ゆりやんレトリィバァ、自分のシルク
・ドゥ・ソレイユ『アレグリア』並み
に世界規模なところは「気楽に生きて
いるところ」

世界最高峰のエンターテインメント集団、シルク・ドゥ・ソレイユの日本公演最新作『ダイハツ アレグリア-新たなる光-』大阪公演が7月14日(金)から10月15日(日)まで森ノ宮ビッグトップにて開催される。1994年の初演以来、身体を駆使した繊細かつダイナミックな演目の数々で世界中を魅了してきた『アレグリア』がさらにパワーアップ。そのスペシャルサポーターに抜てきされた小倉智昭、ゆりやんレトリィバァ、GENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太、数原龍友、中務裕太、AKB48の本田仁美が記者発表に出席。
小倉智昭、ゆりやんレトリィバァ(「画像を全て表示」先にアザーカットあり)
小倉は「『アレグリア』の空中ブランコは想像を絶する。飛ぶ距離、高さ。こちらが「どうなるの?」と思うくらい」、ゆりやんは「火を使う演目があるんですけど、火を使ったパフォーマンスは、できるだけ火が体に当たらないようにするのがすごいところじゃないですか。でも『アレグリア』は当たります。(演者に)「どういう仕掛けがあるんだ」と聞いたら、我慢しているだけらしいんです。当たるっていうか、火を持っていますから」と熱弁。
GENERATIONS from EXILE TRIBE(「画像を全て表示」先にアザーカットあり)
続けて片寄は「ストーリーを追いかけながら、自分自身も話のなかに入っていって楽しめる」、数原は「始まってから終わるまで隙がない。笑えるようなユーモラスな内容で、演目もディテールにこだわっているから目が離せない」、中務は「パワートラックという演目がすごく好きなんですが、超人的で衝撃的。(アクロバットを)やっているからこそ分かります。すごすぎて、「僕もやっている」と言うのが恥ずかしいくらい」とパフォーマーとしての尊敬の念をあらわにした。
本田仁美
本田は「迫力満点の生演奏。口から音源が出ているんじゃないかというくらい安定した生歌に心が奪われました。会場で観ると、息遣いも聞くことができるので、臨場感があって素敵でした」とそれぞれ見どころを口にした。
シルク・ドゥ・ソレイユとスペシャルサポーター
●ゆりやん「自分に嘘をつきたくない」
ゆりやんレトリィバァ
記者発表後は、お笑い芸人・ゆりやんレトリィバァが単独インタビューにこたえてくれた。開催中の東京公演を鑑賞したというゆりやんに、『アレグリア』のおもしろさや自身の芸への影響などについて話を訊いた。
シルク・ドゥ・ソレイユ
――シルク・ドゥ・ソレイユの『アレグリア』大阪公演のスペシャルサポーター就任に際して、東京公演をご覧になったそうですが感想はいかがでしたか。
世界最高峰のエンターテインメントを目の当たりにできる機会をいただき、スペシャルサポーターとしてみなさんに作品を広げることはもちろんですが、自分の仕事にもどうにかして取り入れたいと思いました。
――どのような部分が芸に取り入れられそうですか。
いえ、それが「これは、なにをどう取り入れて良いのか」と思って結局無理でした。芸に取り入れるのは難しすぎます。ただ、『アレグリア』にははっきりとした台詞などがあるわけではなく、表情や動きで世界中の人を楽しませているので、その点は勉強になりました。こういうふうにやれば、笑わせたり、感動させられたりできるんだと非常に勉強になりました。
シルク・ドゥ・ソレイユ
――『アレグリア』の特徴のひとつにアクロバティックな芸もあります。ゆりやんさんも、たとえば「エアハムスターショー」など精神的な部分でアクロバティックなお笑いネタがありますね。
たしかにそうかもしれないですね。「エアハムスター」はハムスター自体がアクロバティックなことをやってきますから。ああいうネタは、なんとなく普段、手を動かしていたら「なんかハムスターを持っているみたい」となって、そこからできていくんです。どんなネタでもそうなんですけど、あまり「考えよう」という感じで作るんじゃなくて、ふとひらめいたものがネタとして広がっていきます。
ゆりやんレトリィバァ
――ゆりやんさんは2020年にアメリカのオーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』にも出演されました。あらためてご自身のなかで「自分のこういうところが世界規模だ」と感じるものはありますか。
よくインタビューなどでもアメリカの番組に挑戦したことを尋ねられるんですが、「でも1度しか出てないし、なんも分からへん」という感じなんです。なのでお笑いについて「世界」とか意識することはまったくないんですけど、それ以外なら気楽さかなと。日頃から「これができていなかったらどうしよう」「あれができていない、どうしよう」と焦って生きている人は多いですよね。私は「そんなに焦らなくて良いのに」と感じちゃうんです。
――ゆりやんさんはそうではない、と。
そうですね。性格的に、めちゃくちゃ楽に生きています。
シルク・ドゥ・ソレイユ
――『アレグリア』は守るべき伝統と新しくしていくものの融合を描いた物語でもあります。ゆりやんさんは「自分のこういう部分を新しくしていきたい」ということはありますか。
これまで守ってきたけど最近は「守らないようにしよう」と考えているのは、誰にでも愛想を振りまかないということですね。
――たしかにゆりやんさんはいつもにこやかな印象があります。
今まではどんなときも、誰にでも愛想を振りまいていました。でももう、自分に嘘をつきたくないんです。愛想を振りまくのは、結局は自分を感じ良く見せたいからじゃないですか。ずっとニコニコしていることがしんどくなってきちゃって。ただ、まだちゃんと気持ちを切り替えられていません。これからの目標ですね。
シルク・ドゥ・ソレイユ
――『アレグリア』の物語の題材は王位継承ですが、ゆりやんさんも2017年に『第47回NHK上方漫才コンテスト』、同年『THE W』、2021年に『R-1グランプリ』で優勝されました。チャンピオンになると、肩の荷がおりて芸がよりノビノビとできたり、自由度があがったりするのではないでしょうか。
それはあるかもしれません。特に『R-1』は絶対に獲りたかったから、優勝するためにいろいろ考えたりしていましたし。あのときはどんな舞台でも、今とは違う力の入り方があった気がします。
――気持ちの部分がかなり変わった感じですか。
優勝してそういうことが一通り終わったので、いろいろ関係なくネタができるようになったかもしれません。おっしゃるように気楽になりました。でも、ネタに関してはもともと賞レース用に作っていたわけではないんです。それでも、やりたいネタを『R-1』まで取っておかずに好きなときに見せたりして、出し惜しみせずやれるようになりましたね。
――最後にあらためて『アレグリア』の見どころを教えてください。
人生が変わる体験ができるはず。特に「ピー」と「ピー」が大変なことになります!
ゆりやんレトリィバァ
取材・文=田辺ユウキ 撮影=ハヤシマコ

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