映画『イン・ザ・ハイツ』(7月30日
公開)“ラップバトル”本編映像公開

2021年7月30日より日本公開される映画『イン・ザ・ハイツ』。その原作は、リン=マニュエル・ミランダの作詞・作曲、キアラ・アレグリア・ヒューディーズの脚本により作られた同名ミュージカル作品である。2008年にブロードウェイ初演、同年のトニー賞で作品賞、楽曲賞、振付賞、編曲賞に輝き、さらに同年のグラミー賞でもミュージカルアルバム賞を受賞した。そんな『イン・ザ・ハイツ』の映画の本編映像のうち、このほど劇中の男性陣によるラップ合戦を繰り広げるシーンの一部が公開された。
【動画】映画『イン・ザ・ハイツ』本編映像(ラップシーン)2021年7月30日(金)公開

このシーンは有名な「96,000」というナンバーの冒頭部分。舞台はニューヨーク市マンハッタン区の北端に位置する移民街ワシントン・ハイツ。主人公ウスナビ(アンソニー・ラモス)が営むコンビニで売った宝くじの中に、9万6000ドルの当たりくじがあったことが発覚する。慎ましく暮らすワシントン・ハイツの住民にとって9万6000ドルは大金だ。後にこの噂は街中に広まり大騒ぎになるが、ウスナビたちも「もし9万6000ドルを手にしたら?」と色めき立ち、夢を語り合い始める。
まずタクシー会社に勤めるベニー(コーリー・ホーキンズ)のラップからスタート。「ハデに使わずクールにビジネス・スクールへ♪」と堅実な性格を見せたかと思いきや、「俺はリッチな実業家。タイガー・ウッズが俺のキャディ」と野心むき出しなリリックを次々と披露する。対するウスナビも「やめな。ホラ吹き男。お前のウソはピノキオ」と応酬。そこに割って入るのはペインターのピート(ノア・カターラ)だが「やめろ。下手なラップ。“よう”しか言えねえ?」とすぐに一蹴され撃沈。3人のディスり合いはさらに白熱していくが……まるでラップバトルさながら、小粋なCGも面白く絡みつつ、観客の気分は否応なしにアガる本編映像となっている。さらに映画では、この後、驚くほど壮大でハデな展開が待っているのだが、詳しくは本編鑑賞でのお楽しみ。
『イン・ザ・ハイツ』7月30日(金)全国ロードショー! (c) 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
映画『イン・ザ・ハイツ』はサルサやメレンゲ、R&Bやポップなど様々な音楽で彩られているが、中でも上記映像等に見られるようなラップミュージックはミュージカル映画の従来のイメージとのギャップもあり新鮮に映ることだろう。本作の原作ミュージカル初演当時も、クラシックやポップが主流だったブロードウェイに本格的にラップを持ち込んだことにより、大きなインパクトを与えた。
原作者であり、作詞・作曲を務めたリン=マニュエル・ミランダは、この斬新なミュージカルを作った時の心境を次のように語っている。「僕は昔からミュージカルが大好きなのだけれど、既存のミュージカルには、自分の居場所がないと感じていたんだ。だから、大好きな『RENT/レント』のジョナサン・ラーソンが友達の話を作品の題材にしたように、僕も『イン・ザ・ハイツ』を独自に書き始めた。僕が舞台にふさわしいと感じた、大好きなラテン音楽やヒップホップを取り込んだ作品をね」
『イン・ザ・ハイツ』7月30日(金)全国ロードショー! (c) 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
『RENT/レント』では作者のジョナサン・ラーソンが伝統的なブロードウェイミュージカルに本格的ロックの融合を試みて、ブロードウェイの歴史に変革をもたらした。リン=マニュエル・ミランダはそれを鑑とするように、『イン・ザ・ハイツ』においてラップでブロードウェイの歴史を変え、さらに次作『ハミルトン』でダメ押しをしてみせたのだった。
そういえば、今回の映画で美容室のダニエラ役を演じるダフネ・ルービン=ヴェガは、『RENT/レント』のヒロイン、ミミ役を初演で演じた伝説的女優だ。また、リン=マニュエル・ミランダが長編初監督を務め今秋にNetflixで公開予定の『tick,tick...BOOM!』(主演:アンドリュー・ガーフィールド)は、ジョナサン・ラーソンが『RENT/レント』の数年前に作った自伝的ミュージカル作品の映画化作品である。ミランダの創作活動の随所に溢れる、このようなラーソンへのリスペクトを思うと、「96,000」という曲名にさえ、「Seasons of love」の「525,600(秒)」という歌詞との関連性を勘ぐりたくなってしまうほどだ。……そんなことにも思いを馳せながら、7月30日からの公開を楽しみにしていただきたい。
『イン・ザ・ハイツ』7月30日(金)全国ロードショー! (c) 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着