【中王区 言の葉党 インタビュー】
中王区の力強い魅力が
ギュッと詰め込まれている
『ヒプノシスマイク』の面白い部分は
楽曲と一緒に物語が進んでいくところ
合歓の『ヒプノシスマイク』のデザインも公開されましたが、あれもファンのみなさんさんを湧かせていましたね。
実は私も完成されたイラストを見たのはみなさんと同じタイミングでした。マイクのデザインはクロスと剣。“言の刃”で相手を切り刻んでいく覚悟の表れなのかなと。そして、スピーカーはまさかのカラベラを思わせるメキシカンなデザイン。あまりの衝撃に“Viva Mexico!”と声を上げてしまいました。何より兄と同じ髑髏のデザインに、なんとお揃いのお守りが付いていて、“ここで登場するのか!?”と胸がアツくなりました。『ヒプノシスマイク』の世界はマイクとスピーカーのデザインだけでもたくさんの考察ができちゃいますね。
今作のレコーディングを振り返ってみて、改めて何か思い出すことはありますか?
中王区のCDが発売されると聴いた時は、嬉しい気持ちで天にも昇る心地だったんですけど、それも束の間、ユニット曲とソロ曲の仮歌を聴いた途端、プレッシャーが重くのしかかってきました。とにかく仮歌の時点での完成度が半端ではなかったので、“もうこれでいいんじゃないかなぁ?”って(笑)。でも、これはあくまでキャラソンなので、私は声優としてキャラへのアプローチをたくさん用意してレコーディングに臨みました。ソロ曲ではあっこゴリラさん、ユニット曲ではChaki Zuluさんからディレクションをいただき、それぞれ納得いくまでテイクを重ねました。リズムの取り方や発音などをどうすればカッコ良くなるのかをプロの方からアドバイスしていただけて、とても勉強になりました。うまく音に乗れた時の達成感は最高でしたね。最終的にはプレッシャーより楽しさが勝ちました。ラップって楽しいです。
演じている合歓に対してはどのような想いがありますか?
合歓は世の中を内側から変えてやろうという気概のある女性です。守られてばかりではなく、自分で行動して理想を追い求める。可愛い見た目からは想像がつかないくらい実はカッコ良い女性で。そんな彼女を知れば知るほど、“こうなりたい!”という憧れが強くなっていきます。“彼女の抱く正義を貫いてほしい。それを見届けたい!”という気持ちでいっぱいです。
合歓としてラップする上で意識したことは?
実は合歓がどのようなラップをするのか、最初はまったく想像がつかなくて戸惑いました。でも、彼女自身の持つ芯の強さや左馬刻の妹であること、また私自身が合歓役をいただいた意味なども考え、キャラクターを作り込んでいき、最終的にストレートで力強いキレのあるラップに辿り着きました。『ヒプノシスマイク』の面白い部分は、楽曲と一緒に物語が進んでいくところですよね。「Femme Fatale」の時の合歓は洗脳されている状態。でも、今回の「Independence day」「Verbal Justice」では洗脳が解けた、100パーセント合歓の言葉になります。そこを忘れずに各曲をしっかり表現していくことを意識しました。
さまざまなアーティストのラップに触れながらスキルを磨いてきたと思いますが、山本さんがラップに目覚めたきっかけはどのようなことだったんでしょうか?
中学生の時に林原めぐみさんの「KOIBUMI」というラップソングをカラオケで完璧に歌いたくてめちゃくちゃ練習したんです。それこそノートに歌詞を書いて、リズムの乗り方を研究して。そこからラップを歌うことの楽しさや達成感を覚えて、KICK THE CAN CREWさんやRHYMESTERさん、らっぷびとさんなどをよく聴いて歌っていました。その後、声優になり、『じょしらく』という作品の特典ドラマCDでZeebraさんのような人物を演じさせていただく機会があり、研究のためにキングギドラさんを聴くようになって、よりディープでドープなラップの世界に足を踏み込んだような気がします。自分で歌詞を書いてみようと思い立ったのは、ドラゴンボール芸人の方たちが「Grateful Days」を替え歌していて、作品やキャラへの愛を自由にラップに落とし込んでいる様子を見て、“なんて楽しそうなんだろう。私もこういうことしてみたい!”と思ったのがきっかけでした。
今回の中王区のCDも誰かがラップに目覚めるきっかけになるかもしれないですよ。
そうですね。聴いても歌っても内側から強さがあふれ出てくる楽曲が詰まっていますから。ぜひ、聴いて、歌って、自分をぶち上げちゃってください!
取材:田中 大