【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#221歌
手・都はるみの言葉

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

いつも切羽つまった生き方をしていれば
どんなカベにも突進していける

より

1966年、当時48歳の都はるみが“青春と恋愛と仕事”について語った貴重なインタビューである。16歳でデビューし、2枚目のシングル「アンコ椿は恋の花」でミリオンセラーを達成した都。人気歌手として多忙を極めていた17歳の頃に心の拠り所として新宿2丁目のゲイバーに通い詰めていたというエピソードや引退の真相など、都の意外とも思える一面を知ることができる。今回の名言は、都が未来について語った言葉からの抜粋。「安定だけを望む生活はしたくない」という考えの後に続けた言葉である。他にも「いつも崖っぷちにいたいんですよ」「できるかぎり挑戦していきたい」と冒険家のような精神性も覗かせる。才能に溢れ、順風満帆に見える歌手人生の裏に秘められた闘志こそ、都の最大の魅力なのかもしれない。
都はるみ (みやこはるみ)
1948年2月22日生まれ、京都府京都市出身。歌手、音楽プロデューサー。1963年、『第14回コロムビア全国歌謡コンクール』にて優勝。1964年、シングル「困るのことヨ」で、歌手デビュー。同年「アンコ椿は恋の花」がミリオンセラーを記録する大ヒット。『第6回日本レコード大賞』新人賞を受賞。一躍スターダムにのし上がる。1976年、「北の宿から」をリリース。『第18回日本レコード大賞』にて大賞を受賞。『FNS歌謡祭』にて最優秀グランプリを獲得。1980年、「大阪しぐれ」をリリース。『第22回日本レコード大賞』にて最優秀歌唱賞を受賞。日本レコード大賞で初の大賞・新人賞・最優秀歌唱賞の三冠を達成。1984年、歌手を引退。1987年、音楽プロデューサーとして活動を始める。女性演歌歌手大和さくらキム・ヨンジャなどをプロデュース。1989年、『第40回NHK紅白歌合戦』に出場し「アンコ椿は恋の花」を歌唱する。1990年、歌手活動復帰。2005年、『芸術選奨文部科学大臣賞』を受賞。2008年、デビュー45年目を迎え『3大劇場座長公演』を開催。2010年、『紫綬褒章』を受章。現在、歌手活動を休止中。
仲村 瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。

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