【2020年12月】KALMA、Hakubi、ヤユ
ヨ。若き血潮が震え立った『スペース
シャワー列伝 第144巻 ~祭燦再始の
宴~』
昨今のコロナ禍の中、厳重な審議を得て、有観客ライブへと踏み切ったこのイベント。結果は、大成功のうちに終わった。この記事では、その貴重な宴の一部始終をレポートする。
Hakubi
「何かひとつ 確かなものを探している」
そして、間髪入れず、アッパーチューンである『ハジマリ』へと突入。サビのパートでは、オーディエンスのほぼ全員が無言で拳を突き上げており、コロナ禍における有観客ライブのあるべき姿を、ファンたちは自然と体現しているようだ。
それに答えるように、片桐は曲間で、こう語る。
「迷った人もいると思う。迷って来なかった人もいると思う。でも、ライブができてよかったと思う」
続く『辿る』では、片桐もステージ上を行き交い、「握り拳をくれるか!」と、オーディエンスを煽った。
「忘れるんじゃないか 消えてしまうんじゃないか」
4曲目では、新曲『アカツキ』を披露し、ラストは『mirror』で締めくくった。
「いい日になりますように」
ヤユヨ
リコの高らかな歌声が鳴り響き、重厚なサウンドが覆いかぶさる『七月』は、ライブのスタートにぴったりな楽曲だった。アメリカン・カントリーチックなリズムアレンジは、女子大生たちの発想とは思えない引き出しの多さを伺わせる。
そして、特筆したいのは、バンド創始者であるぺっぺのギターワーク。これまた、若いのに熟練のブルースマンが弾くようなフレージングを奏で、楽曲はゆったりと壮大に流れる。
「はじめまして。大阪のヤユヨです。東京でのライブは始めてで、ドキドキ・ワクワクしています」
ギターを置き、オンヴォーカルとなった『いい日になりそう』は、冒頭から大熱唱。Aメロ、Bメロ、サビと全て違うリズムアレンジの上に、ぺっぺの軽やかなギターが縦横無尽に響き渡る。ラストナンバーの『今度会ったら』は、頭打ちのドラムからスタートし、オーディエンスからは手拍子が巻き起こった。
「2021年また会いましょう、絶対いつか会いましょう。今度会ったらまた話そうよ!」
KALMA
畑山によるシャウト&ジャンプから始まる『デイズ』で怒涛のパフォーマンスがスタート。「ワン、ツー、スリー、フォー!」の掛け声から、軽快な青春パンクサウンドが鳴り響く。
「お前にも夢があって」の、一節からの盛り上がりぶりは、実に高揚感を得られ「ラ・ララ・ラ・ラララララー」といったコーラスパートは、とてつもなく一緒に歌いたくなる爽快感が放たれる。
ベースの斉藤陸斗による、直線的なダウンピッキングも、楽曲をリードする。四つ打ちのリズムが心地よい『これでいいんだ』のサビでは、メンバー全員で大合唱。声が出せる状況のライブであれば、オーディエンスたちも共に歌いたかったであろうことは、間違いない。
楽曲の後半では「自分次第だ!」を何度も叫ぶ畑山。そして「僕たちだけの日々」というフレーズで、バシッと締めた。
「スペシャ列伝は、高校生のころから、ずっと出たかったんです。本当に嬉しいです!」
さらにヒートアップする『くだらん夢』。向かい合わせになって弦楽器を弾くフロント陣のパフィーマンス、Aメロではギターを弾かず、歌に徹し、中盤では弾き語りパートも登場するなどなど。激情の青春ロックスピリットを、まざまざと見せ付けてくれた。
アンコール曲『blue!!』の演奏が終わった後、無人のステージには、出すに出せない声援の代わりに、惜しみない大きな拍手が送られた。
依然続くコロナ禍の中、出演者たちも明言するように、観客を有するライブを決行することは、相当な覚悟と準備が必要だったはずだ。ファンも、もちろん、それをわかった上での参加である。
今回のイベントは、出演者・スタッフ・オーディエンスがまさに三位一体となり、マナーとルールを
守った上で行われた有観客ライブの見本とも言えるのではないだろうか。
2021年における、ライブパフォーマンスの希望が、そこには、確かにあった。
セットリスト
<Hakubi> 1.光芒 2.ハジマリ 3.辿る 4.アカツキ 5.未発表曲 6.mirror <ヤユヨ> 1.七月 2.メアリーちゃん 3.いい日になりそう 4.ユー! 5.君の隣 6.さよなら前夜 7.今度会ったら <KALMA> 1.デイズ 2.ねぇミスター 3.これでいいんだ 4.僕たちの唄 5.逃げるなよ、少年! 6.くだらん夢 EN.blue!!
Hakubi
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ヤユヨ
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