「役者のパーソナルに光を当てたい」
平野良×松井勇歩『2.5次元ナビ!シ
アターVol.1 ~セッションしようゼ
!~』インタビュー

2.5次元舞台を中心に活躍する人気俳優による情報バラエティ『2.5次元ナビ!』の番組連動イベント『2.5次元ナビ!シアターVol.1 ~セッションしようゼ!~』が2022年10月13日(木)〜16日(日)、東京・CBGKシブゲキ‼にて開かれる。番組MCの平野良、番組レポーター「ナビ隊!」の松井勇歩をはじめ多彩なキャストが登場し、平野が手掛けるショートストーリーやコントが上演される。どんなセッションが繰り広げられるのか、始動したばかりのイベントについて2人に直撃。互いに演じてみてほしい役柄なども語り合ってもらった。
――番組として、演劇主体のイベントは初めての試みですね。
平野:公開収録のコーナーとしてやったことはあったんですが、こうして丸ごと一つのイベントという形は初めてになります。まだ試行錯誤していますが、改善すべきところをして続けていけたら嬉しいですね。
松井:「ナビ隊!」(長江崚行、松井、宮城紘大)のあいだでは「いつか良さんとお芝居したいよね」って話をずっとしていたんです。今回経験できるのは残念ながら僕だけなんですけど、ちょっと抜け駆けさせてもらおうかと! もし第2弾があるとしたら、二人にちょっと大きい顔しちゃいますよ。
平野:大きい顔したいところ申し訳ないんだけど、崚行は別番組でもう俺が作ったコントに出てるんですよ。しかも、がっつり2本も(笑)。
松井:あ、負けました……。
――ショートストーリーは、平野さんが脚本・演出を担当されるそうですね。現状、どのような構想を練られていますか?
平野:初稿が上がったところでまだまだ書き直しがある状態なんですが、今のところは3人の役者によるエチュードのようなところから始まって、あんなことやこんなことに……という展開を描いていこうかと。キャラクターを演じてもらうというよりも、その場で普通に話している感じが良いですね。どちらかというと、ドキュメンタリー的なイメージ。普段は役を背負ってくれている役者さん自身の、パーソナルな部分に光を当てたいんです。コメディになるか、はたまた韓国映画のようなドロドロとした雰囲気になるか。マルチキャストですし、演じる人によって違いが出てくるはずです。
平野良
松井:えー、どうなるんやろ。
平野:この説明じゃ、わかんないことだらけだろ(笑)?
松井:正直、想像もついてないですけど(笑)、良さんの脚本・演出を体験できることがとにかく楽しみですね。
――さらに、平野さん演出によるエレキコミックのコントも上演されるとのこと。お二人とも、今立進さんとはご共演経験がありますね
平野:プライベートでも仲良くて、そのご縁もあって今回お借りすることになりました。
松井:僕、先日やつい(いちろう)さんの『YATSUI FESTIVAL! 2022』行ってきたんですよ。
平野:おおー! どうだった?
松井:エレキさんのネタは小さい頃から見てきたんですが、生で見るとまた本当に面白くって。コントをやらせてもらうことが決まってから見たので「これを自分もやるんか!」という感じでした。この2人が作ってる空気感を、自分はどう出すんやろと。楽しみと不安、半々の気持ちですね。
平野:エレキさんって、人を傷つけない笑いだよね。まるで中学生の男子2人がキャッキャしながら楽しんでるみたい。その空気が見てる側にも移ってくるんです。かと思えば、急に社会風刺を盛り込んでくることもある。変幻自在さも魅力ですよね。
松井:僕、だてさん(今立)とついこの間まで共演してたんですけど、ずっとツッコミされてて。同じシーンでも公演ごとに変えてくるし、たまに役者側にアクシデントが起きると、それに対してすごい楽しそうにツッコんでくださるんですよ。僕たちが舞台上で経験したそのツッコミが、エレキさんのコントだと基本的にずっとそれなんです。「これ、ずっとアクシデントなんかな?」って思うくらい(笑)。すごい自由にやってはるんやろうなって、見てるこっちも楽しくなる空気感が素敵ですよね。

松井勇歩

>(NEXT)チームによっては結末までたどり着かないかも?!
――コントについては、どんな演出プランを想定されてますか?
平野:コントは計3本お借りしていて、1公演につき2本ずつやっていくスタイルです。もうすでにどのコントになったかというもの決まっていますが……まずセリフ覚えが大変でしょうね!
松井:うわー! そうですよね、コントは2人きりですもんね。
平野:ぶっちゃけ、セリフ通りじゃなくてもいいと思ってるんだけどね。派生部分が面白くなっちゃって、本来の形の半分くらいまでしかできなかった……なんてこともあり得るだろうし。
松井:可能性はありますよね(笑)。
平野:それが「役者がコントをやるとこうなりました!」ってことだと思う。エレキさんのネタをお借りするけど、完全なコピーを目指すわけじゃない。チームによっては、結末までたどり着かないかもしれないし(笑)。
松井:それ、元ネタ知ってたらめちゃくちゃおもろいですよね(笑)。
平野:ね。だからエレキさんのネタを見てから来てもらってもいいし、逆に僕らのコントを見てからエレキさんのネタも見てもらいたいんですよ。

――おふたりとも作り手としての経験がありますが、コントの楽しさや難しさは?

平野:へー! 勇歩もコント作ったことあるんだ?
松井:すっごい昔ですよ! 本当に難しかったですし、新しいものを次々に生み出す芸人さんのすごさを思いしました。漫才も作った時にも感じたんですけど、どうやったって既視感だらけになってしまって。自分なりの面白さを詰め込んだつもりでも「これ〇〇さんのネタで見た!」みたいなことになってしまうんですよね。
平野:笑いって、万人受けするかわからないじゃん? だから結局、自分がおもろいって思ったことを書くしかないんだよね。
松井:道筋があるようでないですもんね。お芝居の場合はある程度のリズムがあって、笑いのタイミングもある。コントは流れを追ってしまうと面白くなかったり、こちらが思う笑いどころがあっても逃したりするじゃないですか。お芝居とはまったく別ジャンルのものなので、どうなるのか楽しみです。
――笑いといえば、番組内で繰り広げられる平野さんと松井さんの漫才のような掛け合いも印象的です。
松井:これは大変ですよ。もしかして良さんの発言、視聴者の方にボケだと思われてるんじゃないですか?
平野:あははは! 僕は、しょうもないことでもちゃんとツッコんでくれる人の前ではボケます。勇歩はたくさん球数を返してくれるんですよ。番組始まった頃は、全然ボケてなかったでしょ?
松井:言われてみれば、そうかもしれないですね。
平野:朗読劇で初対面だったけど、そのあとこの番組で一緒になって……。
松井:ロックミュージカル『MARS RED』でご一緒したあたりからですかね?
平野:稽古中の席が近かったんだよね。ちょっとずつ喋るようになって、こんな感じになりました(笑)。
平野良
>(NEXT)松井勇歩が平野良にやってほしい役とは?
――番組が始まって5年、MCやリポーターとして意識されていることは?
平野:ゲストの情報を聞き出す、普段じゃ見せない姿をお伝えするというミッションはもちろんあるんですが、考えすぎるとシステマチックになってしまうんです。役者同士ということはあまり関係なく、一つの出会いとして面白おかしい時間にしたいなと思っています。僕自身もその時間を楽しみたいですしね。
松井:「ナビ隊チャレンジ」も始まりましたし、いろんなことに挑戦させてもらってます。以前は舞台の囲み取材も行かせてもらってたんですが、コロナ禍以降はお邪魔することができなくなってしまって。取材の場では「この場で一番ちゃんとせなあかん」って言い聞かせてました。本番を控えた役者さんの視界に、派手なつなぎ姿が視界に入るわけですからね(笑)。ああいう現場も楽しかったですね。
――今後、番組内で挑戦してみたいことがあれば教えてください。
平野:(即答で)ハワイに行きたいです。
松井:ただの旅行じゃないですか! 番組、全然関係ない!
平野:ハワイで2.5次元の魅力を語りましょう!
松井:トップがそう言ってはるなら、俺もハワイって言っておきます(笑)。
松井勇歩
――(笑)。今回のイベントでは平野さんが脚本や演出を手掛けられますが、もし松井さんが平野さん主演作を手掛けるとしたら?
松井:そんな恐れ多い! 考えたこともないですよ!
平野:(松井のほうを向いて)どんな感じで書いてくれるんですか? 僕はあなたに、どう刺激を与えてますか?
松井:もー(笑)! (しばらく考えてから)昔、こういうお芝居してみたいなってぼんやり考えてたことがあるんですけど……。
平野:聞かせて、聞かせて。
松井:本当にクズな男の一日。良さん、そういう役のイメージあるんですよ。誰からも共感してもらえない男をやってもらいたい。キラキラしたりカッコよかったり、そういうのじゃない良さんを見てみたいです。
平野:すっげーだらしない感じの? 髪の毛ぐっちゃぐちゃの寝起きから始まるとか。
松井:あ、俺のイメージとは違うクズですね(笑)。それもまた面白そうですけど!
――ちなみに、平野さんが考える松井さんに演じてほしい役やシチュエーションは?
平野:陽気だし人当たりがいい人柄だからこそ、めちゃくちゃ泣きながら飯食うシーンをやらせてみたいです。何か理由があって号泣してる、でも飯はちゃんと食べる。陰な行動だけど、陰に落ち切らないみたいな。どう? YouTubeに上げてもいいんだよ?
松井:動画タイトル「号泣しながら飯食ってみた」とかですか。新しいっすね(笑)。
平野:案外バズるかもね(笑)。やるならネタとかじゃなくて、がっつり演じ切ってほしいなあ。
――最後に、イベントを心待ちにされている方へメッセージをお願いします。
松井:僕らのやりたいこと盛りだくさん、いっぱい詰め込んでいるはずなので、楽しくなること間違いなしです! 普段はテレビで見てくださっている僕らの姿を、劇場で役者としての姿を楽しんでいただけたら嬉しいですね。
平野:個人的に考えている今回のテーマが、メディアミックスを通して文化・芸術をシームレスにしていきたいということ。2.5次元に携わる役者は普段、原作とキャラクターを背負っています。そんな俳優たちの素顔を見るということ自体も、ある意味でのメディアミックス。芸人さんのコントを俳優がやることもそう。「この作品を演じてる姿しか知らないけど、ほかの作品も見てみたい」と思ってもらいたい。いろんな興味心をくすぐれたらと嬉しいですね。何も考えないで見ていただけるイベントですので、予定が合えばぜひフラッと遊びにきてください。
取材・文=潮田茗、写真=荒川潤

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