蒼井翔太、日本武道館でのオンライン
ライブを振り返り&全曲解説インタビ
ューが公開
ピアニストとの方と二人だけという初めての形だったので、見ている皆さんも僕自身も、誰もが緊張すると思ったから、“どの曲が一番ホッとしてくれるかな?”ということを考えました。1曲目でいきなり心が温かくなって、離れていても同じ時間を共有してるんだという思いでホッとしたいというのが、僕の正直な気持ちでした。
普通は演奏が終わると皆さんの歓声や拍手が聞こえますけど、この日はそれが無いから音がなくなってしまうわけですよね。そのシチュエーションを逆にプラスに考えて、音が無いからこその曲の繋ぎ方というのをやってみたいと思ったんです。だから「Harmony」が終わった後に続くのもまだ1曲目の続きなのかなという感じを、この「汝の言霊」との組み合わせでまず作ってみました。
あの場の空気感、あの瞬間の本当にリアルな気持ちをお届けしたいなと思っていたし、僕自身もやっぱりあの場ならではの高揚があったから、この曲ではちょっと前のめりな感じになったところもあったかもしれないですけど、それはバンドでやるライブではなかなか出せなかった、よりリアルな部分かなという気もします。
“ピアノ・アレンジでこんなに生まれ変わるんだ”という意味で一番印象に残った曲です。オリジナルのバージョンは4つ打ちのリズムも入ってたりするんですけど、メロディも歌詞の内容もバラードとして聴かせるのに持ってこいの曲だと思って選んだら、ここまで切な哀しいというか…、しっとりとして壮大な曲になるとは、っていう衝撃がありました。
この曲は人気な曲の一つだから、新しくアレンジするにしてもオリジナルに忠実な感じがいいのかガラッと変えたほうがいいのか、けっこう悩んだんですよ。ピアノの工藤拓人さんもいろいろ試行錯誤してくださって、従来のイメージを守りながらもちゃんとトランスフォームした「零」をお届けできたんじゃないかなと思います。
蒼井翔太として初めてレコーディングした曲なので、今回の全体の流れのなかでも特にフィーチャーしたいという気持ちがあったんですが、皆さんの感想でも「愛のささめきごと」が良かったという反応が多くて、嬉しかったですね。少し前の曲も新しいアレンジを施すことによってまた新しい印象を与えられるんだということを確認できたのも僕にとっては大きかったです。
最初からずっとあった緊張から解き放たれたのが、この曲を歌っている時でした。最後のみんなと一緒に歌うパートでは、目の前に見えていなくても、きっと見てくれているんだろうなという感覚がワーッと沸き上がってきました。これまでに築いてきた絆を強く感じるというか。同じ時間にライブを楽しんでくれているんだということを実感した瞬間でした。
「I am」から第二幕というか後半が始まって、この曲からギアをあげて飛ばしていくというイメージでした。床に水を張ってないのに水面上で歌っているかのように見える照明が素敵でしたね。
ピアノ1本のアレンジだからこその歌い回しということで言うと、この曲が一番印象に残っています。工藤さんが弾いてくれるフレーズやコードに影響されて僕のなかのジャジーな要素が引き出されて、出来上がりはオリジナルとはまた違った意味でオシャレな仕上がりになったような気がします。
この曲は、とにかくタンバリンですよ(笑)。いつもだったら、バンドに刻んでもらってるのが、今回はタンバリンで刻む自分のリズムがその曲のリズムになるわけですよね。だから、タンバリンが当たる右足の太もものあたりが青くなるくらいがんばりました。去年、中止になってしまったDIMENSIONツアーで初披露するはずだったのにできなかった曲だから、そういう意味でも特に気合いが入ってましたね。
この曲は、オリジナルもピアノのイントロのフレーズがすごく印象的なんですよ。だから、今回の編成でやるんだったらぜひ入れたいと思っていた曲なんですけど、新しいアレンジでは敢えて前半はリズムを刻まずにしっとりと聴かせて、後半リズムが入るとともに盛り上がっていくというメリハリをつけた上でオシャレな感じに仕上がりました。
自分が作った「ありがとう」という気持ちを伝える歌をこの機会に歌えたのは、みんなが変わらず僕のそばにいてくれるからできたわけで、皆さんがいつでもそばにいてくれるのは本当にありがたいなとあらためて思いました。今回は、今後の「うたいびと、蒼井翔太」を懸けているライブでもあったから、今後もこの曲を歌っていくんだ、「ありがとう」を伝えていくんだという決意表明の部分もあったようにも思います。
振り返ると、どのライブもそうなんですよね。笑って終わりたいって。しかも、“いつでも、どんな時でもチャレンジしていたいという気持ちを蒼井翔太はずっと持っていないといけないな”と思っているので、いつでもお腹いっぱいの気持ちにはならないよという意味で、最後はこの曲にしました。
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