意し奔走するが、ヤクザたちは、その場所に赤線をつくって金を儲けようと、勘治たちを阻止しようとする。危険な香り漂う、迫力の1曲。
♪最後の願い/市村正親:渡辺勘治 役(ダブルキャスト)
撮影:引地信彦
公園を創るという夢の実現まであと一歩というところで、勘治は再び、身体に強い痛みをおぼえる。人生の意味をやっと見つけた今、最後までこの命を生きぬいてみせる。「生きる」ことへの喜び、強い想いが込められた1曲。
なお、歌唱披露された全6曲の楽曲はホリプロステージInstagramアカウント(https://www.instagram.com/horipro_stage)にて公開中。
 
そして、登壇者への質疑応答の前に、スケジュールの都合上欠席となった演出・宮本亞門から届いた『生きる』上演に向けてのコメントも紹介された。
■演出:宮本亞門 コメント(※映像より抜粋)
Daiwa House presents ミュージカル『生きる』(2023)コメント映像【演出:宮本亞門】
いよいよ、再再演、ミュージカル『生きる』が始まります。
私は本当にこの作品が好きで、毎回心が洗われる、生きるための根源が詰まっている作品だと思っています。
今ようやく、コロナ禍も明けてきました。
次の未来へ向けて、何を大切に、何を軸に生きていくか、そんなテーマも入っている作品です。
そして勿論、今回も主役は、市村正親さんと鹿賀丈史さんです。
再演ごとに深くなっていくお2人、今回はどんなアプローチでくるのか。
見逃すことのできない、一瞬一瞬感動にみちたドラマが繰り広げられると思います。
新しいキャストも増え、新たな生きるが生まれます。
劇場でお待ちしております。
会見コメント
■市村正親:渡辺勘治 役(ダブルキャスト)
撮影:引地信彦
2018年の初演時は毎日少しずつ台本が上がってくるようなスリリングな稽古をしていて、いざ本番が開いてみるとお客様から爆発的な拍手をいただき、ああやっぱりこれは素晴らしい作品なんだなと思いました。20年はコロナ禍でしたが、コロナに痛めつけられている状況の中で上演するのも、それはそれでまたこの作品に合っているような気がしました。今年はまた新しく濃いキャストの皆さんが揃っていますので、僕も霞まないようにやっていきたいと思います。
■鹿賀丈史:渡辺勘治 役(ダブルキャスト)
撮影:引地信彦
オリジナルミュージカルの三度目の上演という喜びに浸っております。一度目は初演ということで緊張感もあり、台本の直しも多く大変な稽古場でした。二度目はコロナの最中でしたが、我々は運よく中止にならずに上演することができました。それから3年、世界の勢力地図というものもずいぶん変わりまして、我々はまさに直面する「生きる」ということに戸惑っている時期だと思います。これ以上シンプルで深いテーマはありません。ぜひ皆さん、感動と生きる力というものをお持ち帰りいただければと思います。
■村井良大:渡辺光男 役
撮影:引地信彦
前回はキャストも舞台袖でギリギリまでマスクをしていたり、客席も50%の収容人数で始まったりと、毎日公演ができる喜びを感じながら、まさに一公演ごと「生き切る」ように演じていました。無事ひとりも欠けることなくゴールできた感動を今でも覚えています。僕の演じる渡辺光男は、その後の日本の混沌の中でも力強く、家族の幸せを願いながら生きていく青年です。本当に老若男女、すべての皆さんに響くメッセージのある作品ですので、ぜひ2023年版の『生きる』をお客様の心に届けたいと思います。
■上原理生:小説家 役(ダブルキャスト)
撮影:引地信彦
再演を拝見した際に、あの黒澤明監督の作品を見事三次元の舞台に作り上げられていることと、オリジナルミュージカルとしてのクオリティの高さに感動し、素晴らしい作品だなと思いました。戦後7年の日本、まだ復興の途中でもっと豊かになっていきたいという中で本当に大切にしなくてはならないことは何かを投げかけてくれる作品だと思います。小説家は渡辺勘治とは180度違う人生を歩んできた役だと感じていますので、勘治の生きる姿勢を浮き彫りにするような、光と影の影の部分を描いていければと思います。
■高野菜々(音楽座ミュージカル):小田切とよ 役
撮影:引地信彦
私はオリジナルミュージカルを上演する音楽座ミュージカルに15年所属しています。今回音楽座ミュージカル以外の作品に初めて出演させていただくこととなり、オファーをいただいた時はすごくびっくりして身が引き締まる思いでしたが、物語の一部になっていけるよう精一杯頑張ります。死生観がテーマの作品でありながらも、歌ありダンスありのエンターテイメントにあふれた華やかな世界になっているのがこの作品の魅力だと思います。とよは渡辺勘治に大きなきっかけを与える女性ですが、大切なものは日常にこそ転がっているんじゃないかということを自分自身大切にしながら演じさせていただければと思います。
■実咲凜音:渡辺一枝 役
撮影:引地信彦
日本の名作を原作にしたこの作品に参加させていただけることを光栄に思います。こうして初めての作品に向き合う時は、新しい役、新しい共演者の皆さん、新しい自分の課題に出会えることにいつもワクワクします。初演を拝見した際、観終わった後に自然と涙が流れていて、私は毎日一生懸命生きているのかなと自分自身に問いかけたのを覚えています。渡辺一枝はしっかりと自分自身を持っている意思の強い女性だと思います。個人的にはとよ役の高野さんとは同い年なので仲間がいてすごく嬉しいなと思いますし、対照的な女性像を作っていけたらと思います。
■福井晶一:組長 役
撮影:引地信彦
役者仲間の評判を聞いて初演を拝見しましたが、評判通り素晴らしい作品でした。黒澤明監督の映画がミュージカルになると聞いた時は驚きましたが、エンターテイメント性と同時にしっかりとしたテーマ性もあり、こんなにもミュージカルに適した題材だったんだと思いました。個人的には市村さんと鹿賀さんという、劇団時代の大先輩と初めて共演させていただけることを本当に嬉しく思いますので、色々なことを学びたいです。命を燃やして生きる、というすごく温かいメッセージが込められている作品だと思いますので、たくさんの方にお届けできればと思います。
■鶴見辰吾:助役 役
撮影:引地信彦
初演時には市村さん版を、再演時には鹿賀さん版を拝見しました。関係者席に座らせていただいたのですが、その席にいながら涙が止まらず、それが恥ずかしくて、カーテンコールになってからタイミングをずらしてそっとハンカチで拭きました。それくらい感動的な作品でした。黒澤明監督が亡くなられて、ああ自分はもう黒澤作品には出演できないんだなと寂しく思いましたが、いまこうやってミュージカルという形で携わることができるのは、自分の夢がったようですごく嬉しいなと思っています。市村さん鹿賀さんのパワーに負けないようにしっかり悪役を演じたいです。

新キャストを迎えて上演される「ジャパニーズ・ミュージカルの金字塔」を見逃さないでおこう。

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