祈り、願い、舞い、踊る――人間の根
源的な魂の躍動を 『魂神楽』尾上菊
之丞、竹本織太夫、吉井盛悟らコメン
トが到着
石見神楽
石見神楽は石見の地に根付き、愛され、地元の方々によって受け継がれてこられました。また、日本舞踊は日本の様々な芸能を取り入れながら、独自の身体表現として発展し、先人より受け継がれていく中で、その芸を磨いて参りました。
アメノウズメの神遊びから始まったと言われる、日本の芸能に於いて、同じ先祖を持ちながら、日常の生活の中に息づく神楽と、非日常の舞台を生業とする我々とは、いつの間にか近くて遠い存在となっていたように思います。
しかし、今こそ祈り、願い、舞い、踊るという人間の根源的な魂の躍動に立ち帰り、伝統芸能を見つめ直す時が来ているのではないかと思っております。
神楽、日本舞踊、郷土、古典などの隣り合った高い垣根を取り払うことで、伝統芸能は進化をしてゆくと思いますし、私自身、同じ舞台で、神楽の息づかいを肌で感じながら一つの作品を作る事で、自分の中でも新しい発見が生まれることを、ワクワクしますし、今回の公演を非常に楽しみております。
この度、演出と言う身に余るお役目を頂き身が引き締まる思いがしております。
天岩戸開きや大蛇退治に類似する神話は世界に散りばめられています。
心の不安を「闇」や「怪物」になぞらえ可視化することでネガティビティを乗り越える心をまとめ上げてきました。
それが「まつり」であり、古来は「政:まつりごと」と表裏一体でありました。
根底には心惹と感興を求める心があり、それは恙ない平和を願うことが源流にあると思っています。
石見神楽は令和元年5月に「神々や鬼たちが躍動する神話の世界~石見地域で伝承される神楽~」として日本遺産の認定という大きな名誉を頂きました。
当実行委員会は石見神楽の保存と活用に向けて、将来ビジョンの計画と実行を行う民間団体「MASUDAカグラボ」を母体とし組織しており、将来ビジョンの一つである興行化のもとに『魂神楽』の企画・運営を行っております。
本公演の開催に際し、多くの方々のご尽力を賜り開催する運びとなりました事、大変有難く幸甚の至りであります。
また、この度の公演には尾上流家元 尾上菊之丞様をはじめとして人形浄瑠璃文楽太夫 竹本織太夫様、演出/出演 吉井盛悟様また脚本 戸部和久様、このそうそうたる方々と同じ舞台を踏める喜びと誇りを胸に、石見神楽の新たな可能性と創造を見出して行きたいと思っております。また、芸能の聖地でもある京都「先斗町歌舞練場」にて石見神楽を上演できます事身に余る光栄と存じます。
石見神楽と古典芸能が織りなす新たな創造の舞台、是非ご覧いただければと思います
SPICE
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